カーリング体験会の報道

カーリング関係者は、チームや立場は違っても、競技の普及・啓発については協力して積極的に取り組んでいます。
だから、7月31日の横浜でのカーリング体験会でも、フォルティウスのメンバーが講師に名を連ねていたり、ロコ・ソラーレの藤澤選手がサプライズ参加したりしているのですが・・・

 

<よくない記事の例>
藤沢、子どもらを指導 カーリング体験会

時事通信 7/31(日) 16:08配信

 北京五輪で銀メダルを獲得したカーリング女子のロコ・ソラーレでスキップを務める藤沢五月が31日、横浜市内で一般向けに開かれたカーリング教室に講師として参加した。

 「うまい、うまい」「本当に初心者?」などと声を掛けながら子どもらを熱心に指導。「(教室は)これからのカーリング界や子どもたちにとって、いいきっかけになる。日本全国でできたらいいなと思う」と意欲を示した。

 チームメートの吉田知那美が結婚を発表したばかり。本橋麻里代表理事らとサプライズケーキで祝福したそうで、藤沢は「素直にうれしかった。ポジティブなパワーを練習や大会でいい形でプレーにつなげられたら」と笑顔で語った。 
https://news.yahoo.co.jp/articles/63507a7682afeae2d1094a3a4aa35015c57a567b

 

・サプライズではなく、もともと予定されていたフォルティウスらの講師について何も記載していない
・それにもかかわらず、体験会に関係ない吉田知那美選手の結婚の話題にスペースを割いている。


<これも、よくない例>(内容省略)
カーリングロコ・ソラーレ藤沢五月 イベントサプライズ参加で見せつけた〝別格〟の存在感
東スポWeb 8/1(月) 6:15配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/972affcfb6143d17bce54f3f25879ea467b2084e

 


<ましな例>
ロコ・ソラーレ藤沢選手も指導 横浜でカーリング体験会
北海道新聞 8/1(月) 6:01配信

 日本カーリング協会などは31日、小学生以上の初心者を対象とした体験会を横浜市内で開催した。フォルティウス(札幌)のメンバー5人が講師を務めたほか、北京五輪で銀メダルを獲得したロコ・ソラーレ(北見)のスキップ藤沢五月選手もサプライズで登場し、会場を盛り上げた。

 体験会は普及活動の一環で例年、各地で開いている。大会が少ない時期の実施となったため、国内トップ選手が講師として参加が実現。同協会によると参加した約150人は抽選で決まり、五輪前より競技への注目は高まっているという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1983d93aa874647793c348092a49a29fac23a13b


<「記者さんお疲れさま」の例>
重すぎる20キロの石 やっと進んだけど太ももパンパン…カーリング記者、ロコ・ソラーレ藤沢五月から指導
スポーツ報知 8/1(月) 6:40配信

 日本カーリング協会は31日、神奈川・横浜銀行アイスアリーナで、北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレのスキップ・藤沢五月(31)、フォルティウスのメンバーらが講師を務めるスクールを開催。担当の手島莉子記者(24)が初挑戦した。

 * * *

 まずは氷をブラシでこするスイープだ。フォルティウス近江谷杏菜が「20秒全力でやってみましょう」と笑顔で指導してくれたが、これがすさまじくきつくて数秒でヘトヘトに。「スイープはただこすっているだけに見えて、しっかり力を込めないとリンクの氷が解ないんですよ」と近江谷。聞くと選手は1試合でこする距離が20キロにも達する。

 次は投げ。石を手元にセットしようとするが、まず重さ20キロの石がびくともしない。横についてくれた藤沢が勢いよく飛び出すテークのお手本を見せてくれた。真っすぐ進めただけだったが、藤沢に「すごい!」と褒められ、気分上々(さすが藤沢、褒め上手!)。ミニゲームも体験。2番手のセカンドに入り、精度の高さはピカイチのロコの鈴木夕湖になりきろうかと思ったが、石を投げ出すので精いっぱい。太ももがパンパンになってしまった。なるほど、これぞ氷上のチェス。技術、体力、頭脳と三拍子そろってこそカーラー。北京五輪で計27時間も笑顔で戦い抜いたすごさを、身をもって感じた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5a14147c424bd600053830480dc3ff10919d20d7

 


念のため、日本カーリング協会の資料を確認。

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JCAカーリングスクール横浜 2022

1 趣旨 北京五輪で盛り上がったカーリングの首都圏での普及と競技人口の拡大を図るとともに、車いすカーリング、デフカーリングの体験会を共催し、カーリングがユニバーサルスポーツたることを広くアピールする

2 主催 公益社団法人日本カーリング協会、神奈川県カーリング協会、東京都カーリング協会
3 主管 公益社団法人日本カーリング協会指導普及委員会
4 後援 横浜市(予定)
5 協賛 未定
6 協力 一般社団法人日本車いすカーリング協会、一般社団法人日本ろう者スキー協会カーリングチーム、横浜銀行アイスアリーナ、横浜カーリングクラブ、東京カーリングクラブ
7 日時 令和4年7月31日(日)
8 会場 横浜銀行アイスアリーナ(横浜市神奈川区広台太田町1−1)
9 対象 原則としてカーリング未経験者(体験スクール程度は可)。なお、グループ分けのため年代別に調整することがある
10 参加費 一般5000円、中学〜大学生3000円、小学生2000円(車いす、デフも同額)

11 講師(予定)
 船山弓枝(2002ソルトレイクシティ五輪、2006トリノ五輪、2014ソチ五輪出場)
 近江谷杏菜(2010バンクーバー五輪出場)
 小野寺佳歩(2014ソチ五輪出場)
 吉村紗也香(2015、2021世界選手権出場)
 小林未奈(2020ローザンヌユースオリンピック準優勝)
 村松由里(2022車いすカーリング世界選手権ミックスダブルス出場)
 米谷政長(2022車いすカーリング世界選手権ミックスダブルスコーチ)
 荒谷飛翔(2022世界デフカーリング選手権ミックスダブルス銀メダル)
 松橋早友梨(2022世界デフカーリング選手権ミックスダブルス銀メダル)
 神奈川県カーリング協会会員、東京都カーリング協会会員
(以下略)
http://www.curling.or.jp/event/2022/20220609_jcaschool_yokohama2022.pdf

 


なんだ、車いすカーリングやデフカーリングの関係者も一緒だったんですね。
車いすカーリングパラリンピック競技でもあり、スウィープは行いません。
デフカーリング聴覚障害者のカーリングで、「ヤー」「ウォー」などの声の代わりに手話や独自で決めたサインを使うそうです。
ざっと見たところ、それら障害者のカーリングについて触れた記事は見当たりませんでした。
メディア関係者はこういう報道のあり方を考えていただきたいものです。