介護保険最新情報Vol.919(1)

介護保険最新情報Vol.919)令和3年2月5日付け事務連絡

各 都道府県/保健所設置市/特別区 衛生主管部(局) 御中
各 都道府県/指定都市/中核市 介護保険担当主管部(局)御中

 

厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対策本部/老健局高齢者支援課/老健認知症施策・地域介護推進課/老健局老人保健課

 

  病床ひっ迫時における在宅要介護高齢者が感染した場合の留意点等について

 

 介護サービス事業所における新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた取組については、「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)」(令和2年4月7日付厚生労働省健康局結核感染症課ほか連名事務連絡、同年10月15日付一部改正)等においてお示ししているところです。
 また、高齢者については、施設に入所している者や在宅の要介護高齢者(要支援齢者を含む。以下同じ。)も含め感染した場合には、原則入院としているところですが、感染が拡大し、医療への負荷が高まっている中で、病床確保や都道府県全体の入院調整に最大限努力したうえで、なお、病床がひっ迫する場合には、高齢者等のうち、医師が入院の必要がないと判断した場合は宿泊療養(適切な場合は自宅療養)としても差し支えないこととしているところです。(「11月以降の感染状況を踏まえた病床・宿泊療養施設確保計画に基づく病床・宿泊療養施設の確保及び入院措置の対象について(要請)」(令和2年11月22日付け厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡))。
 今般、入院数は依然として高い水準で推移していることも踏まえ、在宅の要介護高齢者が新型コロナウイルス感染症に感染した場合であって、やむを得ず、自宅療養を行う場合の留意事項等について下記のとおり整理しましたので、適切に対応いただくとともに、管内の市町村、介護サービス事業所に対して周知をお願いします。

                   記

1.都道府県等の衛生部局における取組

○ 病床ひっ迫時については、在宅の要介護高齢者が感染した場合についても、やむを得ず自宅療養となる場合が想定されるが、症状に変化があった場合に、速やかにこれを把握し、医療機関等につなぐことが重要であるため、都道府県、保健所設置市、特別区(以下、「都道府県等」という。)の衛生部局においては、要介護高齢者について自宅療養を行う場合に当たっては、「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る自宅療養の実施に関する留意事項(第4版)(令和2年8月7日改訂)」等に留意すること。

 

2.居宅介護支援事業所等及び訪問系の介護サービス事業所における取組

○ 病床ひっ迫時には、在宅の要介護高齢者が感染した場合についても、やむを得ず自宅療養となる場合が想定される。
○ 自宅療養にあたっては、「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る自宅療養の実施に関する留意事項(第4版)(令和2年8月7日改訂)」等を踏まえ都道府県等においてフォローアップ等がなされるが、当該要介護高齢者については、居宅介護支援事業所及び地域包括支援センター(以下、「居宅介護支援事業所等」という。)が、必要に応じて保健所と相談し、生活に必要なサービスを確保すること。その際、保健所とよく相談した上で、訪問系の介護サービスの必要性を再度検討する。

<具体的な対応>
 [1] 訪問系の介護サービスの必要性を検討の結果、サービスを提供することとなる場合には、訪問系の介護サービス事業所は、「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点(その2)(一部改正)」における、別紙「社会福祉施設等(居宅を訪問して行うサービス)における感染防止に向けた対応について」の2.(4)[2]を参考にしつつ、特に、以下のような点について留意すること。
 ・サービスの提供に当たっては、訪問時間を可能な限り短くする等、感染防止策を徹底すること。具体的には、サービス提供前後における手洗い、マスクの着用、エプロンの着用、必要時の手袋の着用、咳エチケットの徹底を行うと同時に、事業所内でもマスクを着用する等、感染機会を減らすための工夫を行うこと。
 ・感染している利用者に直接接触する場合または患者の排泄物を処理する場合等は、サージカルマスク、眼の防護具、長袖ガウン、手袋を着用すること。
 ・自宅療養中においては、都道府県等が毎日健康状態のフォローアップを行うが、サービス提供中に状態の変化等がみられた場合は、事業所は速やかに都道府県等の担当職員に連絡すること。
  なお、居宅介護支援事業所等においても、同様の対応をとること。

 [2] また、療養上の必要性の観点から、主治の医師の指示の下に、訪問看護を利用することや、訪問系の介護サービス事業所が、必要に応じて、居宅介護支援事業所等と連携しながら、看護師等の専門職の同行訪問による支援を受けること等が考えられる。具体的には、
  i 近隣の医療機関訪問看護ステーションからの派遣を検討し、
  ii iが困難な場合には、都道府県の介護保険部局と衛生部局が連携の上、都道府県看護協会及び都道府県訪問看護連絡協議会に相談し、調整を行うこと。

 [3] 訪問系の介護サービス事業所の体制等によっては自ら適切なサービスを提供することが困難な場合も考えられるが、その場合であっても、保健所、居宅介護支援事業所等や、必要に応じ、市町村や都道府県にも相談し、当該利用者に必要な介護サービスが提供されるようにすること。

○ 自宅療養の解除基準については、医療機関に入院した場合と同様の基準で療養の終了が可能とされており、具体的には都道府県等に確認すること。

(参考:「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」に関するQ&Aについて(その8)(令和2年8月7日付厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)問12(抜粋))
○ 症状のある方(有症状者)の場合は、[1]又は[2]のいずれかを満たす場合に、宿泊療養又は自宅療養が解除されます。
 [1] 発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合
 [2] 発症日から10日間経過以前に症状軽快した場合に、症状軽快後に2回連続でPCR等検査(PCR検査、LAMP法検査又は抗原定量検査)の結果が陰性である場合(※)
 ※具体的には、症状軽快後に24時間経過した後にPCR等検査を行い、陰性が確認され、その検査の検体を採取した24時間以後に再度検体採取を行い、陰性が確認された場合となります。
○ 症状の出たことがない方(無症状病原体保有者)の場合は、[3]又は[4]のいずれかを満たす場合に、宿泊療養又は自宅療養が解除されます。
 [3] 陽性確定に係る検体採取日から10日間経過した場合
 [4] 陽性確定に係る検体採取日から6日間経過した後、2回連続でPCR等検査の結果が陰性である場合(※)
 ※具体的には、当該6日間経過後にPCR等検査を行い、陰性が確認され、その検査の検体を採取した24時間以後に再度検体採取を行い、陰性が確認された場合となります。

 

(つづく)