「選択別姓反対」と「帰省」の関係

昨日で官公庁などは仕事納め(新型コロナ関係や除雪など、それどころではない部署はあります)、金融機関は基本的に30日まで営業、24時間施設など正月もシフトがある職場、逼迫する病院、例年なら休みに入るはずの診療所も交代でコロナ相談受付、など様々です。

 

休める人たちも、帰省を控える場合が少なくないでしょう。

 

もちろん、やむを得ず(細心の注意をして)帰省する、という選択の人たちもあります。
春の連休も盆休みも帰省を自粛した人たちが、今回も見送って、余命いくばくもない親に会えずに永遠の別離を余儀なくされたとしても、政府も知事も謝罪も補償してくれませんから、最終的には自分たちで判断せざるを得ないでしょう。

 

基本的にはずっと地方で生活している私たちにできることは、帰省する選択をした人たちに、中傷や自動車へのいたずらなどを行わない、というぐらいでしょうか。
(念のため。たとえ他府県ナンバーでも、車体を損傷すると犯罪になります。)

 

さて、一見、関係ないような、やや古い記事。

 

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自民、夫婦別姓 活発議論
 賛否両派、相次ぎ会合
(読売新聞 2020年11月30日)
 自民党で選択別姓の導入を巡る議論が活発になっている。菅内閣の発足後、党内では賛否両派が相次いで会合を重ねた。双方の溝は依然深く、実現の先行きは不透明なままだ。
(中略)
自民党保守系有志議員でつくる「保守団結の会」は26日、国会内で勉強会を開き、講演した高市早苗総務相が「家族単位の社会制度を崩壊させる可能性がある」と訴えた。25日には党内有志による議員連盟「『絆』を紡ぐ会」が初会合を開き、識者から問題点を聞き取った。反対派は、社会や企業で旧姓の通称使用を拡大すれば、不便性は軽減できると主張している。
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(選択別姓容認が)「家族単位の社会制度を崩壊させる可能性がある」という高市氏の訴えは、根拠に乏しく(「サザエさん」一家、安倍前首相と岸元首相の家系など、崩壊からほど遠い関係ばかりが目につく)、十分に疑問なのですが、こういう発言も読売記事には載っています。

 

保守団結の会 城内実衆院議員「同氏、別氏、通称使用の3種類の夫婦が出れば日本社会の分断につながる。混乱が生じないことが大事だ」

 

ええ? 本気で言ってるなら、この人、頭悪いんちゃう?

夫婦同氏(同姓)が多数派にはなると思うけど、その人たちと別氏(別姓)を選択した人と、なんで分断になるのでしょうか?
今の同氏の中に通称使用の夫婦も入ると思うけど、その人たちは差別されたりしていますか?
国会議員も通称使用が認められている(というより、旧姓どころか芸名で選挙に出る議員も自民党を含めて多数存在する)はずですが、そういう議員は党内や国会内で差別されたり分断を生んだりしているのでしょうか?

 

分断につながるとすれば、選択別姓(別氏)の問題ではなく、たとえば
<このご時世なのに8人で忘年会を開いた有名政治家たちとか、首相は曲がりなりにも陳謝しているのに「会食が目的ではない」とわけのわからない強弁をしている与党幹事長>

<それなりに自粛している大多数の国民>との分断

ではないでしょうか?

 

以前にも書いていることですが、明治31年の旧民法成立までは夫婦が同姓である旨の規定はありませんでした。

 

<参考>いわゆる夫婦同姓は日本の伝統か?
https://jukeizukoubou.blog.fc2.com/blog-entry-383.html

 

たかだか120年ちょっとの「夫婦同姓(制度的な例外なし)」を「日本の伝統」などといって「選択別姓」に反対するぐらいなら、もっと伝統のある「帰省」(「藪入り」を源流とするなら江戸時代、一般的な帰郷ならそれ以前からの伝統)が支障なく行えるようにするのが、日本の伝統を大事にするはずの保守政党の役割ではないかと思うのですが。