あくまで私にとって、ですが、印象に残っている曲の密度が低くなります。
「水の影」(1978年にシモンズに提供、1980年「時のないホテル」に収録)、
短めのアルバム「水の中のASIAへ」(1981年)収録の「スラバヤ通りの妹へ」、
「守ってあげたい」(シングルもアルバム収録も1981年)ぐらい。
この時期、世間的にはユーミンはヒットを飛ばしまくってたはずで、私の同年代や、少し下の世代の女性には、ユーミンが好きな人がけっこう多かったと記憶しています。
私はといえば、スキーにもサーフィンにも行きたいとは思わなかったし、都会的な恋愛の機微の曲にもあまり関心がなかった。聴けば、いい曲だな、とは思いましたけどね。
ちなみに、その頃に私がよく聴いていたのは、たとえばこちらの記事に挙げた人々やグループ、ユニットなどの曲でした。
https://jukeizukoubou.blog.fc2.com/blog-entry-1322.html
また、中島みゆきさんの曲も聴いていました。みゆきさんについても、やはり比較的早い時期のアルバムの方が好きな曲は多かったのですが、ユーミンの曲よりは時代的な好みの差が大きくありませんでした。
・・・と思っていましたが、忘れかけていた名曲に再会しました。
アルバム「天国のドア」(1990年)収録の「SAVE OUR SHIP」。
アルバムと同名のシングル「天国のドア」が、なぜか記憶に残り(この曲もまあまあ好きですが)、アルバムの最後に入っている「SAVE・・・」を覆い隠していたのでしょうか。
聴き直してみたら、初期の4アルバムの曲と同等か、それ以上に私好みでした。
パートナーとの破綻に直面する女性の詞のようでもあり、
嵐に遭遇したちっぽけな船を想像してもよいし、
危機に瀕した宇宙船の話のようでもあり、
「宇宙船地球号」の全人類、全生命と考えてもよいし、
聴く人がどのようにイメージすることもできそうです。
ただし、私の好みは、白井聡氏はもちろん、たぶん、一般的なユーミンファンとも差があるだろうと思います。
(中島みゆきさんの曲についても、同様の可能性があります。)
でも、いろいろな好みがあるからおもしろい、という見方はできますし、切り口によってさまざまな輝きがある、というのはユーミンの作品の凄さといえるかもしれません。
(これも、みゆきさんの曲についても言えそうです。)
新型ウイルスやら自然災害やら大変なことが起きる時代ではありますが、ユーミンや中島みゆきさんと同じ時代に生まれてきたことは、とても幸運であろうとも思います。
念のため。この曲です。