管理者の経過措置(居宅介護支援)

令和2年6月5日付け老振発0605第2号(介護保険最新情報Vol.843)
各 都道府県知事/指定都市市長/中核市市長 殿
                    厚生労働省老健局振興課長(公印省略)

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準及び指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の一部を改正する省令の公布等について(通知)

 平成30年度介護報酬改定において、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)を改正し、平成30年4月1日より、居宅介護支援事業所における管理者の要件を介護支援専門員から主任介護支援専門員に変更した。その際、令和3年3月31日までは、その適用を猶予するとの経過措置を設けた。
 その後、社会保障審議会介護給付費分科会において、居宅介護支援事業所の人材確保の状況に関する議論が行われ、令和元年12月17日に「居宅介護支援事業所の管理者要件等に関する審議報告」がとりまとめられた。この審議報告を受けて、令和2年6月5日に指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準及び指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第113号。以下「改正省令」という。)が公布されたところである。
 改正省令の趣旨及び内容は、下記のとおりであるので、十分御了知の上、市町村(特別区を含む。)を始め、関係者、関係団体等に対し周知されたい。
 なお、この通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言として発出するものである。

                   記

第一 改正の趣旨
 平成30年度介護報酬改定において設けられた居宅介護支援事業所における管理者要件について、事業所の人材確保に関する状況等を考慮し、令和3年3月31日までとしていた経過措置期間の延長を行うとともに、主任介護支援専門員の確保が著しく困難である等やむを得ない理由がある場合について、主任介護支援専門員を管理者としない取扱いを可能とするため、所要の改正を行う。

第二 改正の内容
1 管理者要件(改正省令第1条)
 令和3年4月1日以降、居宅介護支援事業所管理者となる者は、いずれの事業所であっても主任介護支援専門員であることとする。
 ただし、以下のような、主任介護支援専門員の確保が著しく困難である等やむを得ない理由がある場合については、管理者を介護支援専門員とする取扱いを可能とする。
 ・令和3年4月1日以降、不測の事態(※)により、主任介護支援専門員を管理者とできなくなってしまった場合であって、主任介護支援専門員を管理者とできなくなった理由と、今後の管理者確保のための計画書(別添)を保険者に届出た場合
  なお、この場合、管理者を主任介護支援専門員とする要件の適用を1年間猶予するとともに、当該地域に他に居宅介護支援事業所がない場合など、利用者保護の観点から特に必要と認められる場合には、保険者の判断により、この猶予期間を延長することができることとする。
 (※)不測の事態については、保険者において個別に判断することとなるが、想定される主な例は次のとおり
  ・本人の死亡、長期療養など健康上の問題の発生
  ・急な退職や転居等
 ・特別地域居宅介護支援加算又は中山間地域等における小規模事業所加算を取得できる場合

2 管理者要件の適用の猶予(改正省令第2条)

 令和3年3月31時点で主任介護支援専門員でない者が管理者である居宅介護支援事業所については、当該管理者が管理者である限り、管理者を主任介護支援専門員とする要件の適用を令和9年3月31日まで猶予する。

第三 施行期日
 改正省令は、令和3年4月1日から施行する。ただし、第2条の規定は、公布の日から施行する。

(別添様式は略)

 

【参照条文】<改正後>のみ記載
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)

(管理者)
第三条(略)
2 前項に規定する管理者は、介護保険法施行規則(平成十一年厚生省令第三十六号)第百四十条の六十六第一号イ(3)に規定する主任介護支援専門員<(以下この項において「主任介護支援専門員」という。)>でなければならない。<ただし、主任介護支援専門員の確保が著しく困難である等やむを得ない理由がある場合については、介護支援専門員(主任介護支援専門員を除く。)を前項に規定する管理者とすることができる。>
3(略)

 

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(平成30年厚生労働省令第4号)

附則
(管理者に係る経過措置)
第三条 <令和九年三月三十一日>までの間は、第二条の規定による改正後の指定居宅介護支援等基準第三条第二項の規定にかかわらず、介護支援専門員(介護保険法施行規則(平成十一年厚生省令第三十六号)第百四十条の六十六第一号イ(3)に規定する主任介護支援専門員を除く。)を指定居宅介護支援等基準第三条第一項に規定する管理者とすることができる。
<2 令和三年四月一日以後における前項の規定の適用については、前項中「、第二条」とあるのは「令和三年三月三十一日までに介護保険法第四十六条第一項の指定を受けている事業所(同日において当該事業所における指定居宅介護支援等基準第三条第一項に規定する管理者(以下この条において「管理者」という。)が、介護保険法施行規則(平成十一年厚生省令第三十六号)第百四十条の六十六第一号イ(3)に規定する主任介護支援専門員でないものに限る。)については、第二条」と、「介護支援専門員(介護保険法施行規則(平成十一年厚生省令第三十六号)第百四十条の六十六第一号イ(3)に規定する主任介護支援専門員を除く。)を指定居宅介護支援等基準第三条第一項に規定する」とあるのは「引き続き、令和三年三月三十一日における管理者である介護支援専門員を」とする。>

 

この附則第3条第1項を第2項の規定により読み替えると、次のようになります。

 

 令和九年三月三十一日までの間は、令和三年三月三十一日までに介護保険法第四十六条第一項の指定を受けている事業所(同日において当該事業所における指定居宅介護支援等基準第三条第一項に規定する管理者(以下この条において「管理者」という。)が、介護保険法施行規則(平成十一年厚生省令第三十六号)第百四十条の六十六第一号イ(3)に規定する主任介護支援専門員でないものに限る。)については、第二条の規定による改正後の指定居宅介護支援等基準第三条第二項の規定にかかわらず、引き続き、令和三年三月三十一日における管理者である介護支援専門員を管理者とすることができる。