2021介護報酬案7

 

通所リハビリの加算も(善悪?は別にして)けっこういじられます。

通所介護や訪問リハビリなどで見たような変更ですが。

 

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介護予防の長期リハビリ関係は、訪問リハビリと同様に、利用開始から12月超で減算になりますが、その詳細(予防と介護を行き来する人の起点はいつか、等)はまだわかりません。パブリックコメントで質問してみるのもひとつの方法かと思います。

通所リハビリは、一応ここまで、ということで。
 

(つづく)

2021介護報酬案6

前記事で、「ここまでで一応、通所介護関係を終わります」と書きましたが、ひとつ抜けていました。

通所介護を含めて、施設系など多くのサービスで新設された「科学的介護推進体制加算」です。

 

<科学的介護推進体制加算>新設
○ 対象(予防を含む)
 施設系:特養(地域密着型含む)、老健、介護医療院
 通所・居住・多機能系:通所介護認知症・地域密着型含む)、通所リハビリ、特定施設(地域密着型含む)、グループホーム、(看護)小規模多機能型居宅介護
○ 要件
 ・入所者・利用者ごとの、ADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他の入所者の心身の状況等に係る基本的な情報を、国に提出していること(加算(II)では、疾病の状況<特養系以外は服薬情報>も)。
 ・必要に応じてサービス計画を見直すなど、サービスの提供に当たって、上記の情報その他サービスを適切かつ有効に提供するために必要な情報を活用していること。
〇 単位(月額)
 施設系:科学的介護推進体制加算(I)40単位
     科学的介護推進体制加算(II)60単位(特養系は50単位)
 その他:科学的介護推進体制加算 40単位

※ 令和3年度から、CHASE・VISITを一体的に運用するにあたって、科学的介護の理解と浸透を図る観点から、以下の統一した名称を用いる予定。
科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence;LIFE ライフ)

 

で、次に通所リハビリに行きますが、通リハも、この「科学的・・・」というやつと、「感染症や災害の影響により利用者数が減少した場合に・・・」という、基本報酬の3%上乗せなどの対象になっています(2021介護報酬案4参照)。

https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2021/02/02/213002

 

通所リハビリも基本報酬は、それなりに増えるように見えますが、訪問リハビリと同様、リハビリマネジメント加算の再編(変更や廃止)があるので、注意が必要です。

 

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(つづく)

2021介護報酬案5

通所介護の続きです。

 

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<栄養アセスメント加算> ※口腔・栄養スクリーニング加算(I)、栄養改善加算との併算定不可
・当該事業所の従業者として又は外部(※)との連携により管理栄養士を1名以上配置していること
・利用者ごとに、管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して栄養アセスメントを実施し、当該利用者又はその家族に対してその結果を説明し、相談等に必要に応じ対応すること
・利用者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省に提出し、栄養管理の実施に当たって、当該情報その他栄養管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること。
※他の介護事業所、医療機関介護保険施設、日本栄養士会や都道府県栄養士会が設置・運営する「栄養ケア・ステーション」。
ただし、介護保険施設については、常勤で1以上又は栄養マネジメント強化加算の算定要件の数を超えて管理栄養士を配置している施設に限る。

 

<ADL維持等加算(I)>
イ 利用者等(当該施設等の評価対象利用期間が6月を超える者)の総数が10人以上であること。
ロ 利用者等全員について、利用開始月と、当該月の翌月から起算して6月目(6月目にサービスの利用がない場合はサービスの利用があった最終月)において、Barthel Indexを適切に評価できる者がADL値を測定し、測定した日が属する月ごとに厚生労働省に提出していること。
ハ 利用開始月の翌月から起算して6月目の月に測定したADL値から利用開始月に測定したADL値を控除し、初月のADL値や要介護認定の状況等に応じた値を加えて得た値(調整済ADL利得)について、利用者等から調整済ADL利得の上位及び下位それぞれ1割の者を除いた者を評価対象利用者等とし、評価対象利用者等の調整済ADL利得を平均して得た値が1以上であること。
<ADL維持等加算(II)>
・ADL維持等加算(I)のイとロの要件を満たすこと。
・評価対象利用者等の調整済ADL利得を平均して得た値が2以上であること。

 

とんでもない低額、事務手数料分に足りるかどうかというレベルだったADL維持等加算が、それでも一桁上がりました。

駆け足でしたが、ここまでで一応、通所介護関係を終わります。

 

(つづく)

2021介護報酬案4

通所サービスについては、「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第12報)」で、複雑で利用者への説明に苦労する取扱いが示されていました。

https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2020/06/04/213511

 

今回の改定案では、それに代えて、次のように示されています。


通所介護等の報酬について、感染症や災害の影響により利用者数が減少した場合に、状況に即した安定的なサービス提供を可能とする観点から、以下の見直しを行う。
 ア より小さい規模区分がある大規模型について、事業所規模別の報酬区分の決定にあたり、前年度の平均延べ利用者数ではなく、延べ利用者数の減が生じた月の実績を基礎とすることができることとする。【通知改正】
 イ 延べ利用者数の減が生じた月の実績が前年度の平均延べ利用者数から5%以上減少している場合、3か月間(※2)、基本報酬の3%の加算を行う(※3)。【告示改正】
 現下の新型コロナウイルス感染症の影響による前年度の平均延べ利用者数等から5%以上の利用者減に対する適用にあたっては、年度当初から即時的に対応を行う。

※1 ア・イともに、利用者減の翌月に届出、翌々月から適用。利用者数の実績が前年度平均等に戻った場合はその翌月に届出、翌々月まで。
※2 利用者減に対応するための経営改善に時間を要するその他の特別の事情があると認められる場合は一回の延長を認める。
※3 加算分は区分支給限度基準額の算定に含めない。
「同一規模区分内で減少した場合の加算」「規模区分の変更の特例」の両方に該当する場合は、後者を適用。

 

というところで、左から、現行、改定案、増減、その右側に(改定案に)3%上乗せしたらどうなるか、という数字を記載しています(色塗り斜字体)。

 

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通所介護等については、加算の再編や要件変更などが多いのですが、上では概略を簡単に記載しているだけなので、詳細はパブリックコメントに添付されている資料等をご確認ください。

 

通所介護はまだ続きます)

2021介護報酬案3

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訪問看護ステーションの理学療法士等の訪問についての風当たりが強くなっています。

単価減に加え、介護予防では1日3回以上の減額率が高くなり、開始から12月超の場合も5単位減となります。また、経過措置はあるものの、看護体制強化加算に人員要件が追加されます(訪問看護の提供にあたる従業者の総数に占める看護職員の割合が6割以上であること。要するにPT等は4割以内でないと算定できない)。

なお、看護体制強化加算については取得する事業所が少ないという理由で、「特別管理加算を算定している利用者」の割合についての要件を引き下げ、単価も下がっています。

 

 

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訪問リハビリは、基本単価は上がっているものの、リハビリマネジメント加算が再編(廃止や変更)されるので、収支的にはどうでしょうか。

訪問リハビリ、通所リハビリ共通の説明として、以下のとおり資料にかかれています。

 

 ・報酬体系の簡素化と事務負担軽減の観点から、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)及び介護予防のリハビリテーションマネジメント加算は廃止し、同加算の算定要件は基本報酬の算定要件とし、基本報酬で評価を行う。【告示改正】
・訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションの評価の整合性を図る観点から、リハビリテーションマネジメント加算(II)及び(III)の評価の見直しを行う。【告示改正】
リハビリテーションマネジメント加算(IV)を廃止。定期的なリハビリテーション会議によるリハビリテーション計画の見直しが要件とされるリハビリテーションマネジメント加算(II)・(III)において、事業所がCHASE・VISITへデータを提出しフィードバックを受けPDCAサイクルを推進することを評価する。【告示改正】
・CHASE・VISITへの入力負担の軽減やフィードバックにより適するデータを優先的に収集する観点から、リハビリテーション計画書の項目について、データ提供する場合の必須項目と任意項目を設定する。【通知改正】
リハビリテーションマネジメント加算の算定要件の一つである「定期的な会議の開催」について、利用者の了解を得た上で、テレビ会議等の対面を伴わない方法により開催することを可能とする。【通知改正】

 

(つづく)

2021介護報酬案2

パブコメ結果が続きましたが、「2021介護報酬案」に戻ります。

(前記事は「2021介護報酬案1」ということになります。)
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2021/01/28/214733

 

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居宅介護支援で触れましたが、

全サービス共通で、(令和3年4月から)9月末まで限定の「基本報酬に0.1%上乗せ」

は、訪問介護や訪問入浴介護にも当然ありますが、ここでは省略します。

(これ以降の他のサービスも同じ。)

 

認知症専門ケア加算の要件の概要は、以下のとおりです。

認知症専門ケア加算(I)> 3単位/日
・利用者の50/1000以上が認知症高齢者の日常生活自立度III以上
認知症介護実践リーダー研修修了者を一定数配置し、専門的な認知症ケアを実施(上記III以上利用者が20名未満→1、20名以上→1に、19を超えて10又は端数を増すごとに1を加えて得た数以上配置)
・従業員に対して、認知症ケアに関する留意事項の伝達又は技術的指導に係る会議を定期的に開催
認知症専門ケア加算(II)> 4単位/日
認知症専門ケア加算(I)の要件+認知症介護指導者養成研修修了者を1名以上配置し、事業所全体の認知症ケアの指導等を実施
・介護、看護職員ごとの認知症ケアに関する研修計画を作成し、実施(又は実施予定)

 

(つづく)

障害基準パブコメ結果3

2.児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準

(1)指定児童発達支援事業所(児童発達支援センターを除く。)における児童発達支援、基準該当児童発達支援、放課後等デイサービス、基準該当放課後等デイサービス関係


 従業者要件から障害福祉サービス経験者を削除する理由は何か。障害特性の理解とそれに応じた対応という観点なら、例えば障害児保育等の経験のない保育士よりも障害福祉サービス経験者の方が優れている面があると考えられる。

 今般の改正では、従業者の基準について、児童福祉に係る専門性及び質の向上を図るため、障害福祉サービス等経験者を廃止することとしたものです。


 障害福祉サービス経験者を従事者要件から削除するのであれば、別の従事者要件を設けていただきたい。(看護師などの人材確保が難しい職種は除く)

 今般の改正では、従業者の基準について、児童福祉に係る専門性及び質の向上を図るため、障害福祉サービス等経験者を廃止することとしたもので、保育士及び児童指導員以外の要件の追加は慎重な検討が必要と考えております。
 なお、障害福祉サービス等経験者の廃止に当たっては経過措置を設けることとしています。


 児童発達支援及び放課後等デイサービスにおける障害福祉サービス経験者に係る経過措置について、現に指定を受けている事業所で、令和3年3月時点で勤務していた障害福祉サービス経験者が令和3年7月に退職し、令和3年の8月に障害福祉サービス経験者を新たに採用した場合についても基準を満たしているとして良いか。

 貴見のとおりです。

 


(2)児童発達支援、基準該当児童発達支援、放課後等デイサービス、基準該当放課後等デイサービス関係


 医療的ケアを必要とする児童を受け入れるためには看護職員を置かなければならないという規定で、医療機関との連携や喀痰吸引を必要とする児童については介護福祉士又は認定特定行為業務従事者の配置で可とする内容であれば、現行の医療連携加算と変わらない。医療的ケアの区分の創設という形で検討が進められていたのであれば、重症心身障害を対象とする事業所に近しい新たな人員基準を設定すべきと考える。

 医療的ケア児の障害の程度や状態は様々であることなどから、主として医療的ケア児を通わせる場合の上乗せ部分の基準を設けることとしたものです。
 なお、医療機関との連携により看護職員を訪問させ、医療的ケア児に医療的ケアを行う場合等、医療的ケアを提供できる体制を整えている場合は、看護職員を配置することは必ずしも必要では無いことから、看護職員を置かないことができる規定としています。


 医療的ケアを必要とする障害児が利用する場合での看護職員の配置について、「医療的ケア児」の基本報酬区分を算定する場合のみ、看護職員の配置義務があるという趣旨でよろしいか。「医療的ケア児」の基本報酬区分を算定しない一般事業所においても、保護者・児童の同意のもと、医療的ケア児に対して医療的ケアを行わないが通常の支援を行うことがあるため、一般事業所が看護職員を配置していないが故に医療的ケア児が今まで利用していた一般事業所を利用できなくなってしまうということが起こらないようにご配慮いただきたい。

 ご意見を踏まえ、看護職員の配置は医療的ケアを行う場合に必要となることが明確になるよう修正させていただきます。


 看護職員の配置を義務付けることについて、人材の確保が難しい地域においては、基準を満たすハードルがかなり高くなる恐れがあるため、地域の実情に合わせて柔軟な対応を行うべきではないか。

 医療的ケアを行う場合は、看護職員の配置は必要であると考えており、その旨が明確になるよう修正します。なお、医療機関との連携により看護職員を訪問させ、医療的ケア児に医療的ケアを行う場合等、一定の要件を満たす場合には、看護職員を置かないことができる規定としています。

 


(3)その他


 放課後等デイサービスの感染症予防マニュアルを国として明示していただきたい。委員会の開催や指針の整備、研修の定期的な実施、訓練の実施、災害関係なども、明確なガイドライン・マニュアルを提示していただきたい。

 障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアルや障害福祉サービス事業所等における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン等については既にお示ししており、その他の事項についても、具体的な方法等を別途お示ししたいと考えています。

※その他の省令については、特段ご意見がございませんでした。

 

(ここまでで終了)