選挙と台風

市職員が死亡事故で市役所捜索 逮捕の選管職員、衆院選で1カ月超休みなし 兵庫・川西

神戸新聞NEXT 10/26(木) 12:35配信)

 衆院選投開票日前日の21日に兵庫県川西市選挙管理委員会の男性職員が公用車で死亡事故を起こしたことを受け、川西署は26日までに、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで、川西市役所を捜索した。同署は同市が安全運転管理者として過重労働の実態がなかったか勤務日報などを押収して調べる。

 同署によると、事故は21日午後4時50分ごろ、川西市大和西1の国道173号で発生。公用車を運転していた同市選管の男性職員(51)=三田市=が対向の軽乗用車と衝突し、軽乗用車に乗っていた大阪市東淀川区の無職女性(66)が死亡、助手席の女性(59)も全身を強く打つ重傷を負った。

 川西署は男性職員を同法違反の疑いで現行犯逮捕。職員は市役所から期日前投票所へ投票箱や名簿の回収に向かう途中だったといい、同署の調べに「ぼーっとしていた」と供述しているという。

 市選管によると、同職員は9月19日から1日も休みがなく、残業時間は約1カ月で100時間を超えていたという。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171026-00000009-kobenext-l28


少し前の記事ですが、気になっていたので。

事故を起こした市職員をかばうつもりはありません。
職場の状況がどうであれ、ハンドルを握る以上は運転が最優先業務であり、
もしも、それがマトモにできる状態でなかったとしたら、ハンドルを握るべきではありません。

ただ、この「1カ月超休みなし」は極例にしても(組織の責任もあるでしょう)、市区町村にとってそれほど選挙業務の負担は大きいとはいえます。

選挙管理委員会事務局以外でも、選挙当日にかり出されたり、開票業務に引っ張り出されたり、というのは普通にあります。

今回、10月22日が投票日となっていた衆議院選挙では、それに加えて超大型台風の襲来も重なりました。
実際、離島等から投票箱が船でを運搬できなくなる事態を考慮し、投票締切時刻が繰り上げられたりした自治体がありました。

少なからぬ投票所が、災害(予想)時には避難所となるようなおおやけの施設(学校や公民館など)だったりします。
また、投票に行き帰りに強風や豪雨などの被害に遭う有権者があるかもしれません。
有権者個人としては、期日前投票という対策もありますが、市区町村職員は投票終了時刻まで投票所を動けません。
職員個人の安全確保も、ですが、それよりも防災対策に回らなければならない職員も多数います。
特に小規模自治体では、何かあれば総動員に近くなります。

なにも、台風シーズンに総選挙しなくてもよいのでは?


いえ、この際、解散の大義がどうのこうの、という政局話は抜きにします。
任期満了とか、内閣不信任案の可決とか、やむを得ない場合は別にして、秋の台風シーズンぐらいは選挙は避けませんか、ということです。

平成に入ってからの総選挙の投票日はこちらです。

1990年(平成2年)2月18日<海部>
1993年(平成5年)7月18日<宮澤>
1996年(平成8年)10月20日<橋本>
2000年(平成12年)6月25日<森>
2003年(平成15年)11月9日<小泉>
2005年(平成17年)9月11日<小泉>
2009年(平成21年)8月30日<麻生>
2012年(平成24年)12月16日<野田>
2014年(平成26年)12月14日<安倍>
2017年(平成29年)10月22日<安倍>

< >内は、解散時の内閣総理大臣(敬称略)

8月以前や11月以降も台風が上陸することはありますし、それ以外の気象災害もいつ起こるかわかりませんが、少なくとも全国的に(あるいは多くの地域に)重大な被害が起きる可能性が高いのは、9月~10月だと思います。

この際、「え? 雨で投票率が低い方がうちの党(候補者)には有利では?」とかいう思惑はなしで、超党派で考えていただきたいと思います。