武久委員もおもしろいことを

以前、介護給付費分科会での武久委員の発言について、ツッコミ(というか、はっきり批判)の記事を書いたことがあります。
https://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/35385195.html

今度は、ちょっとおもしろいな、と思った発言を見つけましたので、その関係部分だけ紹介します。

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2017年7月19日 第143回社会保障審議会介護給付費分科会議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000175493.html

込山振興課長:(略)8ページに論点ということでまとめさせていただいております。4点ございます。
 1つは、冒頭から申し上げましたが、管理者のテーマでございます。居宅介護支援事業所における人材育成の取組を促進する観点から、管理者のあり方について、どのように考えるか。
 2点目でございますけれども、公正中立なケアマネジメントを確保する観点から、集中減算のあり方、またケアプランの内容に対しまして、家族の方に対する説明・同意プロセス等について、どう考えるか。
 3点目でございますが、退院後に円滑に必要なサービスを受けられるようにするための医療機関とのさらなる連携に向けた取組について、どう考えるか。
 また、末期のがん患者さんに係るケアマネジメントについて、どう考えるかという形で論点を提示させていただいております。

(他の委員の発言 略)

武久委員:(略)1番の論点ですけれども、主任ケアマネはある程度の年限、ケアマネをしていた人が、ある程度お金があって、時間に余裕がある人が研修を受けに来る。研修を受ければ、試験もない。ただ受ければいいんだということでは、主任ケアマネの担保というものがなかなか難しい。いい人もいるし、そうでない人もいる。現実問題として、ケアマネの経験年数というのは必要かと思いますけれども、例えば地域連携室に長年いた社会福祉士がケアマネの試験を受けて、去年からやっている。また、訪問看護ステーションで訪問看護していた看護師さんがケアマネの試験を受けて、ことしからやっている。
 どちらがどうかというと、何とも言えないので、経験年数だけがひとり歩きするという自体もおかしいかなと思っています。
いい人が管理者になっていただけるほうが、私はいいかなと思っています。
 ケアマネについては、ずっと経過を見ていますと、要望される項目がだんだんふえてきて、報酬とのアンバランスがどんどん広がっていって、これもしていない、あれもしていないじゃないかと言われながら、こういう記録も残せ、ああいう記録も残せと強要される。非常に厳しい業界になっているわけです。

 この特定事業所減算は、最初、一体何のためにできたんですか。これは、矛盾しているんです。独立ケアマネを居宅支援事業所を認めるか、認めないか。これは経済的にも含めてということと。そうでなければ、いわゆる事業所に併設するのが多いのは当たり前の話であって、そこのケアマネジャーは経営者の顔色をうかがうというのは、これはたしかそんたくと言うんですね。今、非常に有名になっていますけれどもね。
 ある意味当然であって、自分のところの関連の事業所をわざと外して、よその事業所のヘルパーを頼むとか、よそのデイケアに行きなさいというのは、逆に言うとおかしなことであって、一体どうしてこんなものが入ってきたのか。これが入ってきたころは、たしかこの辺にいらっしゃる皆さんの中では、鈴木課長が筆頭補佐でおられたころかなと思いますけれども、違いますか。どうも。長年の経過の中で、今までおった方はなかなか少ないので言えるんですけれども、はっきりさせたほうがいい。
 独立ケアマネを認めるなら、事業所減算というのは意味がないし、認めたら認めたでいいですけれども、経済的な理由でなかなか認められにくいんじゃないですか。それであれば、1つの事業体の中の居宅介護支援事業所が自分たちのサービスがいいと思ってプランに入れる場合は、当然認めてもいいんじゃないか。
 それよりも、病院に行けと言われています。病院に行くのはいいんですけれども、皆さんのそれぞれの県で地方のほうで、病院は県立中央病院とか県庁所在地の病院に行くんですね。地方のケアマネは、車で2時間もかかって行くのかと。アクセス時間をどう見ているのか。例えば、ヘルパーでもそうです。20分間のサービスをもらうのに、行くのに1時間、帰るのに1時間。2時間半もかかるんです。例えば、集合住宅だったらあっという間ですね。このアクセス時間というのもほとんど見てくれていないんです。このアクセス時間を見なければ、経営的にはアクセスが短いほうのサービスを選択するというのは、経済原則として当たり前の話です。ここをどうするか。
 これをしないと、過疎地はますます過疎地化するんです。
町役場の近くに集合住宅をつくって、みんな山の上の人はここへ集まってくださという形になるし、そこに集合的にサービスが行くのは当たり前のことで、経済原則としては余りにも常識的なことだと思います。
 これをどうすればいいかということですけれども、私は鈴木先生と同じように、特定事業所集中減算というのはいっそやめたほうがいい。むしろ、いいケアプランをつくって早く在宅に帰す。公正中立というのは、併設のケアマネジャーの仕事は何かというと、自分のところの介護サービス事業のレベルアップを図るということのほうがやるべき仕事です。自分のところが悪いのに自分のところのサービスを選ぶというのは、ケアマネジャーとしてはじくじたるものがあると思いますので、そちらのほうに私は力を注いでいただいたほうかいいんじゃないかと思います。

 ケアマネジャーについては、私が最初に言ったように、要求されることが多過ぎて、できていないと集中的に非難されて、非常に気の毒な業種だと私は思っております。

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全面的に賛成するか、全て正しいと思うか、といわれると、少なくとも私はそうは思わないのですが、
でも今回の発言は、委員としては価値ある発言だろうと私は思いました。
委員長や、厚労省事務方がどう思うかは別の話ですが。