天皇の意見表明

以前の記事にも抜き書きした日本国憲法の第1章を再掲。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/34804934.html

第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
2 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

第六条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
2 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
 一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
 二 国会を召集すること。
 三 衆議院を解散すること。
 四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
 五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
 六 大赦、特赦、減刑刑の執行の免除及び復権を認証すること。
 七 栄典を授与すること。
 八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
 九 外国の大使及び公使を接受すること。
 十 儀式を行ふこと。

第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

譲位(今報道されている言葉でいえば生前退位)は、第2条により皇室典範さえ改正すればそれで対応できるとして(あえて断言調)

第4条第1項の解釈についてです。

天皇や皇族は、国政に影響が出る可能性がある事項について発言することはできないのでしょうか。

「権能を有しない」ということなので、天皇の発言により決定することはできません。
でも、「しんどい」とか「不安に思っている」とか発言することすら許されていないのでしょうか。

国会議員や閣僚でなくても、一般国民が国会に呼ばれて参考人などとして発言することはあります。
参考人の発言により法律が改廃されることはありませんが、参考人の発言を参考にして議員が判断し、結果として制度が変わることはあり得ます。

一般国民でも必要性が認められれば国会で発言することはできる。
天皇はそれもできないのでしょうか?

いや、何も天皇や皇族を参考人として喚問すべき、などと主張しているのではありません。
天皇という他の人間には(完全には)理解できない職業、地位にある人に対して、現状で問題がないか、今後どのようにあるべきか、というような意見を求めることが、はたして憲法第4条第1項に抵触するか、ということです。

私は抵触しないと考えています。

そもそも、当事者の状況を把握せずに、その当事者に関する制度について議論できるでしょうか?

そんなカミワザが可能なほど、今の政治家が賢いとは私にはとうてい思えないのですが。