親を責めてどうする!(追記あり)

障害児を産んだ親に「一生かけて反省」しろ 現役医師のFB投稿に批判殺到

J-CASTニュース 6月19日(金)18時54分配信)

 自ら「キチガイ医」と称する医師の内海聡氏が、障害を持つ子どもが生まれる原因は親にあるとして「一生かけて反省しなければなりません」などとフェイスブックに書き、批判を浴びている。
(略)
 内海氏はNPO法人「薬害研究センター」の理事長を務める内科医。多くの著作があり、積極的に講演を行う一方、「医学の9割は不要」など歯に衣着せぬ物言いで医学界を攻撃し、物議をかもしてきた。

 今回、批判を浴びているのは2015年6月13日に行った、出産に関するフェイスブックへの書き込みだ。

 「もちろん理想が自然分娩なのも分かります。ただ、帝王切開だった自分を反省し生まれた子供を全身全霊をかけて守りましょう」

と投稿。さらに「障害の子どもも同じ」だとして、

 「障害の子どもさんが生まれるというのは、いかに産む前妊娠前に両親が食と生活が乱れているかの証、それは一生かけて反省しなければなりません」

と書いた。

 子どもの障害がすべて両親の「食と生活」が乱れているのが原因とする主張に反発は多く、また悩んでいる人への配慮を欠くとして、ツイッターなどネットには、

 「障害発生の全原因は親や『大人』にあるのか?」
 「これは訂正して謝罪した方がいい。食と生活はいくつかの要因のうちの一つ」
 「障害者の親は一生後悔しろとかダメでしょ。親のせいじゃないのに根拠のないことでその人達傷つけちゃいけんでしょ」

といった批判が相次いだ。

反発を受けた内海氏は16日、「障害者の親は一生反省してもらってけっこう」と再び挑発的に投稿。あくまで親は「加害者」であるとし、

 「もし本当に反省できる親がいるとしたら、決して障害を認めるとか個性であるとか、正当化を繰り返したりとか言い訳したりとか、障害が個性であるという業界がふりまいた嘘などを見抜き、決してそんなことは言わないのです」

などと主張した。

 内海氏の一連の投稿に、反発は広がる一方だ。サイエンスライターの片瀬久美子氏はツイッターで、

 「自然出産で健常児を産んだ人たちには自分たちへの肯定となるだろうけれど、そうではない人たちにとっては呪縛でしかないですよね。どちらも親の不摂生とは無関係に起きます」

と指摘。乙武洋匡さんはツイッターで、

 「うちの親にも深く反省するよう、よく言っておきます(笑)」

と皮肉った。
(以下略)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150619-00000002-jct-soci


この件についての意見(賛否両論。ただし「否」の方が多数)はネット上に多数あるようですが、私のコメントとしては。

・親の食生活などに起因しない障害は圧倒的に多い。
 (もちろん、妊娠中の喫煙等については私も肯定しませんが。)

・自閉症の原因として、医学者等からさまざまな物質の名前が挙がり、やがて否定されてきた歴史がある。

・仮に、子どもに影響が生じる化学物質があるのなら、それを公表し、規制するのは社会全体の責任。
 少なくとも一般の親よりは、医学界や、それらを動かせない内海氏らの方により重い責任がある、という理屈になる。


だから、彼は、「配慮を欠く」とか、あるいは性格の問題レベルなどではなく、
単に(ネット上などで医師として意見を公表するほどには)論理的な思考能力が十分でないのではないかと思います。

蛇足ですが、彼の主張の中のまともな部分(トランス脂肪酸の害など)が、こういう反発の中で消えてしまう、否定的に受け取られてしまうとしたら、もったいないなあ、とも思います。


追記(2015/07/11 16:30頃)


妊娠中、何が悪いって、精神的なストレスなんかも最大級に悪いということになります。

さすがに妊娠中の喫煙や飲酒はご遠慮いただくとして、
それ以外の、たとえば微量の化学物質の摂取と、
上記の内海氏の発言と、
どちらが妊婦や胎児に悪影響を及ぼすかといえば・・・

内海氏の方が悪い、という考え方もできると思います。

まあ、それなら、こんなブログで彼の発言を拡散しなくても、という意見もあるかと思いますが、
彼の件は、すでにネット上などで広がっているみたいなので、やっぱり書いておくことにした次第です。