気仙沼のサメ漁は残酷ではない

サメ漁:気仙沼の漁師ら「反フカヒレキャンペーン」に憤り

毎日新聞 2014年05月28日 15時00分(最終更新 05月28日 19時06分)

◇化粧品会社が計画 米団体支部に寄付も

 化粧品や入浴剤などを販売するラッシュジャパン(本社・神奈川県愛川町)が30日に始める予定の「残酷なフカヒレ漁反対キャンペーン」に、サメ水揚げ日本一の宮城県気仙沼市の水産関係者が「サメ漁に対する根拠のないマイナスイメージが広がる」と反発している。東日本大震災津波で漁業・水産加工施設が大きな被害を受けた同市は、特産のサメ製品を復興の起爆剤の一つに位置づけており、経済的な打撃を懸念している。【井田純】

 キャンペーンは来月8日まで全国で展開。期間中、サメの背びれをモチーフにしたチャリティーせっけんを販売するほか、一部店舗では「残酷なフカヒレ漁を象徴する」パフォーマンスを行う計画だ。同社はキャンペーンの狙いを「生きたままヒレだけを切り取り魚体を海に捨てるフィニングという漁の残酷さを指摘するため」と説明する。

 しかし、気仙沼遠洋漁協の斎藤徹夫組合長は「気仙沼のサメは肉もはんぺんなどに加工され、フィニングなどない」と反論。皮は財布などに、骨もサプリメントの原料になり、「余すところなく利用されている」と言う。同漁協と水産加工業者らは、環境に配慮した持続的漁業を目指し「海のエコラベル」といわれる国際認証取得の準備を進めている。

 同社は「気仙沼のサメ漁に反対する意図はない」とするが、チャリティーせっけんの売り上げは「あらゆるサメ漁への反対」を掲げる団体「パンジアシード」(本部・米ハワイ)の日本支部などに寄付される。同団体は、強硬な反捕鯨団体シー・シェパードの「サメ版」とも言われ、創設者のトレ・パッカード代表は、毎日新聞の取材に「気仙沼のサメ漁は海洋環境全般に大きなダメージを与えており、フィニングの有無にかかわらず認められない」と回答した。

 サメ肉の利用拡大を図る「サメの街気仙沼構想推進協議会」は「気仙沼のサメ漁が誤解を受けないよう配慮してほしい」と、ラッシュジャパンに申し入れたが物別れに終わった。同協議会の高橋滉さんは「フィニングへの反対は我々も同じ。接点を探ろうとしたが、これまでの取り組みやサメを食べる文化そのものを否定されたように感じた」と憤る。

 同社は1994年に英国で創業。日本には99年に第1号店を出し、現在156店舗を展開する。これまで海外で反サメ漁キャンペーンを実施してきた。
http://mainichi.jp/select/news/20140528k0000e040213000c.html


ラッシュ社、及び、その日本法人・ラッシュジャパン社に対する批判がらみになのので、
なるべく誤解が生じないように、報道全文を引用しました。

なお、報道に対するラッシュジャパン社のコメントはこちらです。
http://www.lushjapan.com/whatsnew/whatsnewList.asp?id=487#info487

ここまで読んだ上で、私の印象としては、少なくともラッシュ本社の意図には疑問があり、
ラッシュジャパン社のコメントについても、全面的に信用するには至っていない状態です。

捕鯨問題もそうですが、根本的には、「羊飼いの末裔」たる欧米の(少なくとも一部の)文化と、
漁労民の子孫を含む文化との差があるような気がします。

鯨油を取るためだけに捕鯨を行い、必要なくなったところで捕鯨禁止に走った人々と、
鯨一頭の体(肉や油だけでなく)すべてを活用してきた人々との違い。

鯨をサメに、油をフカヒレに読み替えれば、今回の問題も同様でしょう。

鯨やサメなど、生物の種としての保護問題は科学的見地から検討していく必要はありますが、
他の民族の文化を尊重することは、やはり重要なことです。

この問題に関連して、ラッシュジャパンの商品の不買運動もあるようですが、
そういうのは当ブログには似合わないだろうと思います。
もともと同社の製品は購入していませんし(笑)

ただ、ラッシュ社、ラッシュジャパン社の商品を愛用されている方々にも、
気仙沼の水産関係者の人々の主張を理解していただければ、と思います。