雑損控除の対象資産3

第2 6 雑損控除の対象となる資産(店舗併用住宅)
問 店舗併用住宅(1階店舗・2階住宅)について、大震災により生じた損失の金額は、雑損控除の対象となりますか。

(答)
 雑損控除の対象となる資産は、住宅や家財等の生活に通常必要な資産です。
 ご質問の店舗併用住宅の場合、住宅は生活に通常必要な資産であることから、住宅部分に係る損失の金額については、雑損控除の対象となります。
 店舗は事業用の固定資産であることから、店舗部分に係る損失は事業所得の金額の計算上必要経費に算入することになりますので、雑損控除の対象とはなりません。

【法令等】
所法51[1]、72[1]



7 雑損控除の対象となる資産(住宅用土地)
問 津波により、住宅が流出するとともに、その敷地(宅地)に泥が滞留しました。滞留した泥を除去する費用は、雑損控除の対象となりますか。

(答)
 雑損控除の対象となる資産は、住宅や家財等の生活に通常必要な資産です。
 住宅の敷地である宅地は、生活に通常必要な資産に該当することから、その損失額は、雑損控除の対象となります。
 雑損控除の対象となる損失額には、災害のやんだ日の翌日から1年以内にした次の災害関連支出も含まれますので、ご質問の泥を除去するための費用は、雑損控除の対象となります。
[1] 再び宅地として使用するために、滞留した泥を除去するための支出
[2] 宅地としての原状回復のための支出

【法令等】
所法72、所令206[1]、災免法2



8 雑損控除の対象となる資産(住宅用土地の評価損)
問 津波被害により宅地の評価額が下落しました。この宅地について生じた評価損の雑損控除の対象となりますか。

(答)
 雑損控除の対象は、生活に通常必要な資産ですので、宅地もその対象となります。
 雑損控除の対象となる損害の金額とは、物理的被害が生じその損失が実現している場合における損失の金額と解されています。したがって、例えば、災害により土地の立地条件が変化したことによりその土地の評価額が下落した場合の評価額の損失については、その下落した時点では未実現の損失であることから、雑損控除の対象となる損失の金額には含まれません。
 大震災により被害を受けた宅地に関しては、例えば、大震災の影響で地盤沈下したことから、宅地であった土地が海面下のまま原状回復できないことが確定するなど、土地の価値が失われた(滅失した)ときの損失の金額は、雑損控除の対象となります。

【法令等】
所法62[1]、70[3]、72[1]、所令206[3]