最新情報Vol.192(1)

介護保険最新情報 Vol.192
平成23年4月18日
事務連絡
平成23年4月18日
   都道府県
各 指定都市 介護保険主管部(局) 御中
   中核市
厚生労働省老健介護保険計画課
        高齢者支援課 
        振興課      
        老人保健課   
 
避難所等における介護保険サービス確保のための取り扱いについて
 
 東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震により被災した方等への必要な介護保険サービスの確保については、多大なご配慮、ご尽力をいただき、厚く御礼申しあげます。
 今般、別添のとおり、避難所等における介護保険サービス確保のための取り扱いに関し、市町村の事務及び高齢者に対する必要な支援の内容等について取りまとめましたので、管内市町村に対し、事務を行う際の参考としていただくよう周知願います。
 


避難所等における介護保険サービス確保のための取り扱いについて
 
1.市町村を越えて避難をしてきた高齢者の要介護認定事務について
 
① 市町村を越えて避難してきた方で既に要介護認定を受けている方については、従前の要介護度で介護サービスを受けることができること。
  また、要介護認定の更新時期に達した方が申請をすることができない場合、従前の要介護度で介護サービスの提供を継続し、災害等が落ち着いた後に更新申請できること。
 
② 避難先の市町村において、新たに介護サービスが必要となった場合(心身の状態が変化し区分変更が必要な場合や、避難前に受けていた要介護度が不明の場合を含む。)の対応として、避難元(住所地)の市町村から要介護認定事務の委託を受けることにより、避難先の市町村において要介護認定を行うことが可能であるので、積極的に活用していただきたいこと。
 
③ ①及び②の取り扱いが可能であることを踏まえ、避難先の市町村は、避難所等の高齢者に対して、
 ○ 避難所等においても、ホームヘルプやデイサービス等の介護保険サービスが利用可能であることの周知(別添リーフレット等もご活用願います。)
 ○ 要介護認定を受けていない者であって、介護保険サービスが必要な者に対する要介護認定の申請についての周知
 ○ 地域の指定居宅介護支援事業者や地域包括支援センター、避難所のボランティア等の紹介を行う等、要介護認定の申請代行についての周知等の支援を行い、適切な介護保険サービスの確保に努められたいこと。
  なお、要介護認定の申請の際に、被保険者証を消失等している方であっても、氏名・住所・生年月日の申し立てを受けた上で、当該申請を受理して差し支えないこと。
 
④ 避難した高齢者に係る要介護認定の事務処理に相当程度の期間を要する場合、(申請日から起算して30日以上)介護保険法第27条第11項の通知に代えて、電話等により30日以内に要介護認定が行えないことを申請者に伝えることも差し支えないこと。
 
⑤ 避難先の市町村において、事務の委託を受けて要介護認定を行う場合、介護認定審査会の合議体の委員定数は5人を標準としているが、委員の確保が因難な場合には3人で審査判定をすることも可能であること。
  なお、都道府県においても事務の委託を受け、介護認定審査会を設置して審査判定業務を行うことが可能であるので、適宜、都道府県に相談されたい。
 
2.避難先で提供されたサービスに対する保険給付について
 
① 避難先の市町村は避難所等で介護サービスを受けようとする高齢者に対し、指定居宅介護支援事業者の紹介等を行うこと。
 
② ①において、要介護認定申請中の者について、指定居宅介護支援事業者にいわゆる暫定ケアプランの作成していただくよう協力を求めるとともに、暫定ケアプラン作成の際の参考として、出来る限り速やかな認定調査の実施や一次判定リフト等の活用を行う等の支援を行うこと。なお、当該指定居宅介護支援事業者を介護保険法第24条の2に規定する指定市町村事務受託法人とすることは可能であること。
 
③ 要介護認定の申請日以降、指定居宅介護支援事業者の作成する暫定ケアプランに基づき提供された介護サービスは、保険給付の対象となること。また、当該暫定ケアプランに係る費用も居宅介護支援費の対象となること。なお、東日本大震災により被災した方等に対するケアプランについては、ケアマネジャー1人当たりのケアプラン作成件数が40件を超えても減額措置を行わないことが出来ること。
 
④ やむを得ない事由により、要介護認定に相当の期間を要することが見込まれる場合、事業者の経営の安定を確保する観点から、要介護認定の前に、介護報酬を介護サービス事業者に支払うことも差し支えないこと。なお、国保連を通じて給付を行う際には、避難元(住所地)の市町村において受給者情報を登録する必要があるため、避難先の市町村は、受給者情報の登録を依頼するなど、避難元(住所地)の市町村と連携を因ること。
 
⑤ 要介護認定の申請日(要介護認定の効力発生日)前に提供された介護サービスについては、避難元(住所地)の市町村に置いて受給者情報の登録を行った上で、介護サービス事業者が利用者より「代理受領」の委任を受け、避難元(住所地)の市町村に届け出ること等の手続きにより、特例居宅サービス費を介護サービス事業者に直接支払うことができること。
 
⑥ なお、やむを得ない事由により、避難所等の高齢者に対して、指定居宅介護支援事業者によるケアプランが作成されない場合において、当該高齢者自身が、市町村や避難所のボランティア(ケアマネジャー等)等の支援を得て、サービス利用に係る計画(いわゆるセルフケアプラン)を作成し、避難元(住所地)の市町村に届け出た場合、上記と同様の取り扱いができること。この場合、当該届出に当たっては避難先と避難元(住所地)の市町村の間で、適宜連携を因ること。
 
⑦ 避難先の市町村は、セルフケアプランの作成に当たっては、区分支給限度額等に配慮するよう促すとともに、可能な限り速やかに指定居宅介護支援事業者の紹介等を行い、通常のケアプランによるサービス提供がなされるよう配慮を行うこと。