証拠なし、動機もなし

ルカシェンコ大統領がプーチン氏と矛盾する発言、モスクワ襲撃犯は「ベラルーシを目指した」
CNN.co.jp 3/27(水) 11:20配信

(CNN) ロシアの同盟国ベラルーシアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は26日、モスクワ郊外のコンサート会場襲撃事件をめぐり、ロシア側の主張に疑問を投げかけるような発言を行った。

139人の犠牲者を出した今回の事件については、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)が犯行声明を出している。しかしロシアのウラジーミル・プーチン大統領は事件翌日の23日、襲撃犯がウクライナへ逃れるための「窓口」が用意されていたと発言し、根拠を示さないままウクライナが事件に関与したと主張していた。

ベラルーシの通信社ベルタによると、ルカシェンコ大統領は26日、襲撃犯は当初、ウクライナではなくベラルーシに入るつもりだったとの見方を示し、「彼らはベラルーシに入れなかった。ベラルーシが直ちに治安対策を強化したことから、ベラルーシに入国を試みるのは非常に悪い考えだと認識した」と述べた。

さらに、コンサート会場襲撃が始まった「数分後」にロシア当局から連絡が入り、ベラルーシの部隊が戦闘態勢に入って襲撃犯の入国を阻止するため道路に検問所を設けたと説明。「つまり彼らがベラルーシに入国するチャンスはなかった。彼らはそれを知って引き返し、ウクライナとロシアの国境へ向かった」としている。

中央アジアタジキスタン共和国出身の容疑者4人は事件当日の22日夜、ウクライナベラルーシの国境に近いロシアのブリャンスクで逮捕された。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bdc35389a84ea166cb7e614dbd5632a2e28da285

 


テロへのウクライナ関与ない、ロシア指導部内に異なる見解-関係者
Bloomberg 3/27(水) 2:03配信

ブルームバーグ): 139人が殺害されたモスクワ郊外のコンサートホール襲撃事件で、プーチン大統領ウクライナが関与した可能性を主張し続けている。だが、大統領側近の中には異なる見解を持つ者もいる。

ロシア大統領府に近い4人の関係者は、ウクライナが関与した証拠はないと明言。ウクライナに関連はないと当局者が同意した協議にプーチン氏も出席していたが、同氏はこのテロ攻撃を利用して対ウクライナ戦争で市民を結束させようと引き続き決意していると、取り扱いに注意を要する問題だとして匿名を要請した関係者の1人が明らかにした。

関係者によると、ロシア大統領府当局者は22日のテロ攻撃を保安当局が防げなかったことに衝撃を受けている。この関係者が知る限り、ロシアの政治・経済エリートの間でテロ攻撃がウクライナの企てだと考えている者はほとんどいないという。

この事件はモスクワとその周辺で発生したテロとしては過去20年余りで最悪の規模となり、過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を発表した。プーチン氏はそれでも2回にわたってウクライナと関連付けようとした。

25日遅くにテレビ放送された安全保障責任者との会合では、イスラム過激派が実行したと認めつつ、「誰が指示したのかに関心がある」と発言。米国は「自国の情報機関のデータによれば、モスクワのテロ攻撃にウクライナの痕跡はないと考えられると、衛星国や他の国を納得させようとしている」と述べた。

プーチン氏の最側近らも、この説を持ち上げることに熱心だ。

パトルシェフ安全保障会議書記は26日、テロの責任があるのはISかウクライナかと問われ、「ウクライナに決まっているだろう」と記者団に語った。

ボルトニコフ連邦保安局(FSB)長官は同日、攻撃を実行したのはイスラム過激派だが、ウクライナと米英の情報機関が関与したと、証拠を示さずに主張した。

ロシア情報機関やFSBに詳しいアンドレイ・ソルダトフ氏は「情報機関はISの犯行だと理解しているが、プーチン氏の発言を受けて命令に従い、ウクライナまたは西側の関与があったと証明する以外に選択肢がなくなっている」と分析した。

米国は今月7日、モスクワのコンサート会場などでテロ攻撃の「差し迫ったリスク」があると公に警告し、情報をロシアとも共有したと説明した。だがプーチン氏はその後のFSB当局者との会合で、この情報を「社会を不安定化させようとする試み」だとして取り合わなかった。その3日後にテロは発生した。

原題:Some in Putin’s Own Circle See No Ukraine Link to Moscow Attack(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.
https://news.yahoo.co.jp/articles/61e329aafb0fa52e757bfcc0d53d949147a7332a

 


証拠に基づいた合理的思考よりも、独裁者の意向の方を優先する国ですから、ロシア政府が「ウクライナの関与あり」という「結論」を出す気になったら、誰も止められないだろうとは思いますが、一応、記事にしておきます。

念のため、グーグルさんにもご協力いただいて、容疑者が逮捕されたというブリャンスクの位置を確認。

ウクライナにもベラルーシにも近い位置で、どちらの国にも道路がつながっているようですが、ロシアと戦争中のウクライナ国境よりは、曲りなりとも同盟中のベラルーシ国境の方が警備が緩いと考えて、ベラルーシの方に向かうのは自然なように思われます。

 

そもそも、ウクライナ側には、ロシアの一般市民相手にテロを起こす動機がありません。
(自力にせよ、他力にせよ、ロシアの軍事施設や兵器工場などを襲うのなら、まだわかりますが。)
ウクライナ国民の縁者がロシア国民の中に多数いますし、ウクライナへの(ロシア一般国民の)反感を買うことは、どう見ても得策ではない。
西側諸国も、テロに関与する国を支援するのは躊躇するでしょう。
ウクライナ政府は(ロシア政府よりは)賢いので、そのあたりは理解しているはずです。

 

ということで、プーチン氏が「ウクライナの関与があった証拠をでっちあげろ」と命令すれば、政権幹部は従わざるを得ないだろうと思いますが、こういう事情を経て発せられるであろうロシア側の主張をそのまま繰り返すような日本の国会議員がいたとしたら、それは愚かとしか言いようがないところです。