吉村氏の「県議会解散」発言

「議会自身も責任を」とみそぎの自主解散に初言及 維新・吉村氏 斎藤兵庫知事の不信任巡り
産経新聞 11/24(日) 14:22配信

兵庫県議会で全会一致の不信任決議を受けた斎藤元彦知事が出直し知事選で再選したことを巡り、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は24日、県組織「兵庫維新の会」が神戸市内で開いた全体会議に出席し、「議会自身も責任を取って自ら解散する。県民の審判をあおぐ。このまま何もなかったかのように過ごすのは違う」と県議会の自主解散に初めて言及し、今後、目指すべき対応の選択肢とするよう示した。会議後、記者団の取材に明らかにした。

一方、吉村氏は全体会議で、自主解散しない場合の選択肢として「県政の混乱の原因は議会にもあり、立法措置をとって2度同じことが起こらないよう表明すべきだ」とも述べ、知事や議員のパワハラ防止や公益通報制度などの条例整備による再発防止を訴えた。そのうえで「最後は兵庫維新として選択してほしい」と述べた。

吉村氏が示した選択肢について、兵庫維新の会の片山大介代表(参院議員)は「県議団にとれば、自分たちの身分にも関わってくる話。よく議論しなければいけない。2つのうち、どちらかになるだろう。どうやって成立させるかも考えなくてはならない」と受け止めを記者団に述べた。

知事選と、県内小選挙区での勝利がなかった衆院選の結果から、片山氏は代表の引責辞任を表明し、代表選を来月に行うとした。

知事選で維新は、同党を離党し無所属で立候補した前参院議員の清水貴之氏を自主支援したが、清水氏は斎藤氏に85万票以上の大差をつけられ敗北。この日の全体会議は知事選などの総括を目的に開かれた。会議は冒頭を除き、非公開。

一方、斎藤知事は再選後に「選挙が終わればノーサイドで県政を前に進めたい」と議会との関係修復に協力を求めている。吉村氏はこれまで「兵庫県民は斎藤氏を信任した。『議会不信任』に当たるんじゃないか」として、議会側の責任論に言及していた。

兵庫県議会(定数86、欠員1)で維新は第2会派の21人。自主解散も、新たな条例制定も、まず会派内で意思統一した上で、最大会派の自民党(37人)など他会派も賛成することが必要で、いずれもハードルはかなり高い。

地方議会の自主解散の規定は特例法にあり、議員の4分の3以上が出席し、出席議員の5分の4以上の賛成で解散できるとしている。(藤谷茂樹、西浦健登)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c55ff113ecdd5a0d07cf077f4b19298aa24cec45

 


ツッコミどころ多数の吉村氏の発言ですが、一応、指摘しておきます(順不同)。

 

1)都道府県知事と都道府県議会は別物で、「二元代表制」とされている。
 片方の当選で「民意が示された」からといって、他方が解散や辞職をする必要はない。
 仮にも地方自治体の長をやっているのなら、地方自治制度についてもっと勉強すべき。

 

2)そもそも斎藤候補は過半数の票を獲得していない(45.2%。当選を目指さないとした立花氏を除外したとしても45.6%)。
 斉藤氏を支持していない票が過半数である。

 

3)不信任案決議で、斎藤氏自身、県議会の解散が必要ならできたのに、それを行わず失職している。
 当選後も、議会との協調、意思疎通を図るという言動を見せている。

 

4)維新系議員も全員が不信任決議に賛成している。
 にもかかわらず、斎藤候補の支援に回ったり、秘密会の録音を外部に漏らしたりした議員がいる。
 もっと早い時期に、維新・掘井健智氏(当時、衆議院議員)が、告発者の不確かな個人情報を漏らしたということで、同党幹事長から厳重注意を受けている。
 これらの総括を行い、維新県議団が自主解散するとか、一部または全員が辞職するというのなら理解できる。

 

5)吉村氏自身、2年間直属部下であった斎藤氏の問題点を見抜けず知事選で支援し、告発文書問題が起きたときに辞職を促したにもかかわらず説得できなかったという経緯がある。
 兵庫県議会の解散を求めるぐらいなら、吉村氏自身も何らかの責任を取るべきである。

 

※現在進行形の公職選挙法違反の疑いの件や、まだ残っている百条委員会、第三者機関での調査の件については、含めていません。

 なお、百条委員会の斎藤氏発言については、知事選後の公開動画でも、他の出席者の発言との食い違いがますます大きくなってきていて、誰かの偽証の疑いがより強くなってきています。