能登半島地震・税の特例法成立

令和6年能登半島地震災害の被災者に係る所得税法及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の臨時特例に関する法律」が成立しました。

 

財務省ウェブサイトの法律案をざっと見ただけですが、
https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/213diet/index.htm

 

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(雑損控除の特例)
第三条 居住者又はその者と生計を一にする配偶者その他の親族で政令で定めるものの有する所得税法第七十二条第一項に規定する資産について令和六年能登半島地震災害により生じた損失の金額(令和六年能登半島地震災害に関連するその居住者によるやむを得ない支出で政令で定めるもの(以下この項において「災害関連支出」という。)の金額を含むものとし、保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填される部分の金額を除く。以下この項及び次条第四項において「特例損失金額」という。)がある場合には、特例損失金額(災害関連支出がある場合には、次項に規定する確定申告書、修正申告書又は更正請求書の提出の日の前日までに支出したものに限る。以下この項において「損失対象金額」という。)について、その居住者の選択により、令和五年において生じた同法第七十二条第一項に規定する損失の金額として、同法の規定を適用することができる。この場合において、同項の規定により控除された金額に係る当該損失対象金額は、その居住者の令和六年分以後の年分で当該損失対象金額が生じた年分の所得税に係る同法の規定の適用については、当該損失対象金額が生じた年において生じなかったものとみなす。

2 前項の規定は、令和五年分の確定申告書、修正申告書又は更正請求書に同項の規定の適用を受けようとする旨の記載がある場合に限り、適用する。
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ということで、

 

能登半島地震災害により生じた損失の金額-(保険金、損害賠償金等で補填される金額)
を、その居住者の選択により、
令和5年分所得(R5.1.1~R5.12.31)から控除できる雑損控除として適用することができる

ということです。

 

「選択により」なので、普通のルールどおり、令和6年所得から控除することも可能です。
(たとえば昨年は所得がなくて、今年からそこそこ収入があるような場合は、一般的には普通のルールの方が得でしょう。)

 

第2項に
「令和五年分の確定申告書(略)に同項の規定の適用を受けようとする旨の記載がある場合に限り、適用」
とあるので、これについては、国税庁のウェブサイトや税務署の掲示あたりで、記載例のようなものが出されると思います。

 

その他、政令、通知、Q&Aのようなものが、これから出されるでしょう。
東日本大震災のときがそうでした。
津波などで帳簿や領収書等がなくなった場合の対応方法とか。

 

石川県や富山県の方は、すでに申告や納税の期限が(今のところは日を定めずに)延ばされていますから、納税申告のことでそれほどあわてる必要はないと思います。

また、もしも確定申告済、納税済という人がいたとしても、5年間は更正請求(計算やり直すから返してね)が可能です。