もったいない大阪市教委

原則実施のオンライン学習を「場当たり的な計画」と批判 松井市長宛に提言書送った小学校校長を文書訓告に 大阪市教委
ABCニュース 8/20(金) 15:16配信

 

 大阪市教育委員会は20日、緊急事態宣言中に学校現場に「原則実施」を求めたオンライン学習に対して批判する内容の書面を、松井市長に送った市立小学校の男性校長を、文書による訓告処分としました。

 

 「文書訓告」となったのは、大阪市立木川南小学校の久保敬校長(59)です。

 

 久保校長は緊急事態宣言中だった2021年5月、市が小中学校に対して「原則実施」を求めたオンライン学習について、松井市長や教育長に提言書を送っていました。

 

 提言書の中で、久保校長は「1人1台端末の配備について、通信環境の整備などが十分に練られないまま、場当たり的な計画で進められている」と指摘。

 

 「お粗末な状況が露呈し、学校現場は混乱を極め、保護者や児童・生徒に大きな負担がかかっている。子どもの安全・安心も学ぶ権利もどちらも保障されない状況をつくり出している」などと批判していました。

 

 これに対して市教育委員会は、これまで久保校長に対し2回にわたって聞き取りを実施。

 

 今回の処分理由について「新型コロナウイルスで混乱が続く中、久保校長が学校教育に携わらない第三者にまで提言書を見せ、SNSなどで拡散された。統一的な取り組みを実施しようとする組織にさらに混乱を生じさせた」などとしています。

 

 久保校長の提言について、松井市長はこれまで「意見を言うのは自由」としながら、「自分の思想信条で市教委の教育振興基本計画というルールを守らないなら、処分の対象になるのは当たり前」などと話していました。

 

 一方、久保校長の提言書に賛同する声も多くあり、弁護士などの団体は6月、職務命令の権限がある教育長に対して、久保校長を懲戒処分としないよう要請していました。

 

 今回の「文書訓告」は、懲戒処分にはあたらず教職員に反省をうながす服務上の措置となります。

 

 久保校長は20日、ABCテレビの取材に、提言書をきっかけに全国から共感や励ましの電話や手紙を受けとったことを明かし、「個人的な教育信条を意見したこと自体は後悔していない」とコメント。

 

 一方、第三者を通じてSNSでこれだけ拡散されたことは自分の意図するところではなかったとし、「第三者に提言書を見せたことが軽率だったと言われたら、認めざるを得ない部分もある」と話しました。

 

 またオンライン授業の環境整備については、市教委が各学校の通信端末の数を増やすなど、少しずつ改善が進んでいるということです。

 

 一方で、オンライン授業の「あり方」については全国的に課題が残るとし、「『オンライン授業』とひとくくりに言われるが、小学校低学年の児童と大学生とでは内容も方法も異なる。子どもたちの発達段階に応じた、より良いあり方を、今後も模索し議論を重ねる必要がある」と指摘。

 

 「子どもに一番近い現場の声がもっと届けられるよう『ボトムアップ』の仕組みを作ってもらいたい」と話しました。
最終更新:8/20(金) 15:16
https://news.yahoo.co.jp/articles/ec17e46df9420bac996b9eeda5b94995ede1c5b7

 


中国と似てますな。
新型コロナウイルス感染症の患者が世界的に知られるようになる前、2019年の12月に、武漢市の現場から警鐘を鳴らした医師が、武漢市の公安当局から訓戒処分を受けた件です。

 

コロナ禍だろうがそうでなかろうが、新しいことを導入しようとすると、事前には想定されていないような問題点が明らかになることがあります。
オンライン学習であれば、サーバーや回線の能力については、児童・生徒が一斉にアクセスすれば問題が生じる可能性があるのは、ちょっと情報処理関係の知識がある人間なら当たり前でしょうが、こういう緊急事態で、とにかくやってみよう、と導入した市教委の判断自体を責めるのは、少し気の毒かもしれません。


しかし、現実に問題が生じれば、それを報告するのは現場の当然の役割ですし、校長という現場責任者が、市長に批判の意見を送るのは、むしろ勇気ある行為としてほめたたえるべきでしょう。
(実際に、その批判の意見を採用するかどうかは、市長や教委の判断でしょうが。)

 

「学校教育に携わらない第三者にまで提言書を見せ、SNSなどで拡散された」?

三者に意見を聞くのは、むしろ結構なこと。
それが世の中に拡散されたとして、その内容に著しい誤りでもあれば別ですが、情報公開は維新も積極的に行うべき、という考え方ではなかったのでしょうか?
大阪府知事の吉村氏が(松井氏や橋下氏に比べて)人気が出たのも、コロナ対策が優れていたからではなく、テレビなどで自分自身の言葉でわかりやすい説明に努めたことが大きかったのではなかったかと私は考えています。

 

「統一的な取り組みを実施しようとする組織にさらに混乱を生じさせた」?

<さらに混乱>ということは、もともと混乱していたのですね? 当局側の不手際か、ともかく現場の責のない原因により。
混乱していたから、それを改善するための提言が出されたのに、「さらに混乱を生じさせた」として処分するのですか?

 

こういうのは、むしろ「よく提言してくれた」としてほめたたえ(採用するかどうかは別)、他の人間からも意見を促すべきです。
校長級に限らず、担任や保護者、児童・生徒本人からでも、意見を聴く姿勢を示すことが、大阪市(教委)として得策です。
集まった意見の中から、市長や教委トップの目から見て、現実に適合していると認められるものを採用すればよい。

その方が得だと思うのですが・・・大阪市教委も、もったいない。