パラもテレビで

組織委 40人歓迎会の質問に「意図がまったく理解できない」実施は「適切な対応」
デイリースポーツ 8/24(火) 12:47配信

 東京五輪パラリンピック組織委員会の高谷正哲スポークスパーソンと、国際パラリンピック委員会(IPC)のクレイグ・スペンス広報部長が24日、定例会見を行った。

 

 前日23日に組織委はIPCのパーソンズ会長など関係者約40人を招いた橋本聖子会長主催の歓迎の夕べを開催。感染状況が悪化の一途を辿る中での開催に批判の声も上がっている。「なぜ中止しなかったのか?」と問われた高谷SPは「ご案内のとおり、何か飲食を伴ったパーティーとはまったく性格が違うものであり、ホストとしてお越し頂いたIPCのゲストの皆さんに対して歓迎の意を示す主旨のものです。会の中では音楽をお聴き頂くセクションもありました。あくまでできるだけ簡素な形で、しかしながらホストとして皆さんに歓迎の意を示させていただいたものです」と、説明。重ねて「社会へのメッセージとして適切なのか?」との問いには「質問の意図がまったく理解できない」とし「この大変な状況の中でお越し頂いたIPCの皆さんに対してできる限り簡素な形で歓迎の気持ちをお示しさせていただいきたいと。それぞれのパートナー、トップが直接ご挨拶させて頂く場を設けるというのは今の社会の慣習においては、適切な対応の範囲内」と反論した。

 

 歓迎会は23日の午後6時半から7時半に、グランドニッコー東京台場で開催。コロナ禍を踏まえ、食事やアルコール類は供さず、文化イベントで歓迎の意を表するおもてなしの機会としたという。

 

 日本側からは橋本会長のほか、菅義偉首相、丸川珠代五輪相、小池百合子都知事らが出席。菅首相小池都知事らがあいさつ。組織委は五輪開幕前にもバッハ会長らIOC関係者の歓迎会を迎賓館で行っていた。
最終更新:8/24(火) 12:59
https://news.yahoo.co.jp/articles/77f20909db8dc4f3418b13cd6646e8957921e628

 


この時期のオリンピック、パラリンピックのあり方については、国内外にさまざまな意見があることは、私は理解しています。
だから、「飲食を伴わない」「(今の)社会の慣習においては、適切な対応の範囲内」という主張があることも、(私自身の考え方は別にして)想定ははしています。

なお、「(今の)社会の慣習」というように「今の」をカッコに入れたのは、
「これまでの社会の慣習では適切な対応の範囲内」ではあっても、
「今のコロナ禍の社会では適切ではない」という主張があり得ることを理解しているからでもあります。

 

しかしながら、高谷氏が「社会へのメッセージとして適切なのか?」との問いに「質問の意図がまったく理解できない」と答えたのは、(虚偽の強弁でないとしたら)理解力が乏しい、といわざるを得ません。
つまり、「倫理的に悪いやっちゃなあ」というよりも「頭の悪いやっちゃなあ」というところでしょうか。

 

スポークスパーソンとしては、「そういう疑問をお持ちの方があることも理解できますが、総合的に考えて、開催することが適切と判断しました」とでも答えていれば、質問者は納得はしないにしても、記者が良心的であるほど、それ以上のツッコミは難しいところでしょうから。
(「反対意見があるということを認識していない」というのは、状況把握能力の欠如が明確であり、「反対意見があるということは認識しているが、総合的に別の判断をした」というのは、状況把握能力よりは高次の総合的判断力の問題なので、少なくとも記者会見などの短時間の場では明確には否定しにくい。)

 


ところで、本日開幕のパラリンピックですが、ニュージーランドチームが開会式に参加しないという発表がありました。もちろん、感染予防のためで、選手の意思との情報もあります。
開会式の内容は知りませんが、少なくともエラい人の長時間の挨拶は聞くだけ無駄でしょうから、無理もないと思います。


日本側の学校連携観戦とやらも中止決定校が増えているようです。
なお、児童・生徒の障害者スポーツの理解のためなら、テレビでの観戦がお勧めです。ルールの解説はもちろん、障害のクラス分け、特に車椅子ラグビーで女子選手が1人入るごとに許容されるポイント点の合計が0.5加算されるというような複雑な説明も、状況に応じて行われるでしょうから。
学校連携観戦でも引率の教師が行えばよい、という声があるかもしれませんが、学校の引率者は感染予防などいろいろ気を使わなければならないことが多く、また、観戦中に子どもたち全員にリアルタイムで説明するということは(大声は控えるべきでしょうし)困難でしょうから。

 

ただし、パラスポーツを実地で見るというのは、障害者スポーツの理解ということとは別の感動が得られると思うので、将来の感染収束後の楽しみにするような指導はあってよいと思います。
パラリンピック本体が国内で開催されるのはなくても、予選など国内大会は今後も行われますので。)