Q&Avol.2に見る集中減算(1)

介護保険最新情報Vol.471で、介護報酬改定Q&AのVol.2が出ました。

居宅介護支援は特定事業所集中減算関係が並んでいます。


問26 訪問看護の場合、ケアプランに位置付けようとする時点で主治医と利用者との間で既に事業所が選択されていることが多く、これにより紹介率が80%を超えることについては正当な理由に該当すると考えてよいか。
(答)
 特定事業所集中減算の正当な理由の範囲は「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年3月1日厚生省老人保健福祉局企画課長通知)(以下、「留意事項通知」という。)に示しているところであり、正当な理由の範囲として、サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合などにより特定の事業者に集中していると認められる場合(※)等が含まれている。
 (※)利用者から質が高いことを理由に当該サービスを利用したい旨の理由書の提出を受けている場合であって、地域ケア会議等に当該利用者の居宅サービス計画を提出し、支援内容についての意見・助言を受けている場合等を想定している。なお、利用者から提出を受ける理由書は、当該利用者にとってサービスの質が高いことが確認できるものとし、その様式は任意のものとして差し支えない。

問27 今般の改正で訪問看護等のみなし指定のあるサービスが対象となっているが、正当な理由としてサービス事業所が少数であることをもって判断する場合に、みなし事業所は通常の実施地域内の事業所としてカウントするのかお聞きしたい。
(答)
 みなし指定の事業所について、介護給付費の請求がないなど介護保険事業の実態を踏まえ、カウントから外して差し支えない。
 (注)介護給付費の請求事業所の確認については、国民健康保険団体連合会から都道府県や保険者に提供される適正化情報の「事業所別サービス状況一覧表」が活用可能である。

問28 留意事項通知の第三の10の(4)の[5]の(例)について、意見・助言を受けている事例が1件でもあれば正当な理由として集中減算の適用除外となるか。(下記事例の場合に[1]・[2]のどちらになるか)
(例)居宅サービス計画数:102件
 A訪問介護事業所への位置付け:82件(意見・助言を受けている事例が1件あり)
  [1]助言を受けているため正当な理由ありとしてA事業所に関する減算不要。
   82÷102×100≒80.3%…正当な理由として減算なし
  [2]助言を受けている1件分について除外。
   81÷101×100≒80.1%…減算あり
(答)
 居宅サービス計画に位置づけるサービスについては、個々の利用者の状況等に応じて個別具体的に判断されるものであることから、[2]で取り扱うこととする。

問29 居宅介護支援事業者が作成し、都道府県知事に提出する書類について、判定期間における居宅サービス計画の総数等を記載するように定められているが、サービスの限定が外れることに伴い、事業所の事務量の負担が増大することを踏まえ、訪問介護サービス等のそれぞれの紹介率最高法人の名称、住所、事業所名及び代表者名等について、80%を超えたサービスのみ記載する等、都道府県の判断で適宜省略させても差し支えないか。
(答)
 各サービスの利用状況を適切に把握することが必要であることから、従前のとおり取扱うこととする。

問30 正当な理由の例示のうち、「サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合などにより特定の事業者に集中していると認められる場合」の例示について、「地域ケア会議等」とあるが、「等」には具体的に何を含むのか。
(答)
 名称の如何にかかわらず地域包括支援センターが実施する事例検討会等を想定している。

問31 居宅介護支援事業所の実施地域が複数自治体にまたがり、そのうちの1自治体(A自治体とする)には地域密着型サービス事業所が1事業所しかなく、A自治体は、他の自治体の地域密着型サービス事業所と契約していない状況である。この場合、A自治体の利用者はA自治体の地域密着型サービスしか利用できないが、正当な理由の範囲としてどのように判断したらよいか。
(答)
 ご指摘のケースについては、A自治体の利用者は、A自治体の地域密着型サービスの事業所しか利用できないことから、サービス事業所が少数である場合として正当な理由とみなして差し支えない。

(つづく)