居宅介護支援の指定が市町村に2

介護保険最新情報Vol.380(平成26年6月25日)
「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」の一部の施行等について

これは、こちらの記事で触れた、かなり批判が多い法律についての通知です。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/33208316.html

要支援者が訪問介護通所介護を利用できなくなる問題、利用者負担の増加など、いろいろ話題になっていますが、今回は、居宅介護支援事業者の指定事務が、都道府県から市町村に移行することについて。

現在も、政令市や中核市は指定権を持っていいますが、
平成30年4月1日からは、一般の市町村にも都道府県から権限が移ることになりました。

この通知に添付されている官報を基に、「改正後」の介護保険法の関係条文を作ってみたのが、前記事です。
< >内は、変更又は追加部分です。
多くは、「都道府県(知事)」から「市町村(長)」への変更です。
なお、<*市町村長>という部分は、「都道府県知事又は」という文言が削除されています。
つまり、知事の権限がなくなり、市町村長のみが権限(と責任)を有するようになる箇所です。

実は、以前から気になっていたのは、第四十六条がどう変わるか、だったのですが、
こうなりました。



第四十六条 <市町村>は、居宅要介護被保険者が、<当該市町村の長又は他の市町村の長>が指定する者(以下「指定居宅介護支援事業者」という。)から当該指定に係る居宅介護支援事業を行う事業所により行われる居宅介護支援(以下「指定居宅介護支援」という。)を受けたときは、当該居宅要介護被保険者に対し、当該指定居宅介護支援に要した費用について、居宅介護サービス計画費を支給する。

ずっと以前の記事で、私は次のような危惧をもっていました。

1)市町村の境界を超えた利用者の利便性を損なうのではないか。
2)訪問介護など都道府県が指定権を有している居宅サービスと併設している居宅介護支援事業所が多く、事業所側、指定権者側、双方の事務処理が不便ではないか。
3)現行制度でも市町村が居宅介護支援事業所の指導や監査を行う権限を有している。十分ではないか。

http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/31486572.html

このうち、1については心配ないことが(ほぼ)確定しました。
他の市町村により指定された居宅介護支援事業所のサービスであっても、居宅介護支援費の対象になる、ということですから。

たとえば、上のリンク先の記事でいえば、東京都江戸川区と千葉県浦安市大阪市西淀川区兵庫県尼崎市、というような隣接自治体で、片方の自治体から指定を受けた事業所なら、別の自治体の被保険者が利用した場合も保険給付の対象となります。
(地域密着型サービスの場合は「当該市町村の長が指定する者」という表現があり、他の市町村からのみ指定を受けた事業所では給付の対象とならない。)

なお、「(ほぼ)確定」と書いているのは、省令等でとんでもない制約がつかないとも限らないから、です(苦笑)

2と3の問題は、やはり残るのですが・・・