第三者委の報告書29

第12章 まとめに代えて-より良き兵庫県政であるために-

(略)
 本調査委員会は、パワハラの事案が発生したこと、外部通報に対して違法・不当な対応と取扱いが行われたことの背景と原因には、[1]知事と職員との間のコミュニケーションのギャップないし不足、[2]知事を支える主要メンバーが同質的な集団となり、組織の分断や異論を受け入れない硬直的姿勢が生じたこと、[3]知事をはじめ主要メンバーには、他の意見をよく聴き、取り入れる姿勢が乏しかったこと、批判耐性の強さも問題なしとしないこと、[4]ハラスメント防止規定や公益通報制度実施要綱は定められていたが、十分には機能していなかったことなど共通の問題があると分析した。
 異なる意見は、自身に、また組織に幅をもたらす。本件文書によるパワハラの指摘は、内部通報を通じ、知事を含めた幹部職員を対象とする組織マネジメント力向上特別研修の実施につながった。贈与問題についての指摘は、財務規則の改正とガイドラインの策定等、物品受領ルールの明確化として結実した。本件文書の作成と配布、それに続く内部公益通報は、県の組織体制の改善につながったのである。
(略)
 通報は、そのすべてが真実であるとは限らない。(略)しかし、誤りであっても、第三者としてみれば疑惑が生じうる客観的な事情が存するときもある。上記優勝パレードの件では、本調査委員会も、詳細な調査を行うまで事実関係を理解することができなかった。そのような場合に指摘を誤りであると一蹴することは適切でない。疑惑を感じることに無理がない客観的な事情があるのであれば、指摘を真摯に受け止め、その上で、誤りであることを丁寧に、かつ誠実に説明をすることが必要であり、重要である。そうすれば、通報者と県民の理解を得ることができ、信頼が深まって、県政は前進する。
 本調査委員会は、調査の過程で多くの職員と話をした。調査に応じた職員の中には、知事を支持する者もいれば、批判的な意見を持つ者もいた。しかし、調査に応じた職員は、みな、県民に尽くしたい、県政を発展させたいとの思いを持っていた。批判を持つ職員も、決まったことは誠実に実行しようとしていた。知事や幹部の職員は、異なる意見に直面した場合や自分の知らないことを外部からの情報で知った場合、あるいは、自らの意図しない事態が発生した場合などには、まず、それがなぜかを聞く姿勢を持つべきである。感情をコントロールせず、いきなり叱責したり、注意・指導をすることは適切でない。相手を尊重する姿勢なくして指導は功を奏しないし、相手との関係に発展はない。
(略)
 本件文書の事実関係に関する本調査委員会の結論は、事実と異なる部分もあるが、複数の事実については、真実であるか、真実相当性があると認められたというものである。
 21世紀機構の人事については、県に貢献のある有識者に対しては、十分な敬意を払い、丁寧で慎重な対応が求められるというものである。
 優勝記念パレードをめぐっては、企画について無理のない方針を取るべきであった、職員の労務管理は適切に行うべきであったということである。
 公益通報については、その有益性をよくかみしめ、法の趣旨に沿った対応をする姿勢を持つべきということである。また、内部公益通報の結果としてなされた改善を一歩進め、外部公益通報を覚知した場合の対応、知事や副知事が通報の対象となった場合の対応等についても体制を整備しておくべきということである。
 これらについては、さらに第三者の意見を聞いて体制を整備する等の方策も考えられないではない。しかし、県には、自らの力でパワハラをなくし、公益通報者を保護する体制を築く自浄力が求められる。本調査報告書がその一助となれば幸いである。
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いよいよ最終章です。

長文の報告書を、なるべく読みやすいように省略(抜粋)してきましたが、その取捨選択には私の主観が入り込む要素はあるでしょう。本当は、PDFを全て紙に印刷し、マーカーでも引きながら読み込んでいくのがよいのでしょうが、とりあえずの主要部分は抜き出し、要所要所を太字等で強調したつもりです。

ここまで読んでいくと、「斎藤さん、違法だから知事を辞めてね」ではなく、「こういうことに気をつけて改善してください」という報告書だな、とわかります。私はそうでしたが、たとえば斎藤氏がどう思ったかは、別の問題ではあります。

なお、百条委員会、第三者委員会、それぞれ報告書の量が多いので、早見用にインデックスを作るつもりです。実は、もう簡易的なものは作りかけですが、もう少し内容がわかるようなものにしていきたいと考えています。

兵庫県の百条委・第三者委の報告書
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