次亜塩素酸水についての蛇足

前記事についての蛇足です。

前記事は、国(経済産業省)のウェブサイトや、そこに掲載されているPDFファイルの記述を基にしています。
ちょっと勝手に色塗り強調している個所もありますが、内容自体の真偽については、基本的に国の責任ということになります。

一方、この記事では、私の独自見解が含まれる可能性があります。
それを前提に、前記事から一部抜き出してみます。


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「次亜塩素酸水」を使ってモノのウイルス対策をする場合の注意事項

次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)とは別のものです。

アルコールとは使い方が違います
アルコールのように少量をかけるだけでは効きません。

人が吸入しないように注意してください。人がいる場所で空間噴霧すると吸入する恐れがあります。

空気中の浮遊ウイルスの対策には、消毒剤の空間噴霧ではなく、換気が有効です。

人体に付着したウイルスの消毒・除去や、感染の予防・治療を目的とする場合は、医薬品又は医薬部外品としての承認が必要です。現時点において「空間噴霧用の消毒剤」として承認が得られた製品は存在しません。

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この抜粋を見ると、

・次亜塩素酸水は一定の使用方法を守ればウイルスに効果がある
・アルコールよりは注意が必要
・空気中の浮遊ウイルス対策には、空間噴霧ではなく換気を推奨

というのが国の見解ということになると思います。
厚生労働省も、次亜塩素酸水の空間噴霧については推奨していません。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html

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「次亜塩素酸水」の空間噴霧で、付着ウイルスや空気中の浮遊ウイルスを除去できるかは、メーカー等が工夫を凝らして試験をしていますが、国際的に評価方法は確立されていません。
安全面については、メーカーにおいて一定の動物実験などが行われているようです。ただ、消毒効果を有する濃度の次亜塩素酸水を吸いこむことは、推奨できません。空間噴霧は無人の時間帯に行うなど、人が吸入しないような注意が必要です。
なお、ウイルスを無毒化することを効能・効果として明示とする場合、医薬品・医薬部外品の承認が必要です。現時点で、「空間噴霧用の消毒薬」として承認が得られた次亜塩素酸水はありません。

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ただし、前記事で紹介したPDFファイルの中に、次の文章もあります。

「本資料は、2020年6月26日現在の知見に基づいて作成されたものです。修正されることがあります。」

 

本件に限らず、新型コロナウイルスについては、現時点でわかっていないこと、オオヤケの見解が確定していないことが多く、今後、絶対に認められないとは限らないとは思います。

次亜塩素酸水の「空間除菌」についても、安全で効果的、と主張する研究者や団体もあります。メーカーはもちろんですが。

ただ、たとえば社会福祉関係者(その分野の自治体職員を含めて)としては、現時点での国の見解はどうか、ということは確認しておく必要はあるでしょうし、少なくとも次亜塩素酸水の「空間除菌」について推奨するようなブログ記事を書くことには慎重になった方がよいのではないかと思います(謎)

 

宇宙戦艦ヤマトイスカンダルから持ち帰った放射能除去装置のように、あっという間に問題を解消してくれるような手段が見つかったらいいな、というのは、今回のウイルスでも、震災後の原発事故でも、常に思うことではあるのですが。