訪問介護費(8) 特定事業所加算(下)

【H12告示25】
 (5)当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等の総数のうち介護福祉士の占める割合が百分の三十以上又は介護福祉士並びに施行令第三条第一項各号に掲げる研修の課程のうち介護職員基礎研修課程を修了した者(以下「介護職員基礎研修課程修了者」という。)及び一級課程を修了した者(以下「一級課程修了者」という。)の占める割合が百分の五十以上であること。
【H12老企36】
 [2] 人材要件
  イ 訪問介護員等要件
   第二号イ(5)の介護福祉士、介護職員基礎研修課程修了者及び一級課程修了者の割合については、前年度(三月を除く。)又は届出日の属する月の前三月の一月当たりの実績の平均について、常勤換算方法により算出した数を用いて算出するものとする。
   なお、介護福祉士又は介護職員基礎研修課程修了者若しくは一級課程修了者とは、各月の前月の末日時点で資格を取得している又は研修の課程を修了している者とすること。
【Q&A1】
(問2)特定事業所加算及びサービス提供体制強化加算における介護福祉士又は介護職員基礎研修課程修了者若しくは一級課程修了者とは、各月の前月の末日時点で資格を取得している者とされているが、その具体的取扱いについて示されたい。
(答)
 要件における介護福祉士等の取扱いについては、登録又は修了証明書の交付まで求めるものではなく、例えば介護福祉士については、平成21年3月31日に介護福祉士国家試験の合格又は養成校の卒業を確認し、翌月以降に登録をした者については、平成21年4月において介護福祉士として含めることができる。また、研修については、全カリキュラムを修了していれば、修了証明書の交付を待たずに研修修了者として含めることが可能である。
 なお、この場合において、事業者は当該資格取得等見込み者の、試験合格等の事実を試験センターのホームページ等で受験票と突合する等して確認し、当該職員に対し速やかな登録等を促すとともに、登録又は修了の事実を確認するべきものであること。

【H12告示25】
 (6)当該指定訪問介護事業所のすべてのサービス提供責任者が三年以上の実務経験を有する介護福祉士又は五年以上の実務経験を有する介護職員基礎研修課程修了者若しくは一級課程修了者であること。ただし、指定居宅サービス基準第五条第二項により一人を超えるサービス提供責任者を配置することとされている事業所においては、常勤のサービス提供責任者を二名以上配置していること。
【H12老企36】
  ロ サービス提供責任者要件
   同号イ(6)の「実務経験」は、サービス提供責任者としての従事期間ではなく、在宅や施設を問わず介護に関する業務に従事した期間をいうものであり、資格取得又は研修修了前の従事期間も含めるものとする。
   なお、同号イ(6)ただし書については、指定居宅サービス基準第五条第二項の規定により常勤のサービス提供責任者を二人配置することとされている事業所については、同項ただし書により常勤のサービス提供責任者を一人配置し、非常勤のサービス提供責任者を常勤換算方法で必要とされる員数配置することで基準を満たすことになるが、本要件を満たすためには、常勤のサービス提供責任者を二人以上配置しなければならないとしているものである。
【Q&A1】
(問28)特定事業所加算における人材要件のうち、「サービス提供責任者要件」を月の途中で満たさなくなった場合、加算の算定ができなくなるのは、その当日からか。それとも、その翌月の初日からか。
(答)
 翌月の初日からとする。
 なお、前月の末日時点でサービス提供責任者要件を満たしていて、その翌月(以下、「当該月」という。)の途中で要件を満たさなくなった場合、当該月の末日にその状態が解消した場合に限り、加算要件は中断しないものとする。ただし、当該月に人員基準を満たさなくなった場合はこの限りでない。

【H12告示25】
 (7)前年度又は算定日が属する月の前三月間における利用者の総数のうち、要介護状態区分が要介護四及び要介護五である者並びに日常生活に支障をきたすおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症介護保険法(平成九年法律第百二十三号。以下「法」という。)第八条第十六項に規定する認知症をいう。)である者の占める割合が百分の二十以上であること。
【H12老企36】
 [3] 重度要介護者等対応要件
  第二号イ(7)の要介護四及び要介護五である者並びに日常生活に支障をきたすおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症である者の割合については、前年度(三月を除く。)又は届出日の属する月の前三月の一月当たりの実績の平均について、利用実人員を用いて算定するものとする。なお、「日常生活に支障をきたすおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症である者」とは、日常生活自立度のランクIII、IV又はMに該当する利用者を指すものとする。
 [4] 割合の計算方法
  [2]イの職員の割合及び[3]の利用実人員の割合の計算は、次の取扱いによるものとする。
  イ 前年度の実績が六月に満たない事業所(新たに事業を開始し、又は再開した事業所を含む。)については、前年度の実績による加算の届出はできないものとする。
  ロ 前三月の実績により届出を行った事業所については、届出を行った月以降においても、直近三月間の職員又は利用者の割合につき、毎月継続的に所定の割合を維持しなければならない。
   また、その割合については、毎月ごとに記録するものとし、所定の割合を下回った場合については、直ちに第一の5の届出を提出しなければならない。
【Q&A1】
(問29)特定事業所加算における「重度要介護者等対応要件」における割合の算出において、利用回数によることは可能か。
(答)
 重度要介護者等対応要件の利用者の割合については、利用実人員を用いて算定するものとされているが、要介護4・5の者及び認知症自立度III以上の者に対し、頻回に対応しているか否かの実態についても踏まえる観点から、利用回数を用いて算定することも差し支えない。
 例えば、下記のような場合、前三月の平均値は次のように計算する(前年度の平均値の計算についても同様である。)。
イメージ 1

(注1)一体的運営を行っている場合の介護予防訪問介護の利用者に関しては計算には含めない。
(注2)例えば、利用者HさんやJさんのように、要介護度4以上かつ認知症自立度III以上の者も「1人」又は「1回」と計算し、重複計上はしない。
 [1] 利用者の実人数による計算
  ・総数(利用者Bさんは2月の利用実績なし)
   10人(1月)+9人(2月)+10人(3月)=29人
  ・重度要介護者等人数(該当者B、F、H、I、Jさん)
   5人(1月)+4人(2月)+5人(3月)=14人
  したがって、割合は14人÷29人≒48.3%≧20%
 [2] 利用回数による計算
  ・総訪問回数
   79回(1月)+63回(2月)+75回(3月)=219回
  ・重度要介護者等に対する訪問回数(該当者B、F、H、I、Jさん)
   51回(1月)+43回(2月)+49回(3月)=143回
  したがって、割合は143回÷219回≒57.4%≧20%
 なお、上記の例は、人数・回数の要件をともに満たす場合であるが、実際には[1]か[2]のいずれかの率を満たせば要件を満たす。
 また、当該割合については、特定の月の割合が20%を下回ったとしても、前年度又は前三月の平均が20%以上であれば、要件を満たす。

【H12告示25】
 ロ 特定事業所加算(II) イの(1)から(4)までに掲げる基準のいずれにも適合し、かつ、(5)又は(6)のいずれかに適合すること。
 ハ 特定事業所加算(III) イの(1)から(4)まで及び(7)に掲げる基準のいずれにも適合すること。

【Q&A1】
(問26)特定事業所加算は要件が見直されたが、現に加算を取得していた事業所に対する経過措置はないのか。
(答)
 今回の改定で、特定事業所加算の要件が変更になったため、現に加算を取得している事業所についても、平成21年4月以降も継続して加算を算定する場合については、新たに届出(変更)が必要となる。
 なお、現に特定事業所加算を取得している事業所について、要件の見直しにより、当該加算の算定ができなくなることのないよう、次の経過措置を設けるものとする。
 [1] 現に特定事業所加算(I)を算定している事業所
  次のイ又はロにおける、人材要件の「訪問介護員等要件」は、算定日の属する月の前月の割合で判定しても差し支えない。
  イ 平成21年2月より算定(1月に届出)している事業所については、平成21年4月の算定分
  ロ 平成21年3月より算定(2月に届出)している事業所については、平成21年4月及び5月の算定分
 [2] 特定事業所加算を現に算定しているすべての事業所
  体制要件の「緊急時における対応の明示」については、平成21年4月末までに行うことを予定していることをもって、要件を満たすこととする。この場合、当該明示が平成21年4月末までに行うことができなかった場合には、平成21年5月分の特定事業所加算は算定できない。

(問27)特定事業所加算の届出においての留意事項を示されたい。
(答)
 特定事業所加算における届出については、次のとおりの取扱いとする。
 [1] 訪問介護員等要件を満たすと届出を行い、特定事業所加算(II)を算定している事業所が、当該要件を満たさなくなったが、サービス提供責任者要件は満たす場合→要届出(変更)
 [2] 訪問介護員等要件及びサービス提供責任者要件をともに満たすと届出を行い、特定事業所加算(II)を算定している事業所が、一方の要件のみを満たさなくなった場合→要届出(変更)
 [3] 訪問介護員等要件又は重度要介護者等対応要件を前年度実績により届出を行い、特定事業所加算を算定している事業所が、翌年度に当該要件を満たさなくなったが、前三月実績は満たす場合→要届出(変更)