高梁川・小田川の河川整備計画

7月の西日本豪雨で、倉敷市真備町の被害が大きく報道されました。

このあたりは、小田川高梁川に合流する少し手前のあたりですが、
この高梁川水系については、以前から河川整備計画が策定されていました。

以下、このサイトのPDFファイルから一部紹介します(画面の制約上、レイアウトを修正している場合があります)。


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上図の中央付近を北から南に流れているのが、高梁川の本流です。
途中、西側(左側)から合流している河川が小田川です。
その合流点付近から点線で示されているのが、以前にあった、二本に分かれる河道です。
現在は一本に改修され、以前の河道の一部が貯水池として残されています。

真備町付近を下図に拡大してみました。
青、緑、赤は過去の洪水の浸水地域です。


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明治26年の浸水は他の地域にも広がっていますが、
真備町付近では昭和47年、昭和51年にも大きな浸水被害が出ています。


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河床は小田川の方が緩やかな勾配で、高梁川はそれよりは急勾配になっています。合流点付近では、だいたい同じぐらいでしょうか。
一方、計画高水位(まあ、「大雨などのときに想定されている水位の高さ」ぐらいにしておきましょうか)は、高梁川の方が高くなっています。

つまり、大雨のときは、支流の小田川の水位よりも本流の高梁川の水位が高く、小田川の水は流れ込みにくい、ヘタしたら本流の水が支流に逆流するかもしれない、というように(私のような事務屋でも)読めます。

実際、「バックウォーター現象」とやらで、小田川の水が高梁川に流れ込まず、小田川流域にあふれてしまったのではないか、という指摘が災害直後から出ています。



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上図は、今回の被害を受けて作られた計画ではなく、少なくとも平成22年頃までには作られていた計画です。
(22年は計画変更の時期なので、こういう付け替えの必要性自体は、国や関係自治体ではもっと早くから検討されていたのではないかと思われます。)
小田川を、現在の合流点ではなく、下流高梁川に合流するよう付け替える計画です。
大工事ではありますが、新河道(オレンジ色の部分)には貯水池となっている部分もあるので、見た目ほど難しくない可能性はあるかもしれません。

ともかく、この記事では、これまでの未着手についての責任追及みたいなことは考えていませんが、一刻も早く、「避難しなくいで済む」ための根本的な対策を進めていただきたいと思っています。