なんで執行猶予?

野々村被告有罪判決 裁判長「金銭欲からで悪質」

神戸新聞NEXT 7月6日(水)15時26分配信)
 政務活動費(政活費)の不自然な支出をめぐる事件で、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われた元兵庫県議、野々村竜太郎被告(49)の判決公判が6日、神戸地裁であった。佐茂(さも)剛裁判長は「金銭欲からの犯行で悪質。政務活動費の制度の信頼を損ねた責任は重い。しかし、マスコミ報道など社会的制裁を受けている」として懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。

 政活費の詐取事件を単独で審理した判決は今回が初めてとみられる。

 同被告は起訴内容を一貫して否認し、収支報告書の記載などについて「記憶にございません」などと何度も供述。佐茂裁判長は判決で「(公判では)真摯(しんし)な反省の態度は見られなかった」と批判した。

 判決の読み上げ後、証言台の椅子に座っていた野々村被告は裁判長や傍聴席に向かって一礼。うつむいたまま弁護側の出口から退廷した。

 政活費の支出をめぐる疑惑は2014年6月30日、神戸新聞が年200回近くの日帰り出張を収支報告書に記載していると報じて発覚した。同被告は翌7月1日に会見を開き、正当性を主張したが、会見途中で号泣。その後、議員辞職し、受け取った政活費の全額にあたる1834万円を返還したが、神戸地検は15年8月に在宅起訴した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160706-00000008-kobenext-l28


けっして「大物」ではないと思いますが、号泣会見で話題になった元県議です。

有罪はともかく、なんで執行猶予がついたのか、疑問に思います。

上の報道内容から、被告人にプラスの情状を挙げるとすれば、

・マスコミ報道など社会的制裁を受けている
議員辞職し、
・受け取った政活費の全額にあたる1834万円を返還した

というところでしょうか。
もっとも、マスコミ報道は、事案の悪質性というよりは「号泣会見」の異様性に着目したような部分が大であり、
それこそ事案の悪質性とは少し別のところで「自業自得」というか「自分でまいた種」という感じではあります。

一方、マイナス面としては、

・起訴内容を一貫して否認し、
・収支報告書の記載などについて「記憶にございません」などと何度も供述

ということで、反省の態度を見せていないし、事件解明に全く非協力的です。

起訴内容を認め、カラ出張などを正直に認めていたのなら、執行猶予も理解できるのですが。

まあ、社会的意義としては、本件が注目されたおかげで、
(少なくとも本件被告よりは大物の)さまざまな政治家の資金問題が厳しく見られるようになった、
ということはあるのかもしれません。