笑いと疾病予防の関係

統計と被災地の介護保険については、まだ書きたいことがありますが、
最近のニュースで、ちょっと取り上げたいものがあったので、本日はそちらを。


笑わない高齢者、脳卒中1・6倍…東大など発表

(読売新聞 2016年03月15日 17時41分)
http://www.yomiuri.co.jp/science/20160315-OYT1T50128.html

 日常生活でほとんど笑わない高齢者は、ほぼ毎日笑う高齢者に比べ、脳卒中の経験がある割合が1・6倍、心臓病の割合が1・2倍高いとの調査を東京大などの研究チームが発表した。

 特に笑わない高齢女性の危険が大きかった。

 研究チームは、65歳以上の男女に毎日の笑いの頻度、持病などを調査。回答のあった2万934人を対象に、笑いと脳卒中などの関係を分析した。

 その結果、高血圧などの影響を除いても、ほとんど笑わない女性は毎日笑う女性に比べ、過去に脳卒中になったり闘病中だったりする人の割合が1・95倍、心臓病になっている人が1・41倍高かった。男性では脳卒中が1・47倍、心臓病が1・11倍だった。

 月に1~3回笑う人でも、ほぼ毎日笑う人に比べ、脳卒中が1・27倍、心疾患は1・18倍だった。


笑わないと脳卒中リスク増える? 千葉大など調査

朝日新聞 2016年3月12日07時30分)

 普段、笑うことがほとんどない人は、ほぼ毎日笑う人に比べて脳卒中のリスクが1・6倍増えるとの調査結果を千葉大や東京大などの研究チームが発表した。

 2013年に全国の65歳以上の高齢者に調査表を送り、回答のあった2万934人を分析した。笑う頻度は「ほぼ毎日」「週に1~5回」「月に1~3回」「ほとんどない」の4段階で自己申告してもらった。

 「ほぼ毎日」を基準とした場合、ほとんど笑わない人は、脳卒中にかかったことがあると答えた割合が1・6倍高く、心疾患も1・2倍だった。研究グループは「笑いが脳卒中や心疾患の発症を抑える可能性を示した」としている。

 解析をした東京大の近藤尚己准教授(社会疫学)は「笑いは助け合いの元となる人のつながりを生み出したり、ストレスの軽減につながったりすることなどが考えられるが、さらなる研究が必要だ」と話す。(石塚広志)
http://www.asahi.com/articles/ASJ3C5KCBJ3CULBJ00H.html


同じ題材でありながら、新聞社によって多少切り口に差があるようなので、両方とも(一般で閲覧可能な部分を)引用します。

笑いと疾病予防などの関係については、ありそうだな、と思います。

ただ、私の感覚としては、

「笑わないと病気になりやすい」

というよりも、

「笑うと病気になりにくい」

という表現の方が好みに合います。

その表現に置き換えると、

・ほぼ毎日笑う人は、ほとんど笑わない人に比べて、脳卒中になるリスクが4割近く減る
 (全体で62.5%、男性で68%、女性で51%)
・同様に、心疾患のリスクは2割近く減る
 (全体で83.3%、男性で85%、女性で71%)

という感じです。
(あくまでイメージです。)

「笑わないと病気になりますよ」
というより、
「笑うと病気になりにくいですよ」
の方が、高齢者に話しやすいし、受け入れられやすいのではないでしょうか。