世界と日本の将棋の雑談1

ずっと以前に買った「世界のゲーム事典」(松田道弘編・東京堂出版)という本を読み返す機会があって、
世界の将棋やチェスについて、ちょっと調べてみました。

前述の本のほかに、ウィキペディアや各種競技団体のサイトなどネット上で探したりもしましたが、
歴史的な事項、昔の駒の名前や指し方(動き)などについては、複数の説があったり、
よくわからなかったりするものもあるようです。

将棋やチェスの源流は、インドのチャトランガというゲームだといわれています。
サイコロを使った4人制のゲームから、交互に指す2人制のゲームが生まれた、という説もありましたが、
2人制の方が古いのではないかという考え方が有力になっているようです。

チャトランガは8マス×8マスの盤に、チェスと同じように立体的な駒を並べていたようです。
(平板な木片に文字を書いた駒は、日中韓といった東アジアでしか用いられていないみたいです。)

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王=ラジャー(ラージャ)などという原語に近いであろう呼称もありますが、他のゲームと比較しやすいように、
意訳した漢字で表記することにします。なお、チャトランガに限らず、8マス盤のゲームで王に相当する駒が左右どちら側にあるかは、文献等によって異なる場合があります。

王は日本将棋の玉と同じで、前後左右斜めの計8方向に1マスずつ動けます(ただし、ゲーム中に1回だけ馬と同じ動きができます)。動いた先に敵の駒があれば取り除きますが、日本将棋のように持ち駒として再使用することはできません。なお、味方の駒は取ることができず、したがって、そのマス目に移動することはできません。
この駒取り方法については、以下、原則として共通です。

将(士とする説もあります)は、斜め4方向に1マスずつ。

象は斜め4方向に2マス動ける(1マス目に他の駒があっても飛び越えられる)という説と、日本将棋の銀と同じ動きという説があります。上図では2マス説で表示しています。

馬は、いわゆる八方桂。これも他の駒を飛び越えることができます。

初期配置で左右両端にあるのは、車と船の両説があるようです。いずれにしても、日本将棋の飛車と同じく、前後左右に好きなだけ。ただし、象や馬と異なり、他の駒を飛び越えることはできません。

歩兵は日本将棋の歩と同じで、前に1マスだけ。そして、敵陣の最奥段まで行くと、自分と同じ列の駒に昇格します。たとえば象の上の歩兵は象になります。ただし、その象がすでに取られているときだけ象になれる、という説があるようです。

(つづく)