議事録つまみ食い(パブコメ参考)

介護報酬改定についてのパブリックコメントの参考になりますでしょうか。

2014年11月19日 第115回社会保障審議会介護給付費分科会議事録 より
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000070202.html

今回は、なぜか鈴木委員の特集みたいになってしまいました。


○鈴木委員 30日超えの短期入所生活介護ですが、29日ごとに実際に家に帰る場合、それはいいのかどうか、減算の対象になるのか、確認させてください。

○高橋振興課長 大変失礼いたしました。
 29日で家に帰られる場合であれば、当然、減算のほうにかかってこないような、通常の報酬の評価ということになるかと思います。

高橋課長が謝っているのは、いくつかの質問のうち、この件には答えてなかったからです。
実質長期の短期入所(変な表現ですが)の減算を避けるため、この方法を考えるところが増えそうな。


○鈴木委員 (略)
 それから、資料8の地域区分についてでございます。2ページと4ページに論点がございますが、まず、意見でございます。地域区分で示されているほど、地域間における人件費の格差はないのではないかと思います。同一県において3等級以上の開きがあるというのは、私としてはいかがなものかと思います。保険者である自治体の意見も考慮すべきだろうと思いますし、こういう形ではなくて、公平性がより担保できる基準が必要ではないかと思います。

 また、その他の地域をマイナスするという前提があるのかもしれませんが、それはすべきではないと思います。

 質問でございます。以前公表されました実態調査では、1級地、2級地の収支差率が非常に高いデータが示されまして、それはどういう解釈をしたらいいのかという話をさせていただきましたが、はっきりしたお答えがなかったような気がしますので、改めて事務局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○迫井老人保健課長 (略)
 それから、3点目、地域区分の関係で、介護事業の経営実態調査につきまして幾つかの要素を加味して調査を詳細にやってございます。そのときにも御指摘、御質問がございましたけれども、1級地、2級地の級地区分ごとに調査の内訳を示しているものもございます。ただ、そのときにお答えしたつもりではあるのですが、改めまして申し上げますと、さまざまな要素が、その実態調査の収支差について影響しております関係で、必ずしも級地区分で明確に収支の説明がつくものばかりではございませんので、一定程度影響を及ぼしていることは間違いないと思いますけれども、級地区分でもっぱら説明がつくようなデータの構成にはなっていないということで、それについてはやはり個別に判断をするしかないのかなというのが、事務局の認識でございます。

この件については、いきさつがわからなかったので、過去の議事録等を調べてみました。


2014年10月15日 第110回社会保障審議会介護給付費分科会議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000066151.html

○鈴木委員 (略)
 それと、これは意見でございますが、介護経営実態調査の詳細な方の資料を見ますと、例えば5ページは介護老人福祉施設、特養ですが、これを見ると1級地、2級地の収支差率が高いのです。3級地まで含めて、特に2級地が高いのです。

 9ページは地域密着型の特養ですけれども、これは2級地はありませんが、1級地と3級地がこれも収支差率が極めて高いのです。1級地は20%以上ということで4級地以下と大きな差があります。

11ページを見ますと、今度は介護老人保健施設ですがこれも1級地と2級地が非常に高いのです。

45ページは通所リハビリテーションですが、これも1級地と2級地が17.7%、17.8%ということでほかと比べて極めて高いのです。

58ページも同様で、小規模多機能居宅介護ですが。これも1級地と2級地がどちらも10%以上で高いのです。これだけ見ますと1級地、2級地は加算を上げ過ぎではないかという気がするのですが、これについてはどのようにお考えなのか、御意見を伺いたいということが1つあります。
(略)

○迫井老人保健課長 鈴木委員が今、御指摘の前半の部分でございます。各サービスにつきまして事業規模、級地区分ごとの収支につきまして整理をさせていただいております。幾つか御指摘をいただきましたけれども、級地の取り扱いによって収支の状況が違う。今、御紹介いただいた部分につきましては、一定の傾向があるという御指摘だろうと思います。

 私どもの受けとめは、こういう地域区分の問題もしかり、事業規模の問題もしかり、先ほど齊藤秀樹委員がおっしゃいましたけれども、基本的には個々のサービスを見るときに、そういった要素も含めてより詳細に見ていくべきで、この表、このテーブルだけで何かを語るというのはむしろ危険である。極端な解釈になりかねないという御指摘を複数の委員からいただいておりますので、我々の受けとめは、今後の議論を進めていただく中で、これも1つのもちろんデータでございますし、それから、各自治体にサービスを提供されている、あるいは利用されている方々が御指摘いただくようなサービスの実態とか、そういったことを総合的に勘案して、理解をしていくのかなというのが私どもの受けとめでございます。
(略)

○鈴木委員 (略)
 それと、今のお話の中で迫井課長が重要な発言をされたと思います。あくまでもこの実態調査は参考ですとお話されましたけれども、実際はこの数字が独り歩きして、それこそ財務省までがこれを使って-6%と数字を出して来るのですから、参考では済んでいないのです。もし参考なら、これは参考ですともっと控え目に出すとか、そういう取り扱いをしていかないと、実際はこれで決まるのです。皆さんそう思ってこれだけ意見が出ているわけです。参考ならこれはあくまでも参考であるということをもっと広報していただくことと、これは改定に使うものではないということをおっしゃったらどうですか。

 それと、実際相互の精緻化をしていかなければならないと思います。診療報酬の実調も紆余曲折を経て精緻化していったわけです。それをずっと同じものを出してきて、見直しもやぶさかではないというお話もありましたけれども、もっと早く見直しをやっておくべきだったと思います。診療報酬は2年ごとですけれども、介護報酬は改定が3年ごとで、もっと間があいてしまうわけですから、私は今まで事務局が怠慢だったのではないかと思います。実調のデータが参考であるのだったら、その旨をはっきりおっしゃっていただきたいと思うし、これを使ってどうこうという議論はめてほしいということを言っていただきたいと思います。いかがですか、迫井課長。

○迫井老人保健課長 非常に手厳しいといいますか、実際にはこの調査の数字を財政制度等審議会のことも含めてだろうと思いますけれども、御議論いただいているのは事実として受けとめております。

 ただ、申し上げたいことは2点ありまして、1つは目的につきましては、先ほど冒頭でも御説明をさせていただきましたけれども、資料1の1ページ目に調査の目的ということで、これは読み上げもさせていただきましたが、これは従来からもそうですけれども、今回の介護報酬改定を実際に御議論いただくに当たっての基礎資料を得ることを目的としているということでございます。これは繰り返し申し上げておりますし、現に文字にもさせていただいている。それから、いろいろな方のお問い合わせについても、基本的にこの数字というのはこういうことです。

 それから、繰り返しになりますが、これは有識者にお諮りをしながら不断の努力でよりよきものにしていくということは、今後ともさせていただくと先ほどお話をさせていただきましたけれども、その過程の中で取り扱いについて4ページでございますが、こういったことについては留意すべきであるということも、これは新たに追加をさせていただいている内容でございますので、まだまだ事務局の努力が足らないというお叱りも込めてのことだと思いますので、その点につきましては真摯に受けとめさせていただきたいと思っておりますけれども、調査票の見直しにつきましても、そういった対応もさせていただいておりますので、引き続きそのあたりにつきましては努力をさせていただきたいということで、御理解いただければと考えております。

○鈴木委員 この辺にいたしますけれども、言いわけを最後に書いておいたから、それで済まされるという問題ではありません。介護事業を経営されている方にとってはまさに死活問題になるわけですから、そんな簡単に済まされる問題ではないということを、ぜひしっかりと御認識いただきたいと思います。

「言いわけ」というのは、この部分のようです。

本調査は各々の介護サービスについての実態を明らかにし、各サービスの平均費用の額等を勘案して設定する介護報酬の改定のために実施するものである。一方で、実際の事業は法人単位で実施され、法人としての収支や経営の状況は必ずしもサービス毎の収支差率等とは一致しない。また、本調査による介護サービス毎の収支差率と、法人単位で把握した他産業の収支差率を単純に比較すべきではない。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000061287.pdf

で、次の記事に。