子どもの声と受忍限度

タイトルが適切がどうかは自信ありません。
前々から考えていないわけではありませんでしたが、記事立てを視野に入れたきっかけは、NHKのクローズアップ現代でした。

「子どもって迷惑? ~急増する保育園と住民のトラブル~」

(2014年10月29日(水)放送)

今、「子供の声がうるさい」と地域でトラブルが相次いでいる。神戸市や練馬区などでは、保育園を相手に訴訟を起こす事態にまで発展している。こうした事態に対し、子供を抱える施設では、外遊びを制限する保育所など本来の保育の質を落としたり、地域の中で孤立したりしている状態に陥っている。問題の背景として専門家が指摘するのは、「地域社会の人間関係の希薄化」と「少子高齢化による子供の異物化」。特に、少子化によって子供の声が少なくなっていたことに慣れていた地域では、子供の存在を排除する傾向が強いと指摘する専門家もいる。
(以下略)
http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/index_yotei_3573.html。

実は、この番組をすべてみていたわけではありません。裏番組の日本シリーズをメインに見ていたので(笑)

ですが、関連するような問題は、最近よく見るように思います。


子供の声は「騒音」か…脅迫、訴訟、保育所そばに「ドクロ」「般若」の看板まで

(産経ニュース 2014.10.18 12:00)
http://www.sankei.com/premium/news/141018/prm1410180003-n1.html

あるいは、ちょっと違いますが、こういう議論もあります。

電車でベビーカーは畳むべきという人に質問

YOMIURI ONLINE 発言小町 2013年7月9日 18:36~)
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2013/0709/604425.htm

そして、子どもが生まれる前からの問題としては、こちら。

同意なしの妊娠降格違法 マタハラ訴訟で最高裁初判断

(2014年10月24日 中日新聞朝刊)

 広島市の病院に勤務していた理学療法士の女性が妊娠後に降格されたのは男女雇用均等法に反するとして損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(桜井龍子(りゅうこ)裁判長)は二十三日、「妊娠がきっかけの降格は、自由意思に基づき女性が明確に同意した場合や、事業主側に特段の事情がある場合をのぞき、違法で無効」とする初判断を示した。

 その上で「原告は降格を渋々受け入れただけで明確な同意はなかった。事業主側に特段の事情があったかどうかの審理が尽くされていない」として、女性側敗訴とした二審判決を破棄し、審理を広島高裁に差し戻した。女性が勝訴する可能性が高まった。判決は五人の裁判官全員一致の意見。
(以下略)
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2014102402000057.html


今回は、それぞれのリンク先についてはコメントする余裕がありません。
また、詳細な状況がわからないので、(脅迫等は論外として)訴訟の当事者(子どもの声がうるさいという訴訟の原告や、被告の保育所側など)を批判するのが目的でもありません。

ただ、こういう問題は、国民の権利と受忍限度などを(裁判所や国会や地域社会など一般が)どう判断するか、ということ。
そう考えれば、子どもを産み育てる側に対して配慮する方向に、世の中がシフトしていくような気がしています。
たとえば、こういう予想。

2040年代、マイナス成長も…有識者会議試算

(読売新聞 2014年11月03日 03時00分)

 政府の経済財政諮問会議(議長・安倍首相)の有識者会議「選択する未来」委員会が、人口減少と超高齢化への対策をまとめた最終報告書の原案がわかった。

 現状のまま、出生率が回復せず、働く人の生産効率も高まらなければ、2040年代から日本経済がマイナス成長に陥ると試算し、人口減対策の必要性を提言している。
(以下略)
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20141102-OYT1T50105.html?from=ytop_ylist


私自身は、保育施設の比較的近所にも、もっとうるさい場所(鉄道車両が夜中に通過していくそば)にも住んだことがあり、たいていの環境では(昼寝を含めて)寝られる体質なのですが、こればっかりは感受性等に個人差がありますからねえ。

ただ、お子さんの声は将来の年金につながっている、という現金な考え方もできるので、
なるべくなら関係者が折り合って、円満な解決・・・とまでいかなくても、まあ仕方がないかなあ、という感じで許し合える世の中になっていけばなあ、と思います。

訴訟の行方には注目ですが。