学制の区切りは地方任せでよいのか?

教育再生実行会議 小中一貫校制度化など改革素案

(NHK 6月11日 18時59分)
政府の教育再生実行会議は11日の会合で、小中一貫教育学校を制度化し、小学校を6年、中学校を3年とする区切りを自治体の判断で弾力的に設定できるようにすることや、幼稚園や保育所などでの5歳児の教育を義務化することを検討するなどとした改革の素案を示しました。

政府の教育再生実行会議は、小学校から大学までを「6・3・3・4」の年数で区切る今の制度は、社会の変化や子どもの発達に合わなくなってきているとして、見直しに向けた議論を進めていて、11日の会合で改革の素案を示しました。
素案では、小学校から中学校に進学する際に新しい環境になじめず不登校になる「中1ギャップ」などの課題が指摘されていることから、子どもの発達に応じた教育ができるよう、小中一貫教育学校を制度化し、小学校を6年、中学校を3年とする区切りを自治体の判断で「4・3・2」や「5・4」などの年数に弾力的に設定できるようにするとしています。
そして、これに合わせて教員免許の制度も見直し、小学校と中学校、中学校と高校など、複数の学校で指導できる免許状を創設するなどの改革を行うとしています。
また、幼児教育の質の向上を図るため、財源を確保し、3歳から5歳児の幼児教育の無償化を段階的に進めるとともに、幼稚園や保育所などでの5歳児の教育を義務化することを検討するとしています。
(以下略)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140611/k10015150161000.html


今の政権が進めようとしている中には、ろくでもない政策があったりしますが、これもそのひとつ。

6・3・3(・4)制を見直す、というのは、議論としてはアリだと思います。

が、自治体判断で全国バラバラにする意味がどこにあるでしょうか?

別の地域に転校したら、卒業式や入学式を経験できなる子も出てきます。

4/1の満年齢67891011121314
現行どおりの自治小123456中123
4・3・2制の自治123412312
5・4制の自治123451234


現行どおりの制度の自治体で小学5年の夏休みに「4・3・2制」の学校に転校したとします。
その学校で2年間過ごし、3年制課程の3年の夏休みに「5・4制」の学校に転校したとします。
この子は、6歳での入学以来、卒業式も入学式も経験できないまま、卒業証書ももらえないまま、
15歳での初めての卒業式を迎えることとなります。


私は、たとえば高校生にもなった子どものために親が無理して入学式に出ることについては懐疑的ですが、
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/33078212.html

子ども本人にとってそれらの儀式が意味を持たないというつもりはありません。

本当に、財源はたいして手放さないまま、責任ばかり地方に押しつけるのが国の得意技になってきていますが・・・

自治体任せにせずに、子どもの発達上、どこを節目にするのが望ましいか、という観点で検討すべきです。


蛇足ですが、「5歳児教育の義務化」についていえば、いわゆる幼稚園がない地域というのは、意外にあるのですけどね。
この件については、また機会があれば、ということで。