老健(13) 経口維持加算

ト 経口維持加算
(1)経口維持加算(I) 28単位
(2)経口維持加算(II) 5単位

注1 別に厚生労働大臣が定める基準に適合する介護老人保健施設において、医師の指示に基づき、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる入所者ごとに入所者の摂食・嚥下機能に配慮した経口維持計画を作成している場合であって、当該計画に従い、医師の指示を受けた管理栄養士又は栄養士が、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理を行った場合には、次に掲げる区分に応じ、当該計画が作成された日から起算して180日以内の期間に限り、1日につきそれぞれ所定単位数を加算する。ただし、この場合において、経口移行加算を算定している場合は、算定しない。また、経口維持加算(I)を算定している場合は、経口維持加算(II)は、算定しない。
  イ 経口維持加算(I) 経口により食事を摂取する者であって、著しい摂食機能障害を有し造影撮影又は内視鏡検査により誤嚥が認められるものを対象としていること。
  ロ 経口維持加算(II) 経口により食事を摂取する者であって、摂食機能障害を有し誤嚥が認められるものを対象としていること。
 2 管理栄養士又は栄養士が行う経口維持計画に基づく経口による食事の摂取を進めるための特別な管理が当該計画が作成された日から起算して180日を超えた期間に行われた場合であっても、摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる入所者であって、医師の指示に基づき、継続して誤嚥防止のための食事の摂取を進めるための特別な管理が必要とされるものに対しては、引き続き当該加算を算定できるものとする。

H12告示25
三十 地域密着型介護福祉施設サービス、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス及び介護療養施設サービスにおける経口維持加算の基準
 イ 通所介護費等算定方法第十号、第十一号、第十二号及び第十三号に規定する基準のいずれにも該当しないこと。
 ロ 入所者又は入院患者の摂食若しくは嚥下機能が医師の判断により適切に評価されていること。
 ハ 誤嚥等が発生した場合の管理体制が整備されていること。
 ニ 食形態に係る配慮など誤嚥防止のための適切な配慮がされていること。
 ホ ロからニまでについて医師、管理栄養士、看護職員、介護支援専門員その他の職種の者が共同して実施するための体制が整備されていること。

H12老企40
(20)経口維持加算
 5の(22)を準用する。

(22)経口維持加算
 ① 経口維持加算のうち、著しい摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる者に係るものについて
  イ 経口維持加算のうち、経管栄養は行われていないが、著しい摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる者(経口維持加算(I))及び摂食機能障害を有し誤嚥が認められる者(経口維持加算(II))に係るものについては、次に掲げるaからdまでの通り、実施するものとすること。
   a 経口維持加算(I)については、現に経口により食事を摂取している者であって、著しい摂食機能障害を有し、造影撮影(医科診療報酬点数表中「造影剤使用撮影」をいう。以下同じ。)又は内視鏡検査(医科診療報酬点数表中「喉頭ファイバースコピー」をいう。以下同じ。)により誤嚥が認められる(喉頭侵入が認められる場合を含む。)ことから、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理が必要であるものとして、医師の指示を受けたものを対象とすること。
     経口維持加算(II)については、現に経口により食事を摂取している者であって、摂食機能障害を有し、水飲みテスト(「氷砕片飲み込み検査」、「食物テスト(food test)」、「改訂水飲みテスト」などを含む。以下同じ。)、頸部聴診法等により誤嚥が認められることから、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理が必要であるものとして、医師の指示を受けたものを対象とすること。
   b 医師、歯科医師、管理栄養士、看護職員、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理の方法等を示した経口維持計画を作成すること(ただし、栄養マネジメント加算を算定している入所者にあっては、栄養ケア計画と一体のものとして作成すること。)。また、当該計画については、栄養管理の対象となる入所者又はその家族に説明し、その同意を得ること。なお、介護福祉施設サービスにおいては、経口維持計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって経口維持計画の作成に代えることができるものとすること。
   c 当該経口維持計画に基づき、栄養管理を実施すること。「特別な栄養管理」とは、入所者の誤嚥を防止しつつ、継続して経口による食事の摂取を進めるための食物形態、摂食方法等における適切な配慮のことをいう。経口維持加算(I)及び経口維持加算(II)の算定期間は、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な栄養管理により、当該入所者に誤嚥が認められなくなったと医師が判断した日までの期間とするが、その期間は入所者又はその家族の同意を得られた日から起算して一八〇日以内の期間に限るものとし、それを超えた場合においては、原則として当該加算は算定しないこと。
   d 入所者又はその家族の同意を得られた日から起算して一八〇日を超えた場合でも、引き続き、
   (a)経口維持加算(I)の対象者については、造影撮影又は内視鏡検査により、引き続き、誤嚥が認められ(喉頭侵入が認められる場合を含む。)、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な栄養管理が必要であるものとして医師の指示がなされ、また、当該特別な栄養管理を継続することについての入所者の同意が得られた場合
   (b)経口維持加算(II)の対象者にあっては、水飲みテスト、頸部聴診法等により引き続き、誤嚥が認められ、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理が必要であるものとして、医師の指示がなされ、また、当該特別な栄養管理を継続することについての入所者の同意が得られた場合にあっては、引き続き当該加算を算定できるものとすること。
     ただし、(a)又は(b)における医師の指示は、概ね二週間毎に受けるものとすること。
  ロ 「管理体制」とは、食事の中止、十分な排痰、医師への報告等が迅速に行われる体制とすること。

Q&A2
(問6)経口維持加算について、ビデオレントゲン撮影や内視鏡検査を行った場合、費用は利用者の負担となると考えてよろしいか。
(答)
 造影撮影(造影剤使用撮影)の場合、老人性認知症疾患療養病床以外の介護保険施設に入所している者については、当該検査を実施した医療機関がその費用を医療保険で算定可能である。
 また、内視鏡検査(喉頭ファイバースコピー)の場合、指定介護老人福祉施設及び介護老人保健施設入所者については、医療保険で算定可能である。
 なお、歯科医療については、医学管理等を除いて、医科の場合のような往診、通院についての施設療養と保険診療の調整の措置は採られていないこと。

(問7)経口維持加算について、著しい摂食・嚥下機能障害を有し、誤嚥が認められるものについて、特別な管理が行われた場合には算定できるとのことだが、日数の制限等はないのか。また、どうなると算定できなくなるのか。
(答)
1.著しい摂食機能障害を有する者の算定期間については、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な栄養管理により、当該入所者が必要な栄養は摂取されており、かつ、概ね1週間以上にわたり著しい摂食機能障害による誤嚥が認められないと医師が判断した日までの期間とするが、入所者又はその家族の同意を得た日から起算して180日以内の期間に限ることとしている。
2.誤嚥を防止するための特別な栄養管理が、入所者又はその家族の同意を得た日から起算して180日を超えた場合でも、造影撮影(造影剤使用撮影)又は内視鏡検査(喉頭ファイバースコピー)を再度実施した上で、医師が特別な栄養管理を引き続き必要と判断し、かつ、引き続き当該栄養管理を実施することについて利用者又はその家族の同意を得た場合にあっては、当該加算を算定できることとする。ただし、この場合において、医師の指示は概ね1月間毎に受けるものとする。

(問8)経口維持加算(I)の嚥下機能評価について、造影撮影や内視鏡検査以外での評価(水飲みテストなど)で嚥下機能評価している場合でも可能か。
(答)
 御指摘のような場合には算定できない。

(問9)経口維持加算(I)の算定にあたってのビデオレントゲン検査や内視鏡検査は、当該施設で機器がないため出来ない場合、利用者が医療機関を受診し、その個人負担分は利用者が負担することになるのか。
(答)
 保険医療機関において利用者が受診することになり、医療保険の自己負担分については、利用者負担となる。なお、施設ごとの医療保険の適用の可否については、「問5」を参照されたい。また、併設保険医療機関における保険請求に当たっては、「医療保険介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険介護保険の相互に関連する事項等について」(平成12年保険発第55号・老企発第56号・老健発第80号)を参照されたい。