特養(19) 看取り介護加算

ヌ 看取り介護加算

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出た指定介護老人福祉施設において、別に厚生労働大臣が定める基準に適合する入所者について看取り介護を行った場合にあっては、死亡日以前4日以上30日以下については1日につき80単位を、死亡日の前日及び前々日については1日につき680単位を、死亡日については1日につき1,280単位を死亡月に加算する。ただし、退所した日の翌日から死亡日までの間は、算定しない。

H12告示26
四十四 指定介護福祉施設サービスにおける看取り介護加算に係る施設基準
第三十六号の規定を準用する。

三十六 指定地域密着型介護福祉施設サービスにおける看取り介護加算に係る施設基準
 イ 常勤の看護師を一名以上配置し、当該指定地域密着型介護老人福祉施設の看護職員により、又は病院、診療所若しくは訪問看護ステーションの看護職員との連携により、二十四時間の連絡体制を確保していること。
 ロ 看取りに関する指針を定め、入所の際に、入所者又はその家族等に対して、当該指針の内容を説明し、同意を得ていること。
 ハ 看取りに関する職員研修を行っていること。
ニ 看取りを行う際に個室又は静養室の利用が可能となるよう配慮を行うこと。

H12告示23
三十九 指定施設サービス等介護給付費単位数表の介護福祉施設サービスのヌの注の厚生労働大臣が定める基準に適合する入所者
 第三十二号に規定する入所者

三十二 指定地域密着型サービス介護給付費単位数表の地域密着型介護福祉施設サービスのヲの注の厚生労働大臣が定める基準に適合する入所者
 次のイからハまでのいずれにも適合している入所者
 イ 医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者であること。
 ロ 入所者又はその家族等の同意を得て、入所者の介護に係る計画が作成されていること。
 ハ 医師、看護師、介護職員等が共同して、入所者の状態又は家族の求め等に応じ随時、本人又はその家族への説明を行い、同意を得て介護が行われていること。

H12老企40
(25)看取り介護加算
 ① 看取り介護加算は、医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した入所者について、本人及び家族とともに、医師、看護職員、介護職員等が共同して、随時本人又はその家族に対して十分な説明を行い、合意をしながら、その人らしさを尊重した看取りができるよう支援することを主眼として設けたものである。
 ② 「二四時間の連絡体制」については、(9)④を準用する。
(9)④ 「二四時間の連絡体制」とは、施設内で勤務することを要するものではなく、夜間においても施設から連絡でき、必要な場合には施設からの緊急の呼出に応じて出勤する体制をいうものである。具体的には、
   イ 管理者を中心として、介護職員及び看護職員による協議の上、夜間における連絡・対応体制(オンコール体制)に関する取り決め(指針やマニュアル等)の整備がなされていること。
   ロ 管理者を中心として、介護職員及び看護職員による協議の上、看護職員不在時の介護職員による入所者の観察項目の標準化(どのようなことが観察されれば看護職員に連絡するか)がなされていること。
   ハ 施設内研修等を通じ、看護・介護職員に対して、イ及びロの内容が周知されていること。
   ニ 施設の看護職員とオンコール対応の看護職員が異なる場合には、電話やFAX等により入所者の状態に関する引継を行うとともに、オンコール体制終了時にも同様の引継を行うこと。
といった体制を整備することを想定している。
 ③ 管理者を中心として、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等による協議の上、「看取りに関する指針」が定められていることが必要であり、同指針に盛り込むべき項目としては、例えば、当該施設の看取りに関する考え方、終末期の経過(時期、プロセス毎)の考え方、施設において看取りに際して行いうる医療行為の選択肢、医師や医療機関との連携体制、本人及び家族との話し合いや同意、意思確認の方法、職員の具体的対応等が考えられる。
 ④ 看取り介護加算は、二十三号告示第三十九号に定める基準に適合する看取り介護を受けた入所者が死亡した場合に、死亡日を含めて三〇日を上限として、施設において行った看取り介護を評価するものである。
   死亡前に在宅へ戻ったり、医療機関へ入院したりした後、在宅や入院先で死亡した場合でも算定可能であるが、その際には、施設において看取り介護を直接行っていない退所した日の翌日から死亡日までの間は、算定することができない。(したがって、退所した日の翌日から死亡日までの期間が三〇日以上あった場合には、看取り介護加算を算定することはできない。)
 ⑤ 施設を退所等した月と死亡した月が異なる場合でも算定可能であるが、看取り介護加算は死亡月にまとめて算定することから、入所者側にとっては、施設に入所していない月についても自己負担を請求されることになるため、入所者が退所等する際、退所等の翌月に亡くなった場合に、前月分の看取り介護加算に係る一部負担の請求を行う場合があることを説明し、文書にて同意を得ておくことが必要である。
 ⑥ 施設は、施設退所等の後も、継続して入所者の家族指導や医療機関に対する情報提供等を行うことが必要であり、入所者の家族、入院先の医療機関等との継続的な関わりの中で、入所者の死亡を確認することが可能である。
   なお、情報の共有を円滑に行う観点から、施設が入院する医療機関等に入所者の状態を尋ねたときに、当該医療機関等が施設に対して本人の状態を伝えることについて、施設退所等の際、本人又は家族に対して説明をし、文書にて同意を得ておくことが必要である。
 ⑦ 入所者が入退院をし、又は外泊した場合であって、当該入院又は外泊期間が死亡日以前三〇日の範囲内であれば、当該入院又は外泊期間を除いた期間について、看取り介護加算の算定が可能である。
 ⑧ 入院若しくは外泊又は退所の当日について看取り介護加算を算定できるかどうかは、当該日に所定単位数を算定するかどうかによる。
 ⑨ 本人又はその家族に対する随時の説明に係る同意については、口頭で同意を得た場合は、介護記録にその説明日時、内容等を記載するとともに、同意を得た旨を記載しておくことが必要である。
   また、本人が十分に判断をできる状態になく、かつ、家族に連絡しても来てもらえないような場合も、医師、看護職員、介護職員等が入所者の状態等に応じて随時、入所者に対する看取り介護について相談し、共同して看取り介護を行っていると認められる場合には、看取り介護加算の算定は可能である。
   この場合には、適切な看取り介護が行われていることが担保されるよう、介護記録に職員間の相談日時、内容等を記載するとともに、本人の状態や、家族と連絡を取ったにもかかわらず来てもらえなかった旨を記載しておくことが必要である。
   なお、家族が入所者の看取りについてともに考えることは極めて重要であり、施設としては、一度連絡を取って来てくれなかったとしても、定期的に連絡を取り続け、可能な限り家族の意思を確認しながら介護を進めていくことが重要である。
 ⑩ 多床室を有する施設にあっては、看取りを行う際には個室又は静養室の利用により、プライバシー及び家族への配慮の確保が可能となるようにすることが必要である。

Q&A2
(問34)平成21年3月中に入所者から同意を取り、看取り介護を実施していたが、4月に入ってから入所者が亡くなった場合の加算の算定方法はどのようにするのか。
(答)
  当該加算は死亡月にまとめて算定するものであるところ、4月以降に死亡した入所者については、3月中の入所期間を含め、死亡日から遡って30日間について、報酬改定後の単位数に基づき計算することとする。このため、4月半ばに施設内又は居宅において死亡した場合、3月中の入所期間について160単位の算定はできず、死亡日につき1280単位、死亡日前日及び前々日につき680単位、残る27日分については3月中の入所期間も含め80単位を算定することとなる。
  また、例えば4月1日に施設内において死亡した場合は、死亡日の前日及び前々日は3月中(3月31日及び30日)になるものの、この場合も両日について680単位を算定することは可能であるものとする。すなわち、4月1日について1280単位、3月31日及び3月30日について680単位を算定し、残る27日分につき80単位を算定することとなる。