「ノルマが達成できなかったときには給料を減額する」というのは可能なのでしょうか?
ということで、賃金などの労働条件は明示しておかなければなりません。
ただし、
さて、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、一定のノルマを課せられている場合です。
たとえば、
たとえば、
A:ケアプランに併設サービス(または同一法人のサービス)の利用を位置付けなければならない
とか、B:○件以上のケアプランを獲得すべく「営業」しなければならない
のような場合です。利用者の意思に反してAを強要することは、居宅介護支援事業の基準省令その他の法令に抵触することが明白なので、明らかに無効です。
Bについてはどうでしょうか?
経営の論理からすれば、一見、問題ないようにも見えますが・・・
Bについてはどうでしょうか?
経営の論理からすれば、一見、問題ないようにも見えますが・・・
(賠償予定の禁止)
第16条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
第16条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
この解釈は難しいところですが、少なくとも、介護支援専門員が努力したとしても達成できるとは限らない事項(利用者の入院や要支援への軽度化などもあり得る)について、ペナルティ的な契約をするのは問題があると私は思います。
このあたりは、歩合給などの場合とは考え方が異なるのではないでしょうか。
このあたりは、歩合給などの場合とは考え方が異なるのではないでしょうか。
ちなみに、歩合給であっても、「ノルマが達成できなかったら賃金を払わなくてもよい」ということではありません。
また、上記のBの考え方が有効と仮定したとしても、ペナルティには限度があります。
(制裁規定の制限)
第91条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。
第91条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。
たとえば、月給20万円なら、日額にして約6,600円ですから、1回のペナルティとしては約3,300円までしか認められませんし、その合計が月額で2万円を超える減額は違法ということになります。
そもそも、この減給は遅刻常習者など就業規則違反についてのペナルティを想定したものと思われ、契約件数未達成などを理由とした減給については、やはり違法性の疑いがぬぐえません。