改正皇室典範「理解得られぬ」6割

改正皇室典範「国民の理解得られぬ」60% 内閣支持率53%に下落
朝日新聞 7/19(日) 21:50配信

 朝日新聞社は7月18、19の両日、全国世論調査(電話)を実施した。皇族数の確保に向けた改正皇室典範が成立したことを受け、この法改正が国民の理解を得られていると思うか聞いた。「得られている」は24%で、「得られていない」の60%が上回った。

 高市早苗内閣の支持率は53%で、6月調査の60%から下落した。昨年10月の内閣発足後、60%台を維持してきたが、初めて50%台になった。不支持率は35%で、6月の27%から上昇した。

■無党派層、内閣不支持率が支持率上回る

 自民支持層(32%)の内閣支持率は87%で、9割前後を保っている。一方、無党派層(45%)の内閣支持率は36%で、不支持率の42%が上回った。不支持率が支持率を逆転したのは初めて。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9add5a8e1f7a4ba513be109c3f684ad4a5023864


内閣支持率の低下には複数の要因がありそうですが、皇室典範の今回の改正案について「理解得らていない」が60%に達したというのは、頷けるところはあります。
(一応、公平性をなるべく確保するために書いておくと、女性天皇、女系天皇を否定する方向であることや、旧宮家の男系子孫の養子案への反発だけでなく、日本保守党の主張のように、女性皇族が結婚後も皇族身分として残る、ということについて反発する人も、数は少ないながら存在はしているのだろうと思います。)


でも、「国民の総意に基く」(憲法1条)ように改正するというのは、難しいことだろうとは思います。


ところで、その次の憲法2条には、
「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。」
とあります。

大日本帝国憲法では、「皇男子孫之ヲ継承ス」(2条)とありますが、明治維新より前は、こういうルールはありませんでした(女帝が存在しましたし)。
「世襲」という点については、少なくとも皇位継承が軌道に乗ってからは、揺らぐことがなかったと思いますが、「世襲」の詳細な形態については、その時代時代の慣習というか考え方のようなものの影響があったのではないかと思います。

たとえば、継体天皇の前後。

 

 

武烈天皇以前については伝承によるところが多いような考え方もありますが、一応、継体天皇は応神天皇の男系子孫であるという考え方に沿ってまとめた図です。

継体天皇は、即位前、おそらく越前あたりを中心に勢力を張っていた頃からの妻(たぶん複数の妃)があって、息子もいました。

ですが、皇位の継承にあたって、従前の天皇の血筋にある手白香皇女を皇后とし、既存の豪族など有力者からの支援を受けやすくしたと考えられます。

皇位は、おそらく先に成長していたはずの安閑天皇や宣化天皇が先に継ぎましたが、その次に皇后(手白香皇女)との間に生まれた欽明天皇が即位しました。
その代わり、というべきか、欽明天皇から見れば異母兄にあたる宣化天皇の子・石姫皇女を皇后に迎えました。
もちろん、というべきか、他にも妃があり、図の堅塩媛、小姉君は、いずれも蘇我氏出身です。

それは当時の状況として、まあいいのですが、近親婚がけっこう目につきますね。
欽明天皇から見た石姫皇女は姪(異母兄の娘)ですし、敏達天皇から見た推古天皇(敏達天皇の後妻というか皇后)は異母妹です。

同母きょうだいは結婚不可だが異母きょうだいならOK、という文化は意外にあり(というか、過去にあって)、フィクションである『本好きの下克上』の貴族社会でも普通に出てきます。

平安時代の藤原道長の娘たちも、三親等ぐらいの相手(天皇家)との結婚は普通にしています。

時代が下ると、さすがになくなっていきましたが。

もっとも、男系継承だけは、結果として皇位については「たまたま」明治まで続いていきました。
(明治からは「たまたま」ではなく、法文化したのは前述のとおり。)


結局、皇室というか天皇家で本来のルールとしてあったのは、「皇位は世襲」ということだけだったのではないか、と私は考えています。
それ以外のことは、その時代時代の社会通念というか、パソコンにおけるOS(オペレーションシステム)のようなもの(文化、慣習)で運用されていた。

だから、近親婚でも異母関係ならOKで運用されていた時代もあったし、そうでない時代もあった。
たまたま男系継承で続いていったけれど、母系社会(アジア太平洋地域でもあっただろう)なら違う形態もあり得た。

そして、大きかったのは、天皇、皇族男子といえども、複数の妻を持てなくなったこと。これで、男系男子限定の継承は、メチャクチャ難度が上がった(だから、「皇族男子は複数の妻が持てる」という法改正を、保守強硬派などが提案したとしても不思議ではありませんが・・・私の賛否は別にして)。

 

今、日本の一般国民は、財産や祭祀などを相続するにあたって、直系の娘と、遠縁の男系男子(民法上で定義されている六親等よりも遠い縁者)がいたとしたら、まず間違いなく、直系の娘が相続することになるでしょう。
政治家の地盤でも何でも。

それは、今の時代のOSがそうなっているから。

そういう時代で、秋篠宮家の悠仁親王まではともかく、その先(男子の相続人が生まれなかったような場合)に室町時代に分かれた超遠縁から養子を迎える、という案が、少なくとも国民の大多数の支持を集める、というのは、やはり簡単には行かないでしょうね。