日本の測定器で不正を見抜いた

世界揺るがしたVW排ガス不正、見抜いたのは堀場製作所の小型測定器

Bloomberg 2015/10/2 06:00)

ブルームバーグ):世界を揺るがした独フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼルエンジンの排ガス規制逃れで不正を見つける過程で使われた機材は、京都市に本社がある計測器メーカー、堀場製作所のポータブル測定器だった。

米当局がVWによる排ガス不正を発表したのは日本時間19日未明のことだった。堀場の自動車計測事業戦略室の中村博司室長(42)のもとに、ほどなく米ミシガン州拠点のスタッフから一報を告げる電話連絡が入った。調査を担当したウェストバージニア大学やカリフォルニア大気資源局は堀場の顧客であり、世間が大型連休に入る時期にかかわらず、中村氏は情報収集に追われた。

世界最大級の自動車メーカーの排ガス検査不正という前代未聞の事態を受けて、約2週間でVW株は3割以上も下落、時価総額で3兆円超が吹き飛んだ。環境汚染を防ぐ排ガス規制への信頼が根本から揺らぎ、各国が規制強化や検査体制見直しを検討し始めるなど、世界の自動車業界と各国政府を巻き込む騒動となった。堀場の製品はその引き金を引いた形だ。

ウェストバージニア大の研究者は取材に対し、最初に異常な排出値が出た路上走行での測定で堀場製ポータブル測定器を使用していたと確認している。屋内設備で行われる新車の型式認証時の排出値とのかい離が大きかったことがきっかけで発覚につながったが、路上走行試験は車載可能な小型のポータブル測定器でないと実施できない。

堀場の中村氏はVWの不正について事前に知らず、驚くばかりだったという。各国の今後の規制動向が予測できないことや自動車部門の売上高では大型の据え置きタイプが圧倒的に多いことから、「今回の件で全体のパイの中ですごくインパクトあるかというと、そこはあまりない」と話し、短期的な業績への効果は限られるのではないかとの見方を示した。

一方、堀場の株価を見ると、問題発覚後は大幅に上昇している。各国の規制強化の流れが長期的に、堀場の主力である自動車計測事業への追い風になるのではないかという市場の期待を示している。堀場株はシルバーウィーク明けの24日から6営業日で7%近く上昇している。
(以下略)
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151002-00000011-bloom_st-nb&p=1


他人の不幸(VWは自業自得としても世界中のユーザーやその周辺の人々)を喜ぶ、というわけではないのですが、でも堀場製作所はすごいなあ、と思いました。

なかなかニュースの表には出てきませんが、たしかにこういう機材がなかったら不正はまだ発覚していなかった可能性があります。

ちなみに、上の(以下略)以降の記事によると、
1日の勤務時間を少しづつ延長して休める日を増やして「週休3日制」を一部導入するなど独特な社風を持つ。
とのこと。

それはそれとして、フォルクスワーゲン、個人的にはけっこう好きだったんだけどなあ・・・持ってないけど。。