障害パブコメ(4) 居宅介護

3.居宅介護に係る報酬改定について


○居宅介護の家事援助について、同居家族がいる場合の制限があるが、高齢化した家族等も多いことからこの制限は撤廃すべき。
→ 居宅介護の家事援助については、平成18年10月31日に発出した通知において、家族等の障害、疾病のほか、障害、疾病がない場合であっても、同様のやむを得ない事情により、家事が困難な場合にも家事援助を利用できることとしており、同居家族がいることだけをもってサービスの利用を制限してはおりません。

この件について私が送った意見は次のとおりです。

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 居宅介護の家事援助には同居家族がある場合の制限規定があります。今回の改定分には直接関係がありませんが、私の記憶では一度も国民の意見が聴かれていない事項なので、あえて書きます。
 障害者の同居家族は、高齢化した親世代であることが多く、また、障害者の自立を支援する法の趣旨を考えると、この制限は削除を検討すべきです。介護保険訪問介護)の生活援助の取扱いに合わせる必要はありません。
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回答は、だいたい予測の範囲内ですが・・・
私の記憶では、支援費時代には、同居家族がある場合の制限規定はなかったはずです。
自立支援法施行時にそれを入れた際、パブリックコメント等で国民の意見を聴いていない、という指摘(嫌味?)が1点。
もうひとつは、同居家族の存在を理由にして何かとサービス制限に走る自治体もあるので、それに対する牽制です。

○居宅介護事業所に配置されているサービス提供責任者が移動支援事業に従事していても、専従要件には抵触しないことを通知に明記して欲しい。
→ 居宅介護等におけるサービス提供責任者の専従要件については、サービス提供時間帯を通じて居宅介護等以外の職務に従事しないことをいうものであることから、当該サービス提供責任者が居宅介護事業のサービス提供時間内に移動支援事業に従事することは、専従要件に抵触します。

この件について私が送った意見は次のとおりです。

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 平成20年12月16日の社会保障審議会・障害者部会報告で、「重度の視覚障害者の同行支援について自立支援給付とするなど、自立支援給付の対象を拡大することを検討すべき」と提言されています。もともとガイドヘルプは居宅介護(ホームヘルプサービス)の中に含まれていました。地域生活支援事業ではなく、財源について国が責任を持つ自立支援給付(個別給付)の中に位置付けるべきです。また、自治体によっては、「居宅介護等と移動支援とは全く別の事業」という見解で、「居宅介護等のサービス提供責任者が移動支援に従事する場合には専従要件に抵触する」としているという情報もあります。
 現時点での個別給付化が困難なら、居宅介護等と移動支援とは本来一体となって行うことが適当なサービスであり、「居宅介護等のサービス提供責任者が移動支援に従事していても専従要件には抵触しない」ことを通知等に明記すべきです。
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補助金(措置)時代から支援費制度(移動介護)を通じて、ガイドヘルプは居宅介護のカテゴリーに入っていました。
自立支援法施行時もそうでした(外出介護)。
平成18年10月から地域生活支援事業に移行しましたが、ガイドヘルプというものの本質的な性格が変わったわけではありません。
それなのに、もともと専従要件に抵触しなかった「兼務」(より厳密には兼務ですらなかった)が、途中から抵触するようになるのはおかしい、というのが私の主張です。

○居宅介護の家事援助の報酬単価を介護保険の生活援助と同水準の単価設定にしていただきたい。
→ 介護保険の生活援助については、調理、掃除等の支援を短時間に集中して行うことを評価しています。一方、居宅介護の家事援助については、介護保険とは異なり、調理、掃除等の支援に加えて、身体障害者のみならず知的又は精神障害者の障害特性に応じたサービス利用も可能となるよう、サービス利用時間に応じた単価設定をしています。両者は異なる報酬設定の考え方をとっていることから、単純に単価を同水準にすることはできません。