訪問介護費(1) 基本単位

1 訪問介護

イ 身体介護が中心である場合
(1)所要時間30分未満の場合 254単位
(2)所要時間30分以上1時間未満の場合 402単位
(3)所要時間1時間以上の場合 584単位に所要時間から計算して所要時間30分を増すごとに83単位を加算した単位数

ロ 生活援助が中心である場合
(1)所要時間30分以上1時間未満の場合 229単位
(2)所要時間1時間以上の場合 291単位

ハ 通院等のための乗車又は降車の介助が中心である場合 100単位

注1 利用者に対して、指定訪問介護事業所(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号。以下「指定居宅サービス基準」という。)第5条第1項に規定する指定訪問介護事業所をいう。以下同じ。)の訪問介護員等が、指定訪問介護(指定居宅サービス基準第4条に規定する指定訪問介護をいう。以下同じ。)を行った場合に、現に要した時間ではなく、訪問介護計画(指定居宅サービス基準第24条第1項に規定する訪問介護計画をいう。以下同じ。)に位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間で所定単位数を算定する。

【H12老企36】

(4)訪問介護の所要時間
 [1] 訪問介護の所要時間については、訪問介護計画においては、同計画に位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間を明示することとしていることから、実際に行われた指定訪問介護の時間ではなく、同計画に明示された時間とすること。
 [2] 所要時間三〇分未満の身体介護中心型を算定する場合の所要時間については、二〇分以上とする。ただし、夜間、深夜及び早朝の時間帯に提供する指定訪問介護にあってはこの限りでない。
 [3] 訪問介護は在宅の要介護者の生活パターンに合わせて提供されるべきであることから、単に一回の長時間の訪問介護を複数回に区分して行うことは適切ではない。したがって、前回提供した指定訪問介護から概ね二時間未満の間隔で指定訪問介護が行われた場合には、それぞれの所要時間を合算するものとする。なお、この取扱いについては、所要時間が訪問介護費の算定要件を満たす指定訪問介護に限り適用されるものとする。
 [4] 所要時間が訪問介護費の算定要件を満たさない指定訪問介護(身体介護中心型の所要時間が二〇分未満([2]のただし書に該当する場合を除く。)又は生活援助中心型の所要時間が三〇分未満の場合)については、訪問介護費の算定対象とならないが、こうした所定時間数未満の訪問介護であっても、複数回にわたる訪問介護を一連のサービス行為とみなすことが可能な場合に限り、それぞれの訪問介護の所要時間を合計して一回の訪問介護として算定できる。例えば、午前に訪問介護員等が診察券を窓口に提出し(所要時間三〇分未満)、昼に通院介助を行い、午後に薬を受け取りに行く(所要時間三〇分未満)とした場合には、それぞれの所要時間は三〇分未満であるため、それぞれを生活援助(所要時間三〇分以上一時間未満)として算定できないが、一連のサービス行為(通院介助)とみなして所要時間を合計し、一回の訪問介護(身体介護中心型に引き続き生活援助を行う場合)として算定できる。
 [5] 訪問介護計画に位置付けられた訪問介護の内容が、単なる本人の安否確認や健康チェックであり、それに伴い若干の身体介護又は生活援助を行う場合には、[2]のただし書及び[4]の規定にかかわらず、訪問介護費は算定できないものとする。
 [6] 一人の利用者に対して複数の訪問介護員等が交代して訪問介護を行った場合も、一回の訪問介護としてその合計の所要時間に応じた所定単位数を算定する。訪問介護員等ごとに複数回の訪問介護として算定することはできない。

【Q&A1】

(問20)計画上の所要時間と訪問介護を実際に提供した時間が異なっても、訪問介護計画に明記された所要時間により所定単位数を算定するのか。
(答)
 訪問介護の所要時間については、従前より「訪問介護計画に位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間」としているところである。また、運営基準第24条において、訪問介護計画には、提供するサービスの具体的内容、所要時間及び日程等を明らかにすることとされている。
 したがって、訪問介護を実際に提供した時間が、訪問介護計画に明記された所要時間を超えた又は下回った場合であっても、訪問介護計画に位置づけられた内容の指定訪問介護を適切に行った場合、訪問介護計画に明記された所要時間により、所定単位数を算定することとなる。
 なお、訪問介護計画については、事前にサービス提供責任者がその内容について利用者又はその家族に対して説明し、同意を得ること。
 また、訪問介護計画に明記された所要時間と訪問介護を実際に提供した時間が著しく又は恒常的に乖離する場合等は、再度、利用者に十分な説明を行うとともに、介護支援専門員と調整の上、必要に応じ訪問介護計画の見直しを図ること。

(問21)訪問介護計画に位置づけられる具体的なサービス内容とは何を指すか。
(答)
 訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について(平成12年3月17日老計第10号)を参照されたい。
 なお、同通知の別紙1の1-0(サービス準備・記録等)及び2-0(サービス準備等)の時間は、所要時間に含まれるものである。

(問22)利用者の当日の状況が変化した場合であっても、所要時間の変更は、計画に位置づけられた時間であるため、変更はできないのか。
(答)
 例えば、訪問介護計画上、全身浴を位置づけていたが、当日の利用者の状態変化により、清拭を提供した場合や訪問介護計画上、全身浴を位置づけていたが、全身浴に加えて排泄介助を行った場合等において、介護支援専門員とサービス提供責任者が連携を図り、介護支援専門員が必要と認める(事後に介護支援専門員が必要であったと判断した場合を含む。)範囲において、所要時間の変更は可能である。なお、この場合、訪問介護計画及び居宅サービス計画は、必要な変更を行うこと。

(問23)身体介護について、「特別な事情により複数の利用者に対して行う場合は、1回の身体介護の所要時間を1回の利用者の人数で除した結果の利用者1人当たりの所要時間が(4)にいう要件を満たすこと。」とあるが、この場合も、平成12年老企第36号通知第二2(4)[2]のただし書に規定された「夜間、深夜、早朝の時間帯に提供する指定訪問介護についてはこの限りでない。」の適用はあるか。
(答)
 (4)[2]のただし書は、通常の1対1のサービス提供時に適用されるものであり、1人の訪問介護員等が複数の利用者に対し同時にサービス提供を行う場合は、(4)[2]のただし書は適用されない。
 したがって、問のケースにおいて、全体の所要時間を1回の利用者の人数で除した結果が20分未満となる場合は、夜間、深夜、早朝の時間帯に提供した場合であっても、訪問介護費の算定はできない。なお、具体的な内容については、介護報酬にかかるQ&A(平成15年4月版)(Vol.1)Q1を参照されたい。

(問24)「概ね2時間未満の間隔で指定訪問介護が行われた場合には、それぞれの所要時間を合算する」とあるが、概ね2時間未満の間隔とは、いつの時点からいつの時点までを指すのか。
(答)
 居宅サービス計画上のサービスの終了時から次のサービスの開始時をいうものとする。
 また、当該規定は「通院等のための乗車又は降車の介助」の単位を算定する場合には適用されない。