被災障害者等への対応について

事務連絡
平成28年4月14日
熊本県熊本市障害保健福祉主管部(局)御中

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課

災害により被災した要援護障害者等への対応について

 標記について、貴管内の市町村において、平成28年4月14日に発生した熊本県熊本地方の地震による被害に対し、災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用されたところです。ついては、別添の事務連絡の内容について改めて御了知いただくとともに、管内市町村に対して周知を行う等、特段の配慮をお願いします。



事務連絡
平成27年1月15日
  都道府県
各 指定都市 障害保健福祉主管部(局)御中
  中核市

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 企画課/障害福祉課/精神・障害保健課

災害により被災した要援護障害者等への対応について

 標記について、災害により被災した世帯の要援護障害者については、適切に御対応いただいているところですが、下記内容について改めて御了知いただくとともに、災害の発生により貴管内の市区町村が災害救助法(昭和22年法律第118号)の適用を受けた場合等にあっては、同内容について管内市区町村に対して周知を行う等、特段の配慮をお願いします。


1.状況・実態の把握と対応について
 災害により被災した市区町村においては、避難所での避難生活が必要となった要援護障害者、避難所に避難していない要援護障害者に対して、その状況や実態の把握に努めていただくとともに、避難対策及び障害福祉サービス等の円滑な提供について、柔軟な対応をお願いします。

2.障害者支援施設等における要援護障害者等及び避難者の受入れ

(1)障害者支援施設等においては、空きスペースの活用を図るとともに、日常のサービス提供に著しい支障が生じない範囲で、定員を超過して要援護障害者等を受け入れて差し支えありません。
 また、障害者支援施設等については、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第172号)等により災害等による定員超過が認められているところですが、その際の介護給付費については、利用定員を超過した場合でも、特例的に所要単位数の減算は行わないこととしており、この場合において、職員の配置基準にかかわらず所定の介護給付費の対象とします。
 なお、障害者支援施設等において、一般の避難者を受け入れる場合も、できる限り要援護障害者等の処遇に支障が生ずることのないよう御留意下さい。

(2)なお、避難先施設は、職員配置、設備等について、できる限り避難者及び避難先施設の入所者の支援に支障を来さないよう御留意下さい。
 特に、やむを得ない事情により避難が長期化する場合、又は避難先施設が被災施設と種別が異なっており、かつ、指定基準を満たすことができない場合は、避難者及び避難先施設の入所者への適切な支援の確保を図るという観点から、避難者本人の意向等を勘案し、被災施設と同種別の他施設への再避難や地域生活への移行等を進めるよう配慮をお願いします。

3.障害福祉サービス(施設入所支援を除く。)の利用者に係る取扱い

(1)居宅介護及び重度訪問介護については、避難所等の避難先を居宅とみなしてサービス提供して差し支えありません。
 また、屋外の移動が困難な障害者に対する移動支援についても同様に避難所を居宅とみなすなど、被災地における地域生活支援事業の実施に当たっては、当該市区町村の判断で柔軟なサービス提供をお願いします。

(2)生活介護等日中活動サービス又は宿泊型自立訓練若しくは共同生活援助については、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)等により災害等による定員超過が認められているところですが、その際の介護給付費等については、利用定員を超過した場合でも、特例的に所要単位数の減算は行わないこととしており、この場合において、職員の配置基準にかかわらず所定の介護給付費等の対象とします。
 また、利用者の利便性を考慮し、開所日・開所時間については、柔軟な対応をお願いします。

(3)被災時に短期入所を利用していた者に係る取扱いについては、避難が必要となった者の避難先及び利用定員を超過した場合の受入れなど、前記2の入所施設の取扱いと同様として差し支えありません。
 なお、計画していた利用期間の終了に伴い、居宅に戻ることが原則ですが、戻るべき居宅も被災しており、引き続き入所をする必要がある場合には、障害者支援施設等による受入れを基本とし、必要に応じて引き続き短期入所の利用も可能とします。

4.被災された障害者等に対する補装具費支給及び日常生活用具給付等事業の弾力的な運用について
 避難所等に避難している障害者等の中には、補装具や日常生活用具が必要となる方も生じると考えられますので、必要な場合には耐用年数等の如何にかかわらず支給・給付して差し支えありません。

5.被災された視聴覚障害者等に対する情報・意思疎通支援について
 被災された視覚障害者や聴覚障害者等に対しては、特に情報・意思疎通支援が何より重要となります。管内被災市区町村における避難状況等を踏まえ、点字や音声、文字等による災害情報等の提供、手話通訳者等の派遣などの情報・意思疎通支援について、視聴覚障害者情報提供施設等と連携し、万全の対応を期すようお願いします。

6.利用者負担の減免について

(1)被災のため障害福祉サービス、障害児通所支援、障害児入所支援に必要な利用者負担をすることが困難な者については、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第31条又は児童福祉法(昭和22年法律第164号)第21条の5の11若しくは同法第24条の5に基づき、市区町村又は都道府県の判断により、介護給付費等の支給割合を引き上げ、利用者負担を減免することができます。

(2)自立支援医療については、平成18年3月31日付け障害保健福祉部長通知(障発0331006号)に基づき、被災した世帯所得勘案対象者の所得状況に応じた所得区分を適用することなど、適宜の方法により世帯所得勘案対象者の負担を軽減することができます。

(3)補装具費については、平成19年3月27日付け障害保健福祉部長通知(障発第0327004号)に基づき、被災した補装具費支給対象障害者等又はその属する世帯の生計を主として維持する者の所得状況の変化等に応じて補装具費の支給対象とすることや負担上限月額を適用することなど、適宜の方法により補装具費支給対象障害者等の負担を軽減することができます。

(4)肢体不自由児通所医療又は障害児入所医療については、平成19年4月4日付け障害保健福祉部長通知(障発0404002号)に基づき、被災した給付決定保護者又はその属する世帯の生計を主として維持する者の所得状況等に応じて、適宜の方法により給付決定保護者の負担を軽減することができます。

(5)療養介護医療については、平成19年4月4日付け障害保健福祉部長通知(障発0404003号)に基づき、被災した療養介護医療費支給対象障害者の所得状況等に応じて、適宜の方法により療養介護医療費支給対象障害者の負担を軽減することができます。

7.その他本件に関する疑義照会等については、担当課室まで御連絡をお願いします。