物品税と消費税

首相「消費税率は10%まで」 財政再建で発言

日本経済新聞 2015/3/13 21:08)

 安倍晋三首相は13日の衆院財務金融委員会で「10%までは消費税を引き上げていくが、それ以上の消費税の引き上げで税収を増やすことは考えていない」と述べた。政府は税収などで政策経費をどのくらい賄えるかを示す基礎的財政収支を2020年度に黒字化する目標を掲げる。首相はまず17年4月に消費税率を10%にするとしたが、その後の対応は明言しなかった。

 首相は昨年11月、15年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを1年半延期することを決めた。政府は今夏までに新しい財政健全化計画をつくる。首相は「構造改革を進めていくことでどういう効果が出るかも議論していく必要がある」と語った。

 内閣府の試算では消費税率を10%に引き上げ、名目で毎年3%超の高い成長を続けても、20年度に9.4兆円の赤字が残る。首相は「政府で行っていた部門を民間に任せることで歳出の削減を図れるだろうし、産業として様々な活力を生み出していく。それがさらなる税収を生んでいく可能性もある」と強調した。いずれも民主党古川元久氏への答弁。
http://www.nikkei.com/money/features/69.aspx?g=DGXLASFS13H6K_13032015PP8000


安倍氏がいつまで首相をやっているか、ということもわかりませんが(選挙の勝ち負けのほか、在任中には税率を上げたくないという心理は同氏でなくてもあるかもしれない)、名目3%超の成長率が何年も続く、というのも期待できないし、社会保障費等の相当な縮減方針が打ち出される可能性は相当に高いと思います。

要介護2以下が「軽度」として介護保険サービスから除外されるくらいなら、消費税率を上げる方がマシだろうと私は考えています。
(ただし、生活必需品などへの軽減税率は必要。

そこで思い出されるのが、昔、贅沢品とされるものに課税されていた物品税。

たとえば、自動車。
消費税のスタート直前、

普通乗用車(いわゆる3ナンバー):23%
小型乗用車 (5ナンバー):18.5%
軽乗用車:15.5%
商用車(トラック、バスなど):非課税
(ただし、軽ボンネットバンは途中から5.5%)

今より若くて給料が低かった頃ですが、私は本体価格100万円台前半ぐらいの乗用車を買いました。
仮に本体150万円(もう少し安かったかな)とすると、277,500円の物品税。
でも20数万円の税額は、そんなものだろうと思って、むしろ業者の値引き価格などを相場情報と比べていたのを思い出します。

今後、新車を買うかどうかわかりませんが、15%なら、かっての物品税よりは安い。
仮に20%まで消費税率が上がったとして30万円。
たぶん、あの頃の私は、それでも自動車を買うでしょう。

むしろ、要介護2以下が介護保険サービスから除外されることの方がイヤだ。
それによって、自分や身内の受けるサービスが低下したり、全額自己負担になったり、サービス自体がなくなって仕事を休んで(あるいは辞めて)身内に付きっきりになる方がイヤだ。

私と異なる感覚の人もいるかもしれません。

だが、もしも財務省筋の主張するように、本当に要介護2以下を介護保険サービスから除外するのなら、

要介護3以上のみの介護保険サービスでよいのか、
消費税率(生活必需品を除く)を上げて「軽度」でも一体としてのサービスが利用できるようにするか、
国民に信を問うべきだと思います。