「陸前高田市長の本」で紹介した(いわゆる杓子定規的な)国や県の対応とは、異なる動きをした(らしい)人物がいます。
国土交通省の地方機関である東北地方整備局の徳山局長のインタビュー記事が、以前、読売新聞に載っていました。
ネット上では見つけられなかったのですが、代わりに「社団法人建設産業専門団体連合会」の「平成23年度 全国大会講演録」に同氏の話が収録されているのを見つけました。。
http://www.kensenren.or.jp/intro/zenkoku.html
ネット上では見つけられなかったのですが、代わりに「社団法人建設産業専門団体連合会」の「平成23年度 全国大会講演録」に同氏の話が収録されているのを見つけました。。
http://www.kensenren.or.jp/intro/zenkoku.html
現場としての柔軟対応の部分を抜粋します。
当時のメモに、3月16日10時20分に陸前高田市の市長から電話がかかってきて、燃料・棺桶・テント・人手をなんとかしてくれないかという相談を受けたことが書かれています。「棺桶」の部分の記載を見ると、今でも涙が出ます。遺体が次々と見つかっていました。遺族は、遺体を確認して自分の家族だとわかっても、自宅が流されてしまっているので遺体を引き取ることができません。遺体安置所は圧倒的に数が足りません。火葬場も被災してしまい、炉は1つしか残っていない。しかも遺体を一体焼くのに灯油が60リットルいるというのです。火葬はできなくなりつつあるので土葬にするしかないのですが、棺桶も足りません。火葬の場合も棺桶がないので、段ボールで覆って火葬していたそうですが、土葬となると、自分の子供や親に直接土をかけることなどできませんし、段ボールをかぶせて埋めることなど、とうていできません。土葬に踏み切るにはどうしても棺桶が必要なんだと相談されました。これは大臣とも相談しました。道路特会や河川特会では棺桶は買えないですが、「棺桶がほしいと言っているので、買っていいですね」と大臣にお話ししたところ、「後のことは心配するな。何とかしてやるから」と言ってもらいました。テレビ会議で大臣からそう言われて、職員全員がそれを聞いていたのは、非常によかったと思います。そうでなければ、私が棺桶を買えと命じても現場は「局長はああ言っているが、絶対に会計課で止められるよ」と、買うことを躊躇したかもしれません。トップである大臣がそこまで決断したのをみんなが聞いていたので、大丈夫だと確信を持って仕事をしてくれたと思います。調達班を作って、洗濯機から棺桶から生理用品まで、被災地から頼まれるものは全部買って届けていました。
その他にも興味深い話があります。
地震発生後10分も経たないうちに、(職員が仙台空港まで駆けつける時間が惜しいから)待機中の委託パイロットだけでヘリコプターを飛ばしたい、と提案した職員のこと。
(ヘリの離陸後に津波が空港を襲ったため、19億円のヘリを守っただけでなく、上空から広範囲の被害状況を確認できた。)
(ヘリの離陸後に津波が空港を襲ったため、19億円のヘリを守っただけでなく、上空から広範囲の被害状況を確認できた。)
(家族からの反対も押し切って)協力した地元の建設業者のこと。
何かと批判されがちな国家公務員、あるいは当時の大臣、建設業界などを褒めちぎる意図ではありません。
(これは全く根拠のないうがった見方ですが、前記事の、自衛隊には給油ノズルを触らせるな、と言った省庁が国交省である可能性も否定できませんし。)
(これは全く根拠のないうがった見方ですが、前記事の、自衛隊には給油ノズルを触らせるな、と言った省庁が国交省である可能性も否定できませんし。)
ただ、現実に、こういう対応を取った国交省トップ、それを支援した大臣がいたわけです。
どうすれば、全ての・・・ではなくても、ひとりでも多くの人間がこういう対応を取ることができるか。
それを考えていかなければならないと私は思います。
どうすれば、全ての・・・ではなくても、ひとりでも多くの人間がこういう対応を取ることができるか。
それを考えていかなければならないと私は思います。