テロの定義

参議院議員鈴木宗男氏のブログの、6月9日のコメント欄より。

 

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一つ不躾ではありますが、鈴木先生にご教示頂きたい内容がございます。
昨今、ウクライナのロシアに対するけしからん攻撃がありました。
そこでテロとそうでないものとの違いは何かということをお聞きしたいです。
今回の攻撃は軍事施設への攻撃で民間人への被害はないときいております。
一方、ロシアのこれまでの攻撃は民間人への多数の被害を出しています。
テロとは一体どういう内容を指すものなのでしょうか?
ご教示頂けましたら幸甚であります。
<おそらく一般民間人と推測されるので、名前(ハンドル)は省略>
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それに対する、6月10日の鈴木宗男氏のコメント返し。

 

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 〇〇〇さん、テロとは一般人を対象として無差別攻撃です。やってはいけません。
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ここまで読んで、みなさん、どう思われますか?

鈴木氏がいうテロ、「一般人を対象とした無差別攻撃」をしているのはロシアであり、
ロシア側の不意を突いたとはいえ、軍事施設の爆撃機等を狙った攻撃をしたウクライナではない。
そう読めます。

鈴木センセー、さすがです!


テロリズムの定義は多数あって難しいところですが、2004年11月、国際連合の事務総長(当時はアナン氏)による報告書では、

「住民を威嚇したり、行動を強制したりする目的で、民間人または非戦闘員に死または重傷を負わせることを意図したあらゆる行為」

とされています(私が確認した原文は英文ですが、某ウィキペディアでも類似した意味の日本語訳が記載されているので、大意は損ねていないでしょう)。

 


ドイツ首相、ロシアの「ウクライナ民間人に対するテロ」を非難
AFP=時事 6/11(水) 12:02配信

【AFP=時事】ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は10日、ロシアがウクライナでの爆撃をエスカレートさせたことを受けて、ロシアのウクライナでの「民間人に対するテロ」を非難した。

オランダのディック・スホーフ首相との共同記者会見で、メルツ氏は最近のロシアの攻撃を「最も重大な戦争犯罪」と呼び、ロシアが「軍事目標ではなく民間人を攻撃した」と述べた。

メルツ氏は、ロシアの最近の行動は「先週のウクライナによる軍用飛行場やインフラへの非常に精密な攻撃に対する、適当な対応とは程遠い」と述べた。
(以下略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b38b9b216dd9b016d9a7a68da53d86ca402199c


これは、まさにそのとおり。
ウクライナから距離のある極東地方の基地だろうと、ウクライナ爆撃に使われる航空機を無力化しようとするのは、戦時国際法などに反しません。(※)

 


ロシアの橋崩落「ウクライナのテロ」 露捜査当局が主張 7人死亡、100人超負傷
産経新聞 6/4(水) 8:52配信

ウクライナに接するロシア西部ブリャンスク州とクルスク州で線路上に架かる橋が崩落し、列車が脱線した事件に関し、露捜査機関「連邦捜査委員会」は3日、橋の崩落を「ウクライナの指示で実行されたテロ」と断定したと発表した。崩落現場から爆発物の痕跡などが発見されたとも主張した。タス通信が伝えた。

橋の崩落は5月31日夜から今6月1日未明にかけてそれぞれ発生。ブリャンスク州では乗客388人が乗った列車が脱線し、7人が死亡、100人以上が負傷した。クルスク州では貨物列車が脱線し、3人が負傷した。

連邦捜査委は「テロリストたちが数百人の市民に被害を与えようと綿密に事件を計画したのは明らかだ」と指摘。計画者と実行者を特定し、刑事責任を追及するとした。(小野田雄一)
https://news.yahoo.co.jp/articles/df772dc766cfa0f761a31f2710a1e68e2e3b0cfc


ロシア側は、この鉄道橋関係の2件についても、ウクライナをテロリスト扱いしようとしています。
(ホンネとしては軍用機等の攻撃の方が痛かったのかもしれませんが。)

この2件については、ウクライナ側の攻撃とする情報が、今のところロシア側からしか出てきていませんが、仮にウクライナ側の攻撃だったと仮定して。

ブリャンスク州もクルスク州もウクライナに隣接した州で、ウクライナ侵攻中のロシア軍への補給路の(おそらく重要な)部分と考えられます。
軍事物資等の輸送に関して、橋梁は(敵対側からは)狙い目の場所。
橋梁を狙うこと自体は、もしウクライナ側の攻撃だったとしても、国際法違反とは言い難いと思います。(※)

旅客列車、あるいは旅客と貨物の両方を運搬する列車だったかもしれませんが、それを直接狙ったのではなく、橋梁破壊のタイミングで列車が通りかかったのだとしたら、死傷者にはお気の毒としか言いようがありません。
(旅客自体を狙った、という証拠は、現在のところ発表されていないし、プーチン氏など要人が乗っていないのなら、あえて旅客を狙う必要性もウクライナ側には乏しい。)

 

ちなみに、侵攻初期から、ロシア側はウクライナの鉄道をしばしば攻撃し、特に駅を攻撃して子どもたちを含む多数の死者を出したことは、当時も国際的な非難の対象となりました。
(橋梁などと異なり、駅舎を攻撃すれば、必ず多数の死傷者が出ます。)

やはり、ロシアのようなテロは、一般人を対象として無差別攻撃です。やってはいけません。


(※)戦時国際法などに反するかどうか、という観点で書いています。
 ウクライナにとって、軍事的、外交的に得策かどうか、という観点では、また別に論じられる可能性はあります。