兵庫県知事選のデマとか誤解1

Q:「斎藤元彦氏が天下り制限して、対立した県職労(組合)の意を受けた立憲民主などが「あの怪文書」を作り出した」というような書き込みがありますが?

A:たとえば、これですか?

 

兵庫県知事選に直接関係ない固有名詞は、なるべく●にしています。)

あり得ません。組合員が「天下り」するようなことは普通ありませんから。
というより、組合に入ってなくても、一般職員には、まず天下りポストは回ってきません。
いわゆる牛タン俱楽部レベルの幹部とか、せめて管理職の末端ではないところぐらいまで出世した職員でないと。

一般職員は、これまでは60歳の年度末に定年になり、その後は最長65歳まで再任用されていました(それまでに辞める人もけっこういます)。
今は、定年延長制度で、65歳の年度末まで勤務して退職です。

一般職員の組合と幹部級とは対立することはあっても、談合することは考えにくいです。

なお、多くの自治体では組合加入率(組織率)が低下し、弱体化していると思います。
私見ですが、県議会と職員とマスコミがグルになって斎藤氏を陥れた、というのは、誰かがでっち上げた陰謀論です。
それぞれ、そんなに仲良くないし、利害も一致しませんから。

 

Q:県議会が全会致で不信任決議したのは利権を守るため、という人もいますが。

A:自民や維新などに利権があるのかどうかはわかりません(確証がありません)。
ただ、権力のあるところ、何らかの事情があってもおかしくはないでしょう。
裏金で有名になった西村康稔代議士の地元の自民系政治家が斎藤氏を支援しているという未確認情報もありますが、これも確証はありません。
ただ、「斎藤利権」みたいなものがあっても、またおかしくはないと思います。
どっちにしても、県議の全員が仲が良いわけでもないし、利害もぶつかるから、全会一致の不信任決議というのも、なりゆきの産物の可能性もあります。
自民も維新も統一性に欠けていますし。

 

Q:斎藤氏は「改革を止めるわけにはいかない」と主張していますが。

A:リハックの討論会などを見る限りでは、「改革の必要性がない」とか「井戸県政に戻したい」と言っている候補はないようです。
画面キャプチャーして、ちょっとだけ書き込みした表ですが、

 

上段・現県政の具体的課題では、○(斎藤方針の継続)や△が目につきます。
意外に?稲村氏と斎藤氏が似ています。
県庁舎建替え凍結は、検討会の状況を見て、というのが両氏の判断なのでしょう(斎藤氏もけっこう柔軟)。

県立大無償化については、県立2大学に集中して無償化とするか、額を減らしてでも他の大学進学者も含めて広く支援するか、難しいところだとは思います。
稲村氏なども、在学生や今目指している受験生には不利にならないように検討、ということで、若者を支援するという方向性は、斎藤氏と共通しているのではないでしょうか。

これで金沢元副知事(前回の対立候補)が前の公約のまま立候補したら、改革が争点といえるかもしれませんが、そうではないですよね。

 

Q:上の表の下段の下二つは、斎藤氏支持者(特に立花氏など)は×を主張する傾向が強いようですが。

A:文書問題全体については、百条委員会も第三者機関も調査が完了していないので、△が妥当かもしれません。

西播磨県民局長だった告発者の死については不明の点があります。
ただ、公用PCの中に不倫情報があったにしても(それこそ噂や一部報道だけで公的には未確認でしょうが)、3月の知事発言(「嘘八百」等)、4月以降の一般職員や側近幹部からの進言(「第三者機関に」等)を斎藤氏が受け入れなかったことなどがなければ、事態が変わっていた可能性は十分にあります。
一方、直接の自死のきっかけは、PCの内容について維新系県議等が脅したこと、という未確認情報もあります。
もちろん、そんなデータを公用PCに入れたまま退職月を迎えるなよ、というツッコミもあるでしょう。
まあ、△ですね。

斎藤氏が公益通報者保護法に法的に明確に違反していたか、については、百条委員会の参考人(識者2人)の講演を確認しても、意見が分かれるかもしれません。最終的には裁判官の判断かも。
不適切だった、私なら同じようにはしない、とかいう稲村氏の主張(△)が、斎藤氏の後任となる(かもしれない)政治家としては、落としどころのように思います。