週刊誌の闇?

【独自】齋藤元彦・前兵庫県知事をたたき潰した「兵庫政界の闇」とは…「裏の絶対権力者」たちが作り上げた「タブー」と「天下り構造」の全貌をスクープする
現代ビジネス 10/23(水) 6:35配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/1e3ad4052d49835d19c77f39b1dbf4483fd98797

パワハラや贈答品の「おねだり」に関する内部告発で失職した、齋藤元彦前兵庫県知事(46歳)。「職員を自殺に追い込んだ」と非難されても仏頂面を貫き、11月17日の出直し選に再出馬を表明している。「鋼のメンタル」と揶揄され、今や「全国民の敵」と言っても過言ではない扱いだ。

だがここにきて、ハラスメントの証拠が乏しいことや、齋藤氏の前に5期20年の長きにわたって県知事を務めた井戸敏三氏(79歳)との対立などの論点が浮上し、空気が変わりつつある。

なぜ齋藤氏は「あきらめようとしない」のか。そして、齋藤騒動の本質とは何なのか? 現在発売中の「週刊現代」が報じたスクープ記事を特別に全文公開する。
**********

 

以下、
・県庁幹部の天下りポスト(外郭団体役員)の定年引き下げ(井戸体制下で70歳以上まで延長されていたのを、内規どおり65歳に戻した)
・県立大の無償化で、自民党文教族の重鎮国会議員に根回しなく進めて怒りを買った
などが並んでいます。

まあ、「兵庫政界の闇」があるなら、それを暴くのはメディアとして結構なこと。
ですが、その前に、さらっと虚偽が書かれています。

 

「ハラスメントの証拠が乏しいこと」

百条委員会が実施した職員アンケートや、その後の出席者とのやり取り等で、多数の材料が出てきていますよね?

もし、録音データが出てこない、というような意味なら、職員アンケートの中の次の一節を確認してください。

 

**********
(略)そもそも知事レクにICレコーダーを持ち込むことがはばかれるような雰囲気になっています。
昨年度については承知していませんが、少なくとも今年度は、R6.4.1付で秘書課・総合政策課から「知事への協議、報告等に関する取扱要領」が発せられており、協議入室の注意事項として、「ICレコーダー等機材の持ち込みは現に慎むこと」と定められています。
この要領により、知事のパワハラ発言や、ネット等で噂されている「机をたたき激怒」等を録音していたとしても、録音自体が要領に違反する恐れがあり、証拠の提出することで自分も処分を受ける可能性があることから、証拠として提出することを躊躇する職員は多いと思います。
レク等でICレコーダーを持ち込むことは、よほどの秘匿案件でない限りは、上司の意見を反映させるの忘備のために当たり前のことだと思います。
どのような趣旨で、どなたの指示で発せられた要領なのかはわかりませんが、個人的には証拠を作らせないためのものと感じられてなりません。
**********

 

これは「兵庫県職員アンケート調査」中間報告で、「無記名」カテゴリーのものではありますが、真実性、迫真性が感じられます。

 

なお、職員から訴えのあった事実関係については、パワハラに当たると認識していないだけで、当該行為があったこと自体は少なからず斎藤氏本人も認めています。あるいは、百条委の虚偽発言に対する罰則を意識してか、「記憶にない」的な表現とか。

 

また、それよりも深刻な告発文書への対応問題。

 

**********

兵庫県議会の不信任決議の案文より)
 まず、文書問題調査特別委員会の調査の中で、告発文書の内容に真実が存在し、文書が「嘘八百」ではなく、告発者への対応が告発者探しや情報漏洩の疑いを指摘されるなど不適切と言わざるを得ないことが明らかになったにもかかわらず、知事は「真実相当性がない」、「誹謗中傷性が高い」として県の対応は適切であったとしているが、専門家は公益通報者保護法の見地から「兵庫県は今も違法状態」と断じている。現時点で詳細な要因は明らかでないが、元県民局長の命を守れなかったという厳然たる事実は大変重く、責任は大きい。
**********

(この後、「道義的責任がわからない」等の斎藤氏の発言についても触れられていますが、省略。)

専門家とは、百条委員会に参考人として呼ばれた、上智大学の奥山俊宏教授、山口利昭法律事務所の山口利昭弁護士の2名。

 

さらに、百条委員会での斎藤氏の発言は、側近だった幹部職員や、一般の人事関係職員の発言等と食い違いがあります。

これらのことは県議会の該当ページで確認できるのに、コタツ記事か、頼まれ記事か知りませんが、あえて「ないふり」をして、<斎藤元彦=無罪確定>みたいな印象付けを図ろうとしているようにも思えます。

これ、講談社の判断? 売れると思った?
それとも、誰かに頼まれた?

 

念のため。

職員アンケートは、幹部級や50~60代だけでなく、中堅から若年層まで回答していることが集計結果等からわかります。

外郭団体に天下りして定年が65歳か70歳かなどというのは、ごく一部の「エライ人」だけの話で、60代でも再任用(少し前までの職員)、定年延長(現在の制度)という一般の職員には関係ありません。
中堅や若手に至っては、自分たちが高齢者になる頃にどのような制度になっているか、見当もつかないでしょう。
そういう職員たちが、斎藤氏を陥れるために談合して虚偽の回答をした、などというのはあり得ない話です。


ところで、講談社では、社用車に乗ったエライ人が、後部座席から前の座席を後方から蹴ったり、運転手を罵倒したりしても、パワハラにはならないんですか?