なる客兵考1

衆議院選挙の投票日が近づいてきました。

今、これに直接関係する話は、ちょっと味が悪そうなので、11月に予定されている兵庫県知事選について、考えてみます。

なるべく客観的に兵庫県知事選について考える、ということで、「なる客兵考」というタイトルをつけました。
まあ、誰にもわからなくても仕方がないか。


1 兵庫県知事立候補予定者討論会

 

「2024年兵庫県知事選挙 立候補予定者討論会」という動画を見ました。
https://www.youtube.com/watch?v=t_PEO7HXlYk

地元のメディアである、サンテレビ神戸新聞社の主催のようです。

「参加締切までに立候補を表明した人」ということで、
10月9日の私の記事(https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2024/10/09/213152)で挙げた人の中では、福本繁幸氏を除く6名が参加していました。

すなわち、

・稲村和美氏(51)前尼崎市長、元県議
・大沢芳清氏(61)尼崎医療生協病院院長、医師
・斎藤元彦氏(46)前兵庫県知事、元大阪府財政課長、元総務省職員(宮城県等、出向あり)
清水貴之氏(50)参議院議員、元アナウンサー
・中川暢三氏(68)会社社長、元大阪市北区長、元加西市
・中村稔氏(62)兵庫県立大学客員教授、元経済産業省職員(兵庫県産業労働部長を含む)

です(年齢は、ひょっとしたら誕生日が来て1歳変わった人がいるかもしれません)。

2時間13分を超える長時間でもあり、1.75倍速でざっと見てみました。

 

最初に「注意事項」として、(告示前なので)自分への投票呼びかけ等は不可、
他の出演者を誹謗中傷たり、明らかに事実と異なるようなものも問題、という釘が司会者から刺されました。
中川氏が、2度ほど斎藤氏を攻撃したのが、ちょっと注意されたぐらいで、たとえば米大統領選あたりに比べれば、穏やかなやり取りだったと思います。

 

最初に、各自の自己紹介があり、その後に以下の課題について、順番を変えながら発言していきます。

・知事選で最も訴えたいことは?
・知事に求められる資質は?
・県政の再建は?
・「県立大無償化」は継続? 見直し?
・県庁舎 建て替え計画は?
兵庫県の人口減少対策は?
・震災からの復興 地域活性化策は?

 

その後に、パーソナリティが伝わるようなコーナーということで、以下の質問に対して〇×の札を上げます。

・自分は負けず嫌いだ
・得意料理がある
・友達は多い方だ
・県内でおすすめの場所がある
・選択的夫婦別姓に賛成だ
・女性副知事を登用する
兵庫県は10年前より住みやすくなった
・「防災庁」を兵庫に誘致する考えがある
・県議会の「不信任決議」に賛同する

最後の質問は、予想どおりというか、斎藤氏だけが×、他の参加者は全て○でした。

斎藤氏は、「調査が進んでいる中での不信任決議にはなかなか想いがある」というような趣旨の発言でした。

もし「不信任決議は百条委員会や第三者機関での解明が完了してからにしてほしかった」という意味なら、理解はできます。
県民の判断材料が出そろってから、という意味で。

ただ、パワハラのみならず「内部告発者への違法対応」だけで十分に不信任に値する、という考え方で不信任決議を行った、ということなら、県議会の対応も理解できます。
特に、来年度予算をめぐる重要な時期に差しかかっていましたから。

 

この後、立候補予定者同士で質問という時間があり、最後に言いたいこと、みたいな時間があって、終了しました。

 

なお、この討論会の模様については、神戸新聞10月30日の朝刊で記事になる予定とのことでした。

 

個々の立候補予定者の主張等については、動画を確認いただければ、と思いますが、個人的意見としては、県政の改革ということ自体については、どの出席者も否定していなかったと思います。
少なくとも、井戸県政時代に戻したい、という人物はいなかった。
また、今回は出席していない福本氏などを含めても、そういう方向の主張をする人物の立候補意向は見受けられません。

だから、一部メディアやSNS等でささやかれている「斎藤氏は改革の反対者にはめられた」というような風聞には違和感を抱きます。
(改革の詳細や手法については、今回の討論でもいろいろ示されましたし、そもそも信用を失った斎藤氏は改革の担い手にはふさわしくない、という主張もあり得るでしょう。)

 

ただ、誰が新知事になるにしても、今回の議論のような内容は、参考になるところがあるのではないかと思いました。

 

(つづく)