「偶発的事件」が続くなら

「単独犯の偶発的事件」 中国深センの日本人男児襲撃を地元紙詳報 当局、社会不安警戒
時事通信 9/20(金) 14:20配信

深セン時事】中国南部・広東省深セン市で日本人男児が刺されて死亡した事件で、地元有力紙・深セン特区報は20日、警察から得た情報として「偶発的事件だった」とSNSで伝えた。

 44歳の男による単独の犯行で、容疑を認めているという。日本政府の情報提供要請を受け、中国当局が同紙を通じて事件の詳細を公表した形だ。

 中国では6月、東部の江蘇省蘇州市日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子が男に刃物で襲われ負傷し、案内係の中国人女性が死亡する事件が発生。その時も中国当局は「偶発的事件だった」と説明した。

 同紙によると、容疑者の男は定職に就いていない。2015年に公共の通信設備を壊して警察沙汰になったほか、19年には公共の秩序を乱したとして深センの警察に拘束された。日本人を狙った犯行なのかや殺意があったのかを含め、動機は不明。同紙は容疑者について「刃物で児童を傷つけた行為を認めている」とし、「さらに調べが進められている」と報じた。

 中国当局は今回の事件によって、経済を中心に日本との関係が悪化する事態を望んでいない。類似の事件が相次いで中国社会が不安定化することも警戒している。同紙はSNSで論評記事も配信し、「犯行を強く非難する」と表明。「この容疑者の暴力行為は一般の中国人の素養を代表するものでは決してなく、社会全体の状況を反映するものでもない」と強調した。

 同紙などによれば、事件は18日午前7時55分(日本時間同8時55分)、深セン日本人学校の校門から約200メートル離れた場所で発生。その10分後に救急車が現場に駆け付け、男児は病院に運び込まれた。複数の病院から専門家が集まり、救急治療の支援に当たったが、19日午前1時36分に死亡した。

 事件発生を受け、警察などが学校周辺の警備を強化。地元教育当局が、在校生に対するカウンセリングのチームも立ち上げたとしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e330262b92804b9d489446e055293799a314a106

 


「偶発的事件」ね・・・
6月24日の蘇州の事件を含めて、「偶発的事件」が3か月以内に2件も起きたということですね。

こういう短期間内に日本人の複数の児童・生徒が危害を受けた事件は、中国以外では見当たりません。
逆に、日本以外の国籍の複数の児童・生徒が中国国内で危害を受けた事件も、少なくとも日本では報道されていません。
偶発的だろうが、なかろうが、危険は危険。

ちなみに・・・

 


中国公務員「我々の規律は日本人を殺害すること」 暴言が波紋
中央日報日本語版 9/25(水) 9:53配信

中国で10歳の日本人小学児童が襲われて死亡する事件が発生して衝撃を与えている中、現地のある公務員が「我々の規律は日本人を殺害すること」という暴言をソーシャルメディアに投稿して波紋が広がっている。香港明報が24日、報じた。

報道によると、中国四川省農業農村部所属のある40代副主任は最近中国ソーシャルメディア「微博」に「日本の子どもを殺したのが大そうなことか」「罪のない人を殺したのでなく日本人を殺したこと」「我々の規律は日本人を殺害すること」などの暴言を書き込んだ。

該当の発言は中国オンラインで急速に広まり、不適切だという批判が大きくなると四川省当局は「該当の事案に注意を注いでいて、これを処理する準備ができている」と明らかにした。

これに先立って18日、中国広東省深圳市で日本人学校の小学生が登校途中に暴漢に襲われて凶器で刺される事件が発生した。この児童は翌日亡くなった。

該当の事件が中国および日本社会に大きな衝撃を与えた中で、両国外交トップも23日に該当事件について意見を交わしたと両国外交当局が明らかにした。日本側は再発防止対策準備を要求し、中国側は該当事件を個別事件と規定して政治化を阻止しなければならないと話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7da53d7d20ad48e9122347ed0107ced8b70307c0

 


「40代副主任」がエリートコースなのか窓際なのか知りませんが、こういう人物が主流ではないことは見当がつきます。
6月に日本人親子をかばって殺された案内係の中国人のような方も、少なからず存在するでしょう。
でも、比率的にはごくわずかでも、人口14億のごく一部の人間が殺そうと思うなら、被害に遭う日本人は出ます。

 


中国の危険情報レベルゼロ、環太平洋先進国で日本のみ 米はレベル3「拘束の危険が存在」
産経新聞 9/24(火) 15:34配信

米国やオーストラリア、韓国など環太平洋の先進国・地域で中国本土への渡航や滞在の「危険情報」が「レベルゼロ」は日本だけであることがわかった。中国・深圳の日本人学校男児刺殺事件を受け、国会議員などからもレベル引き上げの声が上がっている。

各国・地域の公式サイトによると、米国は4段階のうち上から2番目のレベル3で、「渡航の再考」を求めている。それ以上の危険レベルは「渡航禁止」のみだ。米国務省は「中国国内で、中国政府による米国民への不当な拘束の危険が存在する」と認定している。

台湾は今年6月に4段階のうち上から2番目のレベル3に引き上げており、「不必要な渡航を避けるよう勧める」としている。

また、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは4段階のレベル2。韓国も4段階のレベル1としており、環太平洋先進各国・地域でレベルゼロなのは日本のみという状況だ。
(略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/0971b1eacf53f5b7c98168226a301a2d1427e9f7


ただし、記事の続きでは、英仏独伊は警戒レベルを上げていないとのことです。
それほど反感は買っていない(あるいは反感を抱かせるような教育を中国がやっていない)ということでしょうか。

で、日本人の安全確保に向けての中国政府への要請は「するな」とは言いませんが、あてにはなりません。
さっさと危険情報の引き上げ(子どもだけでも)をしたらどうですか?
少なくとも、「危険情報の引き上げを検討している」ぐらいの情報発信はすべきでしょう。
成人でも、罪状を明確にせずに拘束されている日本人もいますし。

日本企業や日本資本の引き上げが現実的になると考えれば、あとは中国側がどう判断するか、です。