東郷神社の件の続き

石川佳純さんらの東郷神社参拝の件ですが・・・

 

「悪態は無視して」石川佳純さんに中国語で呼びかけ 神社参拝が中国で物議...SNSで「中傷被害」も
J-CASTニュース 8/20(火) 11:37配信

 元卓球日本代表で五輪メダリストの石川佳純さん(31)のインスタグラムに、中国語で書かれた「悪態は無視して」「中国の過激なネットの声は無視して」などのコメントが寄せられている。 
(略)
 東郷神社は、元帥海軍大将の東郷平八郎を祀る神社。「勝利」にご利益があるとされ、各競技のアスリートが「必勝祈願」に訪れる神社として知られる。
 このように、石川さんはパリ五輪の「必勝祈願」を目的として東郷神社を訪れた。ところが、複数の中国メディアによると、日清戦争に関与した東郷平八郎を祀る東郷神社を参拝したことが、中国のSNSで物議をかもしているという。

(略)
 このような中国での状況を心配した中国のファンが、石川さんのインスタグラムに中国語で、次のようにコメントを投稿した。 

 「一部の中国人の失礼な態度をお詫びします」「これを理由に中国を嫌いにならないことを願っています」「Weibo悪態、心からごめんなさいでした」「石川さん、悪態は無視してください」「中国の過激なネットの声は無視してください」「カスミ、この世界には良い人がたくさんいると信じてください」
(以下略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/71559eb9d502e8fc326c340f9ee4ad6eae4810cb

 

>日清戦争に関与した東郷平八郎

 

え? そんなことが理由?

東郷大佐(当時。のち将官に昇進)は、巡洋艦の艦長として日清戦争に参加していますが、(ウクライナでのロシア軍のように)戦争犯罪を犯したわけではなく、自身の責務を全うしただけのこと。

ちなみに日清戦争は、日清両国が対等の立場で戦ったもので、のちの満州事変やそれに続く中国侵攻とは別のもの。

いや、対等ではなく、国力や、軍艦などのハードウェアについては清国の方が格上と見られていたでしょう、たぶん欧米にも。

(なお、間の朝鮮半島の人々(それぞれの思惑で動いた王室関係者はともかく、一般庶民)にとっては、迷惑なことだったろうとは思います。)

 

2024/8/22修正(戦後、台湾、澎湖諸島など(遼東半島は三国干渉により返還)の割譲があり、日清戦争についてネガティブなイメージがあったとしても、それ自体は批判すべきでないと思われるため。ただ、それと東郷個人や、東郷神社の参拝についての批判は別の話。)
とにかく、「日清戦争に関与」というレベルの理由での「悪態」なら、あまりにも幼稚というか素朴すぎて、ある意味、コメントが困難です。

 

ロシア帝国のアジア侵攻を食い止めた、という意味では、ネルチンスク条約を締結した清の康熙帝(正確には、彼の臣下の将軍か誰か)と、アドミラル東郷とは、並び称されてもいい存在ではないかと思っているのですが。

 

まあ、日本の場合、讒言されて大宰府に左遷(実質的に流罪)された菅原道真が、死後に天神様として祀られたように、多神教世界の中でもやや特異な(柔軟な)宗教観があることは否定しませんが・・・今の世界情勢では、それぐらいのゆる~い感覚の方が平和なような気がします。