被爆地での今年の式典は、広島市と長崎市とで対応が分かれることがありました。
イスラエル(大使)を招待するかどうか。
広島市は招待し、長崎市は見送りました。
長崎市は、政治的理由ではなく、「式典を厳粛な雰囲気の下、円滑に行いたいという考え」ということです。
冠婚葬祭、特に故人をしのぶ法事のような行事の場合、誰を呼び誰を呼ばないか、というのは、施主側の判断でしょう。
「政治的理由ではない」と主催者がいえば、そのまま受け取っておくのが妥当と思います。
両市で判断が分かれたのも、それぞれの市が判断したこと。
仮に、政治的理由が関係したとしても、それぞれの市が判断したこと。
私は以前、「イスラエルとロシアの扱い」という記事を書きました。
2024年の平和記念式典にイスラエルは招待 ロシア・ベラルーシは3年連続見送る方針 広島市
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2024/05/01/210813
難しい問題でしょうが、今回の広島市長のような選択もあり得るだろうとは思います。
どちらも(ロシアやベラルーシも、イスラエルも)呼ばないという選択もあり得るでしょうし、どちらも(核の恐ろしさを訴えるために)招待するという選択もあり得るでしょう。
ないのは、イスラエルは呼ばずに、ロシアやベラルーシは呼ぶ、というケースぐらいでしょうか。
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G7(日本を除く)+EUが大使を出席させないという判断をしたのも、それぞれの国と機関で判断したこと。
ただ、「大使欠席」という報道は多いのですが、公使や領事が代理出席した、ということを明示していない報道が目につきます。
また、米英の大使などは(他国についても可能性はありますが確認していません)、イスラエル大使とともに、東京の増上寺で行われた追悼行事に参加しています。
これらのことは、正確に報道しておくべきだと私は思います。
長崎市も各国も、それぞれの立場で選択し、それぞれ可能な範囲で(外交官としての立場と、あるいは個人としての想いも含めて)取った行動であったと。
それより、こういう記事もありました(けさの読売新聞)
中等の若者参列 イスラエル・パレスチナ
平和祈念式典には、来日中のイスラエルとパレスチナの若者5人も参列した。被爆者らが発信した平和へのメッセージを聞き、「国に戻り、自分が輪を広げていきたい」と気持ちを新たにしていた。
5人は東京のNPO法人が主催するプロジェクトで4日に長崎入り。長崎原爆資料館を見学したり、被爆者から体験を聞いたりして、被爆の実相を学んだ。
式典後、イスラエルのタマール・ダニエルさん(27)は「原爆を落とされた都市が復興し、人々が平和のために祈り続けていることに感銘を受けた」と話した。プロジェクトを通してパレスチナの人と友達になれたといい、「平和の輪を広げたい」と語った。
パレスチナのクレール・ガザウィさん(32)は「被爆者が言うように戦争は無意味だ。みんなで助け合いながら、できることをやっていきたい」と力を込めた。
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これ、読売サイトで公開すべき記事だと(紙媒体の定期購読中の私は)思うのですが・・・
なお、NHKも似たような報道はありますが、女性2人しか参列していないような表現になっていて、(読売報道が正しければ)不正確です。ただ、2人のコメントは読売より詳しく載っています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240809/k10014543991000.html
ところで、参議院議員の鈴木宗男君。
ブログで「平和記念式典」と書いているけど、長崎で行われたのは「平和祈念式典」ですからね(広島は「記念」)。
ロシアなど悪質な大国のせいもあり、平和を達成して「記念」する段階まで進んでおらず、祈念するしかない状況、という見方も可能でしょう。