都知事選が終わった

都知事選「大量立候補」問題 供託金引き上げは選挙権の侵害で期待薄 諸外国にならえば…署名の義務付けが現実的か
夕刊フジ 6/28(金) 17:00配信

東京都知事選には過去最大の56人が立候補し、選挙ポスター掲示板が不足したり、無関係なポスターを貼らせるなどの事態も起きている。NHKの政見放送も長時間に及ぶ可能性が指摘されているが、これらの問題をどう考えればいいのだろうか。

インターネット時代になって、選挙掲示板や政見放送の宣伝効果が増幅され、立候補が売名行為にビジネスとしてつながっているのが、大量候補者の背景にある。実際、今回立候補者を大量に出した政党の党首は、供託金を上回る収益が得られそうだと公言している。

そこで、まず思い浮かぶのが供託金の引き上げだ。都道府県知事選挙の場合、供託金は300万円で、有効投票総数の10分の1にいかないと供託金は没収される。300万円に設定されたのが1992年である。

東京都区部消費者物価指数は1992年が98、2023年は105・4なので、この間のインフレ率を考慮すれば320万円にしてもいい。しかし、これでは抑制効果は少ないだろう。

しかも、供託金の引き上げの評判は悪い。そもそも供託金により立候補を制限するのは選挙権の侵害であり、売名かどうかは有権者が判断すべきだという意見もある。
(略)
ちなみに、国会図書館調べでは、供託金は、経済協力開発機構OECD)諸国で38カ国中13カ国が採用しているに過ぎない。先進7カ国(G7)では日本と英国だけだ。

かつてはフランスとカナダも供託金制度を導入していたが、フランスは1995年、カナダは2018年に廃止した。G7の他の国、米国、ドイツ、イタリアには供託金制度はない。なお、英国の供託金は国政選挙でも10万円に満たないほど少額だ。こう考えると日本だけが先進国の中で高い供託金で突出している。

では、他国がどうしているかといえば、一定の有権者の署名を義務付けている国もある。国政選挙であるが、ドイツでは200人、カナダでは100人、フランスでは500人などといったところだ。
(以下略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/33e6252242f66d9254cd553d3f0c9ceedb4525bf

 


竹中平蔵氏が「供託金は3000万に」と「値上げ」を主張した件については批判しました。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2024/07/06/152157

 

「つばさの党」の、他候補者への選挙妨害、暴行罪等についても批判しました。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2024/05/06/165332

 

まあ、選挙の諸問題については、いろいろな意見があるでしょうが、供託金の引き上げよりは、有権者署名の義務付けの方が妥当だと思います。

ちなみに、「売名・泡沫候補(仮称)」が署名数の10倍程度の票を集めると仮定すると、今回の都知事選で29位以下の候補は100人の署名も集められていなかっただろう(つまり立候補資格なし)、ということになります。
だいたい半減ですね。

 

私見ですが、その署名は原則自筆(重度身体障害等で書けない方は、障害者手帳の写しを添付のうえ代筆を認める)。
SNSなどネット上で署名者を募るのはよいが、紙ベースの署名のみ有効。個人が複数候補者に署名するのは禁止。
選挙後でも不正が発覚したときは、当選無効、給与(報酬、歳費)返還、公民権停止、刑事罰併科。

それから、同一政党・団体から、定数を超える立候補は禁止。これで今回なら十数名は減少。
政見放送、ポスター等の選挙目的外使用も禁止。

これらの改正を、公職選挙法本体で行うか、政令等でできるようにして国会への報告(事後か事前か)を義務付けるか。

たとえイタチごっこになろうとも、問題が生じたり、裏をかこうとする動きが出るたびに、面倒なようでも制度を地道にバージョンアップしていくことが、民主主義のコストでもあろうと思います。

「高級料亭や、2次会として女性が接待する飲食店」を利用して官僚を接待するよりも、よっぽど必要な経費ではないでしょうか。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2024/01/22/210259