引続き、NHKの「平和サミット“ロシアに連れ去られた子どもの帰還”がテーマに」です。
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連れ去られて養子にされた男性も
おととし5月にロシアに連れ去られて養子にされた末、去年11月、ウクライナに帰国した男性がNHKの取材に応じ、心の傷を音楽で克服したと明かすとともに、ほかの子どもの帰国に向けても支援が必要だと訴えました。
ウクライナ東部ドネツク州のマリウポリ出身のボフダン・イエルモヒンさんは、幼いころ両親を亡くし、学校の寮で暮らしていました。
おととしマリウポリがロシア軍に占拠されると、ロシア側が支配する、州の中心都市ドネツクに、「安全のため」と称して連れ去られ、さらに1000キロほど離れたモスクワ郊外の里親のもとに養子にされたということです。
イエルモヒンさんは、脱出を試み続け、ロシアで徴兵の対象となる18歳の誕生日を前に「ゼレンスキー大統領、帰国できるよう助けてください」と訴える動画を弁護士を通じてSNSに公開しました。
この映像が注目を浴びると、ロシア側が帰国を認め、去年11月、ウクライナに帰ることができました。
イエルモヒンさんは、ロシアに滞在中、<ロシア側に「洗脳」されるような言動に苦しめられたということで「日課のようにずっと『ウクライナはネオナチだ』と聞かされ続けた。『ウクライナでは臓器のために子どもが取り引きされている』とか『帰ったらすぐに動員される』とも言われた」>と明かしました。
イエルモヒンさんは、こうしたストレスやマリウポリで目の当たりにした戦闘による心の傷で精神的に不安定だったといいます。
これを克服しようと好きな音楽に打ち込んだということで、「祖国」という歌を作詞して心を和らげるとともに帰国の意思をみずから確認していたということです。
イエルモヒンさんは「毎日がつらかった。心の傷は大人も子どもも皆抱えていて、正しいアプローチが必要です。自分の場合は音楽を作ることで気持ちを落ち着けることができ、みずから克服しました」と振り返りました。
一方、多くの子どもがいまだ帰還できていない状況について「自分だけが有名になって脱出できたのが間違っているという感覚はずっと持っている」とも話しています。
イエルモヒンさんはことし、政治家などとともに団体を設立し、ロシアに残る子どもの帰国の支援や、帰国したあと社会に溶け込めるようなケアを行っていくと決意を示していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240616/k10014482781000.html
カタールは、ここでも仲介やってるんですね。ロシアが仮に「でっち上げだ」と主張しようとしたとしても無理だということです。
さて、あくまで個人的にはですが、ロシア側の要求を丸々のむかどうかは別にして、ウクライナ側が領土について譲歩という選択はあり得るだろうとは思います(異論はあるでしょうが)。
ただ、子どもたちの全員帰還は譲れないでしょう。私が親なら。
そもそも、<赤色>(前記事にもあります)で記したような、子どもたちに対する虚偽の強要や洗脳を行っているロシアを信用できるか、という思いは常にあります。
国際刑事裁判所(ICC)が、プーチン氏やリボワベロワ氏に逮捕状を出した際、
「プーチン大統領が子どもの連れ去りを直接指示しているとは思えない」などと鈴木宗男氏は主張しています(同氏の2023年3月19日のブログ)。
(ちなみに、連れ去り自体は氏のブログでも否定する言葉は見当たらない。)
しかし、ロシア軍やロシア政府が組織的に行っていることで、プーチン氏が支持も了解もしていないことがあるとは到底思えません。
今、プーチン氏は北朝鮮を訪問していますが、拉致加害者の北朝鮮、ウクライナの子どもたちの誘拐犯のロシア、その両犯罪国のトップ会談なんですね。
これらを肯定的に語る日本の国会議員がいるとしたら、恐ろしいことです。