HKの「平和サミット“ロシアに連れ去られた子どもの帰還”がテーマに」の続きです。
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子どもの救出に取り組むNGOでは
ウクライナで、ロシアに連れ去られた子どもの救出に取り組んでいるのが首都キーウに拠点を置くNGOの「セーブ・ウクライナ」です。
「セーブ・ウクライナ」のこれまでの取り組みで、今月14日までに、ロシアに連れ去られたり、ロシアの占領地に取り残されたりした子ども373人の帰還を実現したとしています。
NGOでは、親族などからの要望に応じて、子どもの帰還のために、ロシア側で公開される里親の募集や養子を扱った記事などから情報を収集します。
そのうえで、子どもの居場所を特定し、本人などに連絡を取ったり、親族などがロシアに向かったりして、帰国につなげてきたということです。
NGOの創設者ミコラ・クレバ氏は「連れ去られた子どもたちに関する情報を見つけ、子どもたちとつながりを築いてきた。ホットラインを設置しているが毎日のように連絡がくる」と話していました。
一方で、クレバ氏は「ICCの決定後、ロシアは情報を隠すようになった。また特に子どもが養子縁組みされた場合、ロシアの市民権が与えられ、見つけるのが非常に困難になっている」と述べ、プーチン大統領などに逮捕状が出されてからは、子どもの特定がより難しくなっていると訴えています。
NGOでは、帰還できた子どもから詳しく聞き取るなどして、情報収集の強化を図っているということです。
また、去年5月、このNGOから派遣された女性がモスクワで拘束され、国外追放されたと報じられるなど、NGOはロシアの当局が監視を強めているとみています。
(略)
1週間前に帰還した少女は
NHKは、ロシアに連れ去られ、今月9日にウクライナに帰還できたばかりのイローナさん(17)に、話を聞くことができました。
ウクライナ南部ヘルソン州出身のイローナさんは、ロシアによる軍事侵攻でおととし、住んでいた場所がロシアの支配下に置かれました。
おととし夏、ロシア側が主催するクリミアで行われた「キャンプ」に参加したところ、その後、車でロシア南部のクラスノダール地方に連れていかれたということです。
そこで、イローナさんは当時16歳だったものの、<身分証明書の生まれ年を2年早く書き換えられて成人年齢に達したことにされ、「ここのルールに従わないと家族が大変なことになる」と脅されて、ロシアで成人女性として暮らすよう求められた>ということです。
イローナさんは、当時の心境について「家族に危害が及ぶかもしれないと思うと、わかりましたと言うしかなかった」と振り返りました。
イローナさんは、ロシアで自分で生計を立てる必要に迫られ、飲食店やスーパーなどでアルバイトをして生活していたということです。
NGO「セーブ・ウクライナ」のボランティアと連絡をとってウクライナへの帰国に向けて準備をしていたところ、ロシアの情報機関に携帯電話を取り上げられて妨害されたということです。
さらにその後、うそ発見器にかけられ、ウクライナ軍に知り合いがいないかなどと尋問を受けたということです。
ロシア側がウクライナ軍の情報を入手するため子どもを利用しようとしていることもうかがわれます。
イローナさんは、携帯電話を買い直すなどしてNGOなどと連絡を通じて、今月、2年ぶりに帰国を果たすことができました。
イローナさんは「帰国できて呼吸が楽になった気がした。ロシアにいた間は10年以上のように長く感じた」と話していました。
現在は「セーブ・ウクライナ」で一時的に保護されていて「ほかの子たちも早く帰ってきてほしい」と訴えています。
(つづく)